Love in RWBY series

シリーズが始まってだいたい7年間安定して面白いアメリカのwebアニメシリーズ『RWBY』、第7シリーズが絶望的な展開で終わって、続きがきになる毎日です。

 今シーズンは毎話ブレイクとヤンのいい雰囲気のシーンが必ず挿入されていて作中屈指の人生波乱万丈の二人が、とうとう安定した関係になったことをひたすらに見せつけられたシーズン7でした。というわけでRWBYシリーズにおけるの恋愛の軌跡を追っていきましょう。今回ジョーンは髪形を変えて引率する幼児たちのお母様たちにモテモテだった以外は影が薄かったけど恋愛と言えばピュラの話をしなければならないので。

RWBYー多様性(diversity)を表すカラーー

ルビーたちの入学時のオズピンの演説にある通り、彼女らの世界では、大きな戦争の後、多様性を大事にしようと子供たちに色にちなんだ名前を付けます。現実の世界で多様性とカラーに通じるものでまず挙げられるのは、レインボーフラッグ、セクシャリティの多様性ですね。tumblrで見かけた考察で興味深かったのは、ブレイクのカラーリングはAセクシャルのカラーフラッグのカラーリング(黒、灰色、白、紫)と同じであるというものです。まんじゅうRWBYキャラがその人が表していると思われるフラッグカラー掛布団をかぶっているかわいいイラスト群を載せている人もいます。セクシャリティの多様性はRWBYを視聴するうえで主幹となるテーマであるとみなされています。私もそう思います。me too!(シーズン7終盤でチーム三人がブレイクの意見への同意を示して続けて言う)

切ないピュラ→ジョーン(→ワイス)

 ジョーンはシーズン1からシーズン3の途中、ルビチビの時空(ノラの言葉通り、悪いことは起きなかった、ビーコンの悲劇は「起きなかった」)までは一貫してワイスを口説いています。しかも、舞踏会でのネプチューンへの言葉をみるに、初期に多かった自信のあるいい男を演出するムーブの一環ではなく、結構本気で恋していたようにみえますが、ビーコンの悲劇以降、浮ついた話も、ワイスへの口説きももちろんみせません。ワイスがネプチューンに好意をあることを知ってあきらめたのかもしれませんが、ジョーンの恋愛事情は本人が好意を寄せてるワイスだけに言及をとどめることはできませんね。もちろんピュラとの関係があります。ジョーンにとって生きているころのピュラは、面倒見がよく頼りにできるチームメイトであり、戦闘の師匠でもありました。ルビチビではその面がさらに誇張されていて、誤解覚悟でいうと、ピュラがママ的おせっかいを焼いているかのようにジョーンがピュラのやさしさを怒る場面もあります。

 ピュラもシーズン1からジョーンのことを気にしている風でした。私はピュラはジョーンに一目ぼれだったと考えています。彼女の弁の通り、ジョーンが彼女を有名人として変な風におべっか使わずに接してくれたところが効いているにしても、ロッカールームで出会ったころから、一貫してジョーンに対して甘いくらいにやさしいし、ルビチビでは、そのようなところがコメディレベルに誇張されて描かれます。結果的に彼は成長するからよかったものの、偽装入学のことを告発せずに、個人的にけいこをつけてくれるのは相当甘いと思います。

 シーズン3ではピュラは秋の乙女になることを持ち掛けられ、自分ではないものになってしまう不安や、世界の存亡がかかった選択の余地があるのかわからないヒーロー、ヒロインになる選択に感じる重圧のことを考え、混乱した様子を、訓練をつけてきた、自分とともに戦うジョーンにだけ打ち明けます。ルビチビの夢回で象徴的ですが、ピュラはジョーンといちゃつきつつも、グリムが襲い掛かってきたらともに戦う夢を見て、笑顔であり、ともに対等に戦うことがピュラの恋愛観にあることが確かです。しかし、オズピンの秘密主義もあいまって、世界を救う力を継ぐという肝心の事実が伏せられた告白であったため、事情が分からないジョーンはいつものピュラの延長線上で選びなよ!自分の知っているピュラなら世界を救うために全力をつくすためにそうするよ!と励ましてしまいピュラを傷つけてその様子に困惑しました。しかし、結局はビーコンの危機に際して彼女はこの言葉通りに決断をして、ジョーンにキスをして決死の戦いに臨み、ジョーンはその場から遠ざけられ、混乱と無力のまま、ワイスに連絡して彼女を助けてと懇願しました。

 ジョーンは、ピュラに急にキスされて思いもよらなかった好意と彼女がなぜこんなにも急がなければならなかったのかもわからない混乱のうちに、彼女を失い、彼女を失った悲しみをうめ、世界を救うという使命を引き継ぐという決断をします。普通の学生生活で得られたかもしれないピュラとの甘い恋愛の予感を感じる間もなく、恋愛の感覚には蓋をしているようなジョーンを見ているのは悲しいことです。ジョーンのおもいびとがピュラであって忘れられないこととは違う感覚が私はします。

(2020年10月1日加筆修正)

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