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赤と緑についての連想

生後まもない子のことを赤ちゃんというが、嬰児(みどりご)ともいう。赤ちゃんは肌が赤みがかって見えることからそう呼ばれる。嬰児はもともとは緑児と書いたのだとか。大宝令には3歳以下の子供を緑と呼ぶ規定があったことに由来しているらしい。緑のイメージは新緑や若葉から。

赤と緑を色相環で見ると補色の関係にあることが分かる。正反対に位置する色を同じ存在を呼ぶ言葉に使うのは面白い。赤ちゃん、緑児。

だとすれば、赤いきつねと緑のたぬきはどちらも子ぎつねと子だぬきだろうか。「赤いきつねと緑のたぬき、中身はどっちも茶色だー!」と言ったのはラーメンズだが、赤と緑を色で混ぜると茶色になる(ちなみに光で混ぜると黄色になる)。

信号の青はかなり緑に見える。「青信号って緑じゃん」というのは小学生くらいになると誰かしら言う気がする(ラーメンズもネタにしている)。緑色の信号を青信号と言うのは、緑を青と表現することからきているのだろうか。青菜や青果と同じような。
色相環でも赤と緑は反対に位置していたが、信号でも赤と緑(青)は反対を意味している。進行可能と進行禁止。危険と安全、この2つも赤と緑で表される。emergencyは赤で表示されるし、システムが正常に動作し安全が確保されてる時にはオールグリーンと言ったりする。これもやはり反対。

果実のことを考えてみると、やはり赤と緑は反対に位置する。緑は若い色で赤は熟す色。還暦は十干十二支が一巡りして生まれ直しの意味があるところから赤いものを贈ることになっているけれど、熟す色としての赤を重ねて考えてみても面白いかもしれない。

赤の語源は明(あか)と同じらしい。赤は明るいイメージ(ちなみに黒は暗(くろ)と同語源のよう)。緑は「みづみづし(みずみずしい)」と関係があると考えられているとか。そうだとすれば、「緑の黒髪」という言葉がツヤのある黒い髪を表すのも頷ける。
冒頭の赤ちゃん(緑児)に引きつけるなら、赤ちゃんは明るくみずみずしいイメージを持った存在だということができる。確かに赤ちゃんに暗い、乾いているイメージはそぐわないだろう。

赤と緑、ほかにもいろんな連想ができるかもしれない。

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