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【TRPG】雨やみ探偵感想【ネタバレ】

※本記事には謎解きTPRG「雨やみ探偵」のネタバレがあります。作品の特性上、一度しか体験できないため現行・未通過の方は閲覧をご遠慮ください。

【作品紹介】
「雨やみ探偵」 原作:妙楽様、制作:らしょ様 

マダミスを始めて以来「やりたい!」と思っていた本作。幸いなことにPLで参加する機会を頂き、それからすぐにGMでも回すことになったシナリオです。
どちらの卓も本当に楽しく、自分のGMデビューが本作であったことは割と僥倖だな、と思っています。キャラ的にも内容的にも。
今回は直近の、GMで回した際の感想をメインに、PLのときのことを織り交ぜつつ感想を残しておきたいと思います。PLのときは推理にいっぱいいっぱいで余裕なかったからね!!!

この雨やみ探偵。マダミスをやっている方はほとんど名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。超有名ですよね。
しかし、本作はマダミスではありません。「謎解きTRPG」です。ここ大事。製作者様もそこを強調しておられるので、やはりここはしっかり区別しておきたいところ。
GMが出す問いにPLが答える――この繰り返し。本当にその通り。
面白いのは、実はこのシナリオの主人公はGM側であるということ。あくまで主観ですよ?ただ、PLで遊んだ時に強くそれを感じ、実際にGMでやってみて確信に至りました。もちろん私見です。私見ではありますが、主人公はGM、主役はPL達、というのが両方の立場で通過した私の本作への忌憚ない印象です。
さてそのGM側のキャラクター、雨宮さゆり。いい名前ですね。
このキャラクター名は実際に遊ぶまで伏せられているため、通過済みの仲間内以外ではその名前は出さず、「GMキャラ」という呼び方をしています。


セッション概要

9/25 15:00~
GM/雨宮さゆり:私
PL_A/三束松巳(松原千鳥):ヤズさん
PL_B/三束卯花(松原卯汐):うしおさん

ちなみに、私がPLで参加したときは
9/11 14:00~
GM/雨宮さゆり:テオさん
PL_A/水無月慈雨(神薙ゆう):ゆうさん
PL_B/水無月甘雨(神薙せと):私
という配役でした。慈雨と甘雨は同じ意味の言葉で、雨にまつわる名前にしよう!とこうなりました。響きが良くて今でもお気に入りです。

事前準備

そして、こちらが使った盤面。
今回は5つの盤面(オープニング、第一話、第二話、第三話、最終話&最終問題)を用意しまして、これはオープニングの画像になります。
立ち絵ってフリーのアプリで簡単に作れるんですね。差分も作れるので、絵が苦手な人間には本当にありがたいことです。
てかココフォリアすごいな!!!!!!なんでも作れるじゃん!!!!!!昔取った杵柄ではありませんが、いわゆるノベルゲーを大量に作っていた私にとって、シーンを切り替えたりBGMを変えたり、SEを差し込んだり立ち絵を変えたりの作業は、まあもうめちゃくちゃ楽しいわけですよ……。没頭しすぎて一日が終わってたときもあったよ……。
また、PLの二人はリア友かつRP大好きマンだと分かっていたため、セッションの一週間前に打ち合わせの時間を設け、キャラの作りこみと一週間かけてのキャラの落とし込みを行ってもらいました。エンディングに至る決断について、キャラをしっかり落とし込んだうえで選択してもらいたかったからです。基本事項を決め、古の100の質問()をスプシで共有し、GM視点でポイントになりそうな個所を強調したりしてブレスト。実際、これをやっておいて本当によかったと思いました。END1以外、最後の決断って、結局推理じゃなくRPですからね……。PLの二人(以下、三束兄弟という。)はキャラ設定に従って、見事さゆりさんに包丁を向けることはしませんでした。私ですか?思い切り「殺してやりたい!」と包丁向けましたよねワハハハハ笑
ちなみにですが、私は一週間以上、通しでの読み込みや盤面の操作、コマや立ち絵のチェックなどを入念に行いました。初めてのGM、しかも雨やみ……PLの二人に絶対に楽しんでほしかったので。おかげで自分なりの「雨宮さゆり」が出来上がり、自分でも愛せるさゆりさんになったと思ってます。
連続殺人鬼だけどな!

