超初心者向け「投資信託」解説② ~2つの利益編~
こんにちは。オロゴンです。
ひとりの投資信託おじさんを選び、100万円を託すことを決めたあなた。
今日はそのおじさんが、あなたにもたらしてくれる利益について解説してみたいと思う。
おじさんが持ってきた目論見書(もくろみしょ)にも目を通し、同意の意思表示が完了したら、いよいよおじさんと契約だ。
おじさんは、あなたからお金を預かる時「口(くち)」という単位を使う。おじさん毎に1口あたりの値段が決まっていて、この値段は毎日変動しているる。まあ、魚屋さん・八百屋さんと似たようなものだ。
「うちは今日は1口1万円だから、あなたには100口渡すね。毎度あり!」
こんな感じ。
ここに登場した1口あたりの値段、これを「基準価額」という。株で言う株価みたいなものと思ってもらって構わない。
基準価額はお客さんから預かったお金を運用しているおじさんの全財産(純資産総額)を、その時の口数で割ったもの。
(厳密に言うと、更に1万口分の値段に引き直したものなんだけど、ここではイメージだけ掴んでほしい)
おじさんが運用に大成功して、100口集めた100万円を150万円に増やしたとする。そうすると、1口1万円だった基準価額は150万÷100口=1万5000円になるわけだ。
おじさんの資産が増えたこの段階で、おじさんから100口分を現金に替えて返してもらえば、あなたは50万円の利益を得る事になる。これを「値上がり益」(=キャピタルゲイン)という。
基準価額が安い時におじさんに預け、基準価額が上がったら返してもらう。この値上がり益を狙うのが、投資信託における利益(リターン)回収方法のひとつだ。
そういう意味では、この「基準価額」の推移は、おじさん達のお金を稼ぐ能力(パフォーマンス)をそのまま表すということが言える。
したがって、ここでは順番が逆になってしまったけれど、この基準価額はあなたが投資信託の銘柄を選ぶときの大事な大事な指標のひとつとなる。
その為、証券会社のWEBサイトでは一番広いスペースを割いて、グラフ等で基準価額を表示している。
ちなみに、この基準価額は1日に1回だけ更新される。表示されているグラフは前日までの値動きを示すもので、リアルタイムのものではないということは覚えておこう。
さて、おじさんはあなたから預かった100万円を元手に、目論見書(もくろみしょ)で約束した方針通りに、国内外の株式や債券、場合によっては不動産や金などの対象に投資していく。
売ったり買ったりはおじさんに完全に任せることになる。そう、あなたはおじさんに投資を信じて託した訳だからね。
あなたは、おじさんがする売り買いなどに指図することはできない。預けてしまえば、基準価額の推移を見守るだけとなるわけだ。
ここは、投資信託のメリットでもありデメリットでもあるところ。
忙しい人は「ほったらかしで楽ちん」というだろうし、投資に詳しい人からすれば「物足りない」という風になるわけ。最近はほったらかしで気軽に投資をしたいという人が増えているので、投資信託の人気が出ているのだ。
投資信託おじさんは、投資がうまくいって利益が出たときに、その利益をあなた達に配ることがある。これを投資信託の「分配金」という。そして、この分配金であなたが得られる利益のことを「インカムゲイン」と言う。
このインカムゲインが、あなたにとってもう一つの利益(リターン)回収方法となる。
ところで、この分配金。「払うか払わないか」は実はそれぞれのおじさんの自由となっている。
一切配らずに資産を蓄えていくおじさんもいるし、1年や半年に1回という風に定期的に配るおじさんもいる。そして、なんと、毎月配ることにしているおじさんもいるのだ。
ちなみに、このおじさん達の正式名称を説明しておくと以下の通り。
① 一切配らずに資産を蓄えていくおじさん → 無分配型投資信託
② 1年(半年)に1回分配金を配るおじさん → 1年(半年)決算型投資信託
③ 毎月分配金を配るおじさん → 毎月決算(配当)型投資信託
金融機関の銘柄ページには必ずこれまでの「分配金の推移」が掲載されており、それを見ればどの投資信託にあたるか判断することができる。(銘柄の名前の中にも書いてることも多い)
【無分配型投資信託の分配金推移】
【毎月決算型投資信託の分配金推移】
では、無分配おじさんはケチで、毎月お金を配るおじさんは太っ腹なのか?
…実は、答えは「NO」だ
毎月分配型投資信託は、毎月お金がチャリンチャリン入ってくるイメージがあり、今でもかなり人気がある。営業マンもセールスしやすいだろう。
だが、ここに投資信託という金融商品に隠された「巧妙な罠」がある…。
次回は、この投資信託の「分配金」のカラクリについて少しややこしいのだけれど、なるべく分かり易く解説していきたいと思う。
初心者だけでなく、すでに投資を始めている方の中でも、ご存知ないもしくは誤解している方が特に多いところなので、僕も心して筆を取りたいと思う。