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久保茂昭監督作「ゴールデンカムイ」を見てきた。

山﨑賢人、イヤイライケレ。
(アイヌの言葉で感謝の意を伝える意味)

新年2発目の映画はゴールデンカムイ。前回はカラオケ行こ!と実写映画が続いて行く新年ですが…結構2024年の始まりとしては、1月はまだまだ他の映画等もあるんですけど、自分自身は期待していた2本の映画でした。かなり短いスパンで好きな作品を感じれて、仕事で荒んだ心が癒やされてるそんな日。

集英社実写シリーズに山﨑賢人が起用されるのは、主演で三本目。段々と空気になってきてくれてる様な、ジョジョ4部の実写から結構経ちましたが続編は出ませんし、集英社から「すまん!Part3編成(だったかな?)で頑張ろうとしたジョジョは続編が無理や!」なんてノリで、残り2本分の起用はこの辺りで消化されてるんじゃないだろうか。
この起用頻度はジョジョ4部の実写化の謝罪の意味も込められてるのか?なんて邪な勘繰りをしてしまいつつも、オタクに恋は難しいや今際の国のアリス辺りでの演技はちょっと現代設定なのもあってか、しっくりと来るのは無かったんですが。やっぱり昨今の起用頻度も相まって、また山﨑賢人か…みたいな風潮もありますけれど、キングダムの一作目辺りからキャラに忠実と言うか…憑依系の演技に近しい物を感じられたり、本人のフィジカル面での強さもあってか…改めて山﨑賢人自身の演技の幅があると言うか、迫真さ。二次元的表現ではなく、役柄とアニメではなく映画としてあるんだ!みたいな噛み合いが凄いなとも改めて感じられたそんな作品でした。

襟足辺り迄ちゃんと杉元

元のマンガ自体もかなり人気な事もあってか、結構公開当日に見てきたみたいなポストが多かったイメージでして。僕みたいな目が肥えただけの批評家紛いの人間が書くマイナス面のポストが目立った事も無く、全体的に評価が果てしなく良いなと思います。下手にPRとか付いてない様なポスト一つ一つが全肯定してるレベルですから、僕自身もかなりべた褒めしたくなる様なシーンやテンポ感。目につくであろう口コミで、絶対実写映画化としての金字塔をまた立ててくれるんじゃないだろうかと思ってます。

何か予告編とか出たばっかりの時は比べられたけど、キャスティング凄えと思うんだよね

本作は端的に言えば、本当にプロローグに値する作品になるのかなと。原作のマンガの巻数で例えるなら、3巻ぐらいまでの内容でして。中身に触れない程度に例えるなら、起承転結として作品は存在してると思うんですけど…起承転転起承転…映画として結!みたいな感じでしょうか。実写映画化されているキングダムで言えば成蟜の反乱が解決する所迄が作品として成り立たせていると思いますし、るろうに剣心の実写映画としたら鵜堂刃衛が倒される所ぐらい迄が無いが故に、普通に原作を追っていても、追っていない人からしたら消化不良感が否めないのかなって作品なんですけれど。

此れがまぁ原作追ってる人からしたら完璧なぐらい迄にいい作品なんですよ。原作見てない人?まぁ、ほら、玉木宏役の人ちょっと歯ガチガチさせて可愛かったでしょ。もっと次から可愛いシーンもあるよ、見てこうなってぶっちゃけぶん投げちゃうしか出来ない。

眞栄田郷敦尾形ちゅき~~~(IQ5)

本作の立ち位置って上記で語ってる通りの序盤、群像劇が始まる迄の過程とも呼べるプロローグなんですけど、映画として見たら【原作を知っている人が懸念する不安を全部解消させる映画】ただ此れに尽きる。
正直特報!なんて形で最終回前辺りに実写映画化!みたいな大々的に出てきて、割とキングダムよりもあった不安とか懸念点みたいな物がマジで全部杞憂だったんですよ。今作って振り返って見たら、プロローグと言える中身の映画なんだからPart1なり、始まりの黄金…みたいなサブタイを付けろよ!みたいなのも否めないぐらいには、本当に進んでないんだけど。SNSで結構意見ってプラス面マイナス面どちらも一気に広がりますからね。大人の事情もあって、ジョジョの実写版が無くなるみたいな事もある訳ですから、こういう映画を作りますよみたいな色が強かったとも言えるのかな。