いざ開始

そうして迎えたセッション当日。
前日は珍しく緊張などし、あんまり眠れませんでした。遠足か?
入念に準備した甲斐もあって、スムーズに進行できたと思います。盤面にも細工をいろいろ仕掛けておいたので、それに反応してくれるのも嬉しい。
そして第一話が終わった後。
ヤズさん「さゆりさん怖い~笑」のお声。はい、頂きました~~~!!!
とーーっても優しいんですよ、私のさゆりさん。でも怪しさや狂気的なものは節々に匂わせるようにしておいて、どこか怖いと思ってくれたらいいなと思っていたので、わぁ、これは大勝利です!(さゆりさん風)
第一問は特にヒントを出すまでもなく、平均時間で終了(34分)パチパチ。

迷走の第二話

問題は、やはり第二話。
いや~、推理が迷走して暴れまわってましたね笑
地球一周回ってオリエント急行説になったのは面白かったです。推理小説に明るい千鳥さんらしい発想だな、と。
さて、この第二話「ごにんの犯人」ですが——。いやいやなんで平仮名やねん。メタいわ。
と、ツッコミたくなりますが、ここはさゆりさん、最初のタイトル読み上げのときにわざと「五人」のイントネーションを使います。いよいよ行き詰って立ち返ったタイトル読み上げでは、「誤認」のイントネーションを使用。「五人」と「誤認」って、イントネーション違うんですよね。日本語って素晴らしい。
余談ですが、PLの二人が作った差分が、
兄:メガネオフ(通常メガネオン)
弟:パーカーオン(通常パーカーオフ)

というものだったのですが……。ね?なんとも第二話にぴったりなんですよ、これ。状況的に、二人とさゆりさんは雨宿りをしている。肌寒い日なので、メガネも曇るし水滴がついて見えなくなってしまう。議論が白熱すればパーカーだって脱ぎたくなるわけです。この立ち絵差分を、めちゃくちゃヒントに使いました。……流されちゃいましたが。第二話いろいろ流されてるもんね、仕方ないね。
さらに余談ですが、私はこの雨宮さゆりというキャラに、以下の原則を設けていました。
・基本的に双子探偵に好意的。自分からも気軽に話しかける
・双子が慕ってくれるなら、ヒントは惜しみなく出す
・双子がさゆりに否定的、または話をしたがらないならヒントは出さない
・ヒントについては、平均時間または制限時間の長い方を超えるまでは、聞かれない限り出さない。それを超えたら、上記の双子の態度によって自分からそれとなく出していく
双子ちゃんは早い段階でさゆりさんを慕ってくれていたので、第二話からはさゆりさん、導きの手を何度も何度も差し伸べてました笑
「卯汐さんイイこと言ったんですけどねぇ」「俺なんて言った?!」「まあ、だいぶ前の会話ですし、流されちゃいましたね~……雨みたいに」
なるほど、雨に流されちゃったんですね~~~。
いや答えやんwwwこの、答えギリギリのヒントを出しても、そもそも裸という発想になっていない(着替えた説に固執してた。これで一度回答を間違えている)ので、ヒントもむなしく流されたのでした。
あと、神薙姉弟のときもそうだったんですが、あの見取り図は地下にいきやすいようですね。三束兄弟ももれなく地下・地下牢に行きつき、ヒントを出してもなかなか屋上(野外)というところには行きつきませんでした。地下だと雨って関係なくなっちゃうんだよね。

最難関の最終話

そしてあーだこーだ、二時間半の議論を終えて迎えた第三話。
事務所の調査については、二人はピンポイントでいい場所を探索しててすごいな~と思いました(語彙力)。ワイ?金庫調べたよ!開かなかったね!
「足りないパーティ」についても、割とさっとバラバラ殺人には行きついており、食材になっちゃった点についても「考えたくない、それはないでしょw」と否定しつつも迷いなく正解。お見事。さすが、闇の腐女子は違うぜ。
逆に完全死体処理マニュアルやらエド・ゲインやらを読み漁っていた時期があったせいか、私は死体を溶かすとか迷走してました。業が深い。
そして最難関……、はい、最終話ですね。
め っ ち ゃ か か っ た !!!!!!!(約3時間)
さゆりさん、二人を導くのに必死だった!!!!!!!笑

