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ベガルタ仙台2022 予想外に好調な序盤を終えて

まさかの快進撃

 16試合終わって10勝。試合あたりの平均勝ち点は2.0で暫定的ながら首位。得点はJ2トップの30得点。開幕前J2の恐ろしさと自軍の戦力の低さにおののいていたが、蓋を開けてみればびっくり、首位である。しかも超期待の助っ人デサバトがあんまり機能していない状態でこれである。原崎さんはコーチからの昇格であり、実質2年目といえなくもないが、それにしても素晴らしい成績である。もうリーグ終了でいいのではないだろうか。コロナ関係なく。だめ?そうですか。

思ったより「優しかった」J2

 とはいえ、開幕からの数試合を見て、この状態を予想した人はいないのではないだろうか。アルビレックス相手には圧倒的に中盤を支配され、しかしさすがJ2、相手FWの力不足もあり、なんとか引き分け。2試合目の水戸相手では、なんとか逆転勝ちを収めるも、水戸のほうがチームとしてやりたいことが整理されていた。群馬相手には組長の短期間で組織された見事な守備を全く崩せず、おいおい、原崎監督去年からチームに関わっていたのにこの体たらく??と不信感ばかりが募る。

 グルージャには完勝するが、正直チームの個人能力の差がそのまま出ただけだった。まあこれまで個人能力で圧倒する経験が少ない我が軍には貴重な体験だったが。そのごみちのくダービーは杉本のやらかしがあるもなんとか逆転勝ち。

 すべての試合で中途半端にボールを支配し、カウンターを受ける去年の悪癖が頻繁に顔を出していた。J1にいた去年までの感覚でいうと、3月末までに5敗してもおかしくなかった。しかしながら、やはり2部は2部。アピ抜きの守備陣で意外と守れてしまうほど相手FWが強くない、遠藤、中山を始めとした攻撃の補強がはまるのと氣田の覚醒があって意外と得点が取れるという誤算あり、なんとか3勝2分2敗という成績で3月を終える。しかし、大分、町田に連敗したことはこのチームの限界を表しているようでもあった。

 「J2は甘くないぞ」との声も多かったが、ここまでの戦いを見ると、J1とJ2との差が10年前と比べてかなり開いている印象を受ける。なにせ去年さっぱりだめだった氣田のドリブルが通用するし、ポンコツだった皆川がFWとして機能しているし。

中島元彦 参戦!!

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 それでも後方でボールを回すときにボールの預けどころがないという去年からの課題はそのままだった。ボール来た!プレスも来た!やばいダイレクトでパス!という日本人らしい責任転嫁のパスを連続して奪われる現象は今季も継続。

 デサバトが全然入国してこないので梁勇基がなんとか入るのだが、可もなく不可もなくといったところ。鎌田も決め手にかけ、吉野も怪我がち。チーム全体で2年間のトラウマがあるのか、困ったときに誰もボールを受けに来る気配がない。

 そこにC大阪から育成型期限付き移籍で中島が加入。加入直後からフル出場という活躍を見せ、あっという間に仙台の中心となる。ボールの持ち方もいいし、パスも正確だし、密集地でも体をうまく使ってキープできるという、J2では頭一つ抜けたスーパープレイヤーの加入で金沢戦まで8勝1敗というハイペースで勝点を積み上げた。ボールの受け方とかパスの出しどころとか、昔の野津田を彷彿とさせる。よくこんな選手とってきたものだ。シーズン途中でいなくなるリスクがあるとはいえ。

ドタバタGK

 今年は開幕から杉本大地がゴールマウスを守っており、ビルドアップは去年より明らかに安定感が上がった。しかし、空中戦やシュートセーブ、ポジショニングとそれぞれかなりの課題が見られ、経験が少ないせいかかなりドタバタする印象であった。更にみちのくダービーでクロスをぽろりして失点。勝ったからいいものの、負けていたらいろいろやばかったのではないだろうか。これ以降、スタメンはもとより、サブにすら入ることは少なくなった。

 そこから巨神兵、ストイシッチがゴールマウスを守る。去年見る限り、クバの控えとして、たまにルヴァン要員として問題なさそうだった。が、リーグ戦では問題ありあり。まずロングキックはまぁまぁだが、トラップとショートパスがいまいちでビルドアップに参加できない。故にストイシッチが出る試合はパスがGKまで回ったら前線に蹴っ飛ばすのがセオリー。次に長い手足を扱いきれていないのか、低めの足元の処理が怪しい。シュートストップは反応が早すぎて逆をつかれる事がしばしば。そして一番得意そうな空中戦でも目測が怪しくて、パンチングミスから結構ピンチを作る。横浜FCに負けてから控えに回るようになった。

 そして横浜FC戦以降は、仙台ユースの至宝、小畑がゴールマウスを守る様になった。一番年下のはずなのに、一番落ち着いた守備を見せ、現在はスタメン一番手。シュートストップはまぁまぁ、ビルドアップに参加でき、なんか全体的にドタバタしてない。空中戦になるとたまにポカをやるのだが、他の二人に比べて特段ひどいわけでもない。自チームのユースから、トップチームの正ゴールキーパーが生まれるという、サポの夢を実現してくれている。これもあの暗黒の木山時代(開幕から連続出場)があってこそ。このまま頑張れ。

SNSの使い方を熟知してきたフロント

「カレーは飲み物」

2500「食」ってゆっちゃってるじゃん。Twitter上を賑わせ、朝の全国ニュースで取り上げられるほどになったこの現象を見て、やっとフロントが仕事してくれた、と感じたサポは多いのではないだろうか。なにせベガルタというクラブはこれまで情報発信はSNSでほとんどせず、ツイッターのアカウント作成すらJ1クラブで一番遅かったぐらいだ。そんなフロントがTwitterを賑わせる日が来るとは、、、。結局試合は6000人程度の観客数だったようだが、全国ニュースで取り上げられた影響はでかい。フロントがこれだけ頑張ってくれるなら、将来のACL出場の可能性も夢見れる。今後も頑張れ。でもカレーは飲み物じゃねぇよ。

まとめ

 相変わらずショートパスの精度と連携がイマイチなシーンが目につく。ボール取られたらヤバそうなところでサクッと取られる危なっかしさ、GK小幡一番手と入っても現状では物足りなさが残ること、勝ちが多いとはいえ大分・横浜FCなどJ1レベルの戦力には負けていること、主力のうち4人がレンタルであることなど、不安要素は尽きないが、まずは今年J1昇格である。ここまで想像以上にうまく行っているので、原崎監督にはぜひこのまま頑張っていただきたい。





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