見出し画像

ぼんやりとした輪郭

このお話は少し長いあなたへの占いと思ってもらっていいと思う。色んな啓示があるかもしれないけど、その時、その時にピンときたものだけ持ち帰ってもらえれば嬉しいです。

鈍感な占い師ほどあなたにとって信用にたる存在はいない。未来がそこに視えているのに気づけずに、ボールペンを落としてしまった時や小銭を勢いよく財布からぶちまけ自動販売機の下に落ちたコインを拾う時に、ふと視えていた事に気づき慌てて切迫した局面で当事者に占い結果を伝えようとする。鈍感さゆえにいつかの遠い未来の話ではなく、すぐそこにある出来事についての道標を慌てて示してくる。すぐ使う必要がある道標は移動床のように宝箱、もしくは魔物の群れへと連れていく。しかしながら数年後に備えて、来るべき時に備えてとはいかないから入念にその事柄に対して身支度をすることはできない。輪郭はぼんやりとしているが小さな確信がそこにあったとしても、出来ることただ受け身を取れる心構えだけ。完全に避けられはしないけれど致命傷は避けられる。死なないだけまだましだろと親しい友人からの軽くも有難い一言を全て過ぎ去った後に貰えそうだ。そしてまた勢いよく小銭をぶちまけたらしい。

《落書きを消せ。消せ。消せ。消せ。》

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?