第三話までで分かったこととして、卯汐さんは勘がいい、よく閃く。千鳥さんは推理小説の知識が豊富で、引き出しが多い。推理が詰まったときは、だいたい卯汐さんの直感が光る。が、本人はそれを忘れる!笑
これが、最終話でもいかんなく発揮(???)されるわけです笑
さゆりさんがあからさまにヒントを出し、三束兄弟もヒントだと分かってはいる。しかし、それがうまく推理に結びつかないという局面が多々あり、おかしくて3人とも笑っちゃってました。いいRPです。ちなみにこれ、第二話でも多々ありました(^p^)
ありがたいことに(?)、最終話開始の時点で三束兄弟はさゆりさんをものすごく信頼してくれています。ちょこちょこ不穏な発言をしているのですが、あくまで明るく上機嫌にヒントを出して導いてきた結果ですかね。さゆりさん的には、心根の優しい三束兄弟にちょっと憐憫を覚えてたとかなんとか。実際、最終問題になってもまだ信じてくれている部分があって、もうちょっと怪しさプラスしといてよかったかな……と思いました。これは次回以降に活かすとしましょう。
自分がPLだったときには、第二話から第三話の探偵とのやり取り(山奥の館殺人事件)やステーキ事件、さゆりさんの態度などからこの時点で「こいつ……(これまでの事件の)犯人じゃね?」と思っていたので、本当にその卓によるんだなぁと。
この最終話は、もう、さゆりさんスーパーヒントタイムのオンパレードでした。どうにかEND1は回避してあげたい、でもあまりに的外れなら探偵としての資質を見限るのも雨宮さゆりだし。
えーい、ここまで大ヒントや!!!え、これでもダメ?!今いいところ行ったよね?!どうして戻った?!いや諦めるなさゆり!三束兄弟頑張れ!まだいける!……とぐーるぐる。
これ、第三話が「(遺体が)足りない」としたら、最終話は遺体が多いんですよね……。あーさんと、うーさん&えーさんが見た2体の遺体。どう考えても、あと一人登場人物が必要になってくるわけです。ただ、なかなか外部犯というところには行きつきにくいというか、解決の場面になって、突然、第三者が登場するのは推理小説などでは一種タブーのようなものなので、ミステリー好きほどこの回答には至りにくい(無意識で忌避する)のではないかなと思います。私たち神薙姉弟もそうでした。既成概念にとらわれず、事実を並べて実態に合うように辻褄を合わせるには何が必要か、それだけをシンプルに考えるのが推理というものなのかなと、さゆりさんに教わった気がします。(実際、本卓では三束兄弟がやたら「理由」や「動機」にこだわって迷走していたので、さゆりさんはそこを何度か指摘しています。ちなみここは、神薙姉弟がテオさゆりさんから指摘された点でもありました。)
このように外部犯なんかが登場する可能性がある以上、動機なんて考えるだけ無駄ですからね。

エンディング

そうして息切れしながらたどり着いた、最終問題。
ここは、前述のさゆりルールの時間を超えてヒントを出すと、すんなりと物的証拠にも気づいてくれました。三束兄弟——双子探偵は、ついにエンディングを迎えます。
結果は、END2「これは避けられない破滅」
なんとも三束兄弟らしいラストでした。この二人のRP的に、これ以外の選択もエンディングもありえなかったと思います。
迷わずさゆりを警察に突き出そうとしてくれたときは嬉しかったです。ああ、最後まで二人はブレなかったな……って。
いやなことでも、やらなきゃいけなかったらやるんですもんね。
いやだなって思いながら、我慢しながら。
諦め、悪いんですもんね。
まあ、返り討ちにしたんですけどね。ふふ。
二人からもらっていたキャラ設定にあった遺書や持ち物なんかも、エンディングにてセリフで反映させてもらいました。

もしEND3なら、二つの傘は落ちずに、さゆりさんの傘と合わせて3本の傘が並ぶようにしていたエンディングの盤面。END2を迎えた二人の傘は、落ちて転がってしまいました。けれど、これが二人にとってのTrueエンドだったのは間違いありません。
第一話:34:21
第二話:質問1:39 2:30:08
第三話:46:04
最終話:2:50:58
最終問題:42:05
トータル11時間ほどの、本当に長丁場となりました。
初のGMということで、ちょっとモタついたかなと思う場面もありましたが、長丁場、疲れを見せずに最後まで3人の雨やみ探偵を楽しんでくれた二人には感謝しかありません。そして、同じく長丁場となったPLでの参加の際のお二人、テオさんとゆうさんにも多大なる感謝を。二人とのセッションがなければ、私の雨宮さゆりは生まれませんでした。
次は、今回PLで雨やみを楽しんでくれたお二人が、自分がさゆりさんになってどのような雨やみ探偵を回すのか、それが楽しみです。

雨やみ探偵、まだまだ拙いGMですが、もし一緒に回してくださる方がいればお声がけください。私に雨宮さゆりを演じる機会をください笑

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