白石200億点あげたくなったね。妖怪のシーン凄かったね。

今回実写映画を2本連続で見てきて、前回書いたカラオケ行こ!と違うなって思ったのは、前回がマンガにある余白をぎっちり埋めるなら、今回のゴールデンカムイって少しずつ丁寧になぞっているとも言える作品で。自分自身が結構るろうに剣心のとんでもワイヤー殺陣とか好きだったりするんですが、二次元描写をやろう!から生まれたとんでもねぇなって思えるシーンや原作ノリのこういう所をもっと茶化して~~wwwみたいな物を出すんじゃなくて、結構ゴールデンカムイ自体はバトルシーン等もあるんですけれど、杉元佐一とアシリパと言うキャラクターのやり取り等も凄く大事と言うか…原作である過程みたいな物を一つ一つ大事にしてくれてるんですよね。
在り来りな俺達!仲間だぜ!みたいな物でも無く、二人がお互いに足並みを揃えようとして相方として旅を続けようとするのが、ゴールデンカムイと言う作品の肝でもあると思うんですが、それを大事にしてくれてるかなって。後作者の人も大事にしたいと思っているアイヌ文化でのやり取りのシーンもかな。

個人的に例を挙げると、Dinerと言うヤングジャンプでもコミカライズされて、蜷川実花さん監督で作られた映画があるんですけれど…これがまぁ…無駄に邦画テイストにアレンジされて、恋愛関係みたいな物を持ちましてね。ただただ虚無感を感じさせるのもあって、本当に見てるのが途中で辛かった映画があったんですが、そういうのが一切ない。

その中で、原作の台詞の改変は殆どせず!こういうアクションは忠実に!みたいな所も強くて、大好物を大量に接種した満足感みたいな物で満たされた感覚に近いかも知れません。


僕自身が良かったと思える所を挙げるのなら、誇張抜きで100個ぐらいあるなとは思い返すんですけれど…丁寧になぞっていると言うのを感じた点として一つ挙げさせて貰いたいのが、原作漫画を読んだ人なら分かってくれると思うんですけども。尾形百之助と言う人物は銃を格好良く持ち…使うキャラクターなんですが、初登場シーンの構えと実写映画のあの構えが絶妙に似てるんですよ。顔ものっそりと自然と構える感じとかが「あ、これっぽい」みたいな。白石由竹って言うキャラクターのビジュや台詞、雰囲気の出来とかも異常とも呼べるぐらい素晴らしいんですけれど、自分の中で喰らったなってのは本当に、ただこのシーン。

元々主要なキャラクター一人一人の出来もコスプレみたいな陳腐さも感じさせないし、こういう文章にしたい人間が言うべき事じゃないんだけれど、見たからこそ分かるシーンのインパクトが本当に凄まじいなと感じれた作品でした。

兎に角どんな事にもヘイトが向いてる時代なんで、悪い事って目立つとは思うんですけど無いじゃないですか。そういう事が一切無いんだから、口コミとかそういうのを大事にする日本人なんだから見ろ。実写映画なんてさ~なんて言う穿った見方をせずに見ろ。それだけで俺は続編が見れる機会を得れるって言う期待で生きていられるんですよ。

書いていて思ったんですけど。
ヤングジャンプ系の実写化になると四作目になるのかな。コミカライズ込のDinerもありなら5作目になるんだけど、ライアーゲーム、キングダム、嘘喰い、ゴールデンカムイと続いてますが、僕自身がこの辺りの漫画は履修している上に好きって言うのもあって、全部見てるんですけれど。
ドラマはドラマなので比べる事は違うとは思いつつも、WOWOW FILMSって言う所の力強さがありましたね。
この辺りは藤原竜也さんと竹内涼真さんがW主演としてある太陽は動かないって言う映画を鑑賞した時に、海外ロケやシーンの一つ一つの規模感で「金、かけてんな~~~」みたいなのを感じてから、何か見る邦画で金掛かってんだろうな~~~みたいな映画って大体WOWOW FILMSだったりするんだけど、そんなにお金持ってるなら頼むから続編作ってくれ。俺仕事頑張れる気がするから。

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