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フトアゴヒゲトカゲを飼っていました。(悲しい話です)

先に伝えておきます。
悲しいお話です。
自分が乗り越えるために、文章にすることにしました。

フトアゴヒゲトカゲを飼っていました。
 出会いは爬虫類をメインに取り扱っているお店でした。
初めて見たときは、他の子よりもエサも食べないガリガリの子でした。

爬虫類を飼った事がなかったので、本当に悩みに悩みましたし、何せメインで食べるのはコオロギ。
飼えるのか不安でした。
でも一度見たあの子が脳裏から離れることはなく、ネットの情報や本を読み漁り、飼うことに決めたのが初夏だったのを覚えています。

まだ幼かったのでしばらくは触らず、眺めるだけだった日々。
飼いはじめて、3か月後くらいに初めて手に乗せたらめちゃくちゃあたたかくてびっくりしました。
お水をあまり飲まない子だったから、指に水をつけて飲ませるようにしたり、生きたコオロギじゃないと食べなかったので、冬場に本当に困ったり……思えば案外こだわりが強い子でした。

コオロギを友人にも買ってきてもらったり……数十匹のコオロギを買ってきて、運んでくれた友人には心から感謝しています。

ケージからジャンプで脱出していて、仕事から帰宅した後に顔面蒼白で家中を探し回ったり、ケージの掃除の時にひっかかれたり……てんやわんやなこともありました。

エサの時以外は私に見向きもしないので、私はエサ支給機だと思われていたのかなと思います。

でも、最高に可愛かった。愛しかった。

一緒に過ごして2年半、悲しみは急にやってきました。
その年は震災があって、北海道は停電に見舞われました。
その後、困った事などがあって、私は引っ越すことになりました。
 うちの子は、ケージにいれたまま車で運びました。それが秋。

そして、年末が近づくにつれ、うちの子の様子が変わりました。
食べ物をあまり食べなくなりました。病院で栄養剤をもらったものの、あまりきいている様子もなく……。

雪が降るある日のことです。
21時にタイマーセットしてあるケージの電気が消えました。
うちの子のケージは、7時に電気がつき、21時に消灯するので、うちの子はその電気に合わせて寝起きします。

いつもなら、21時に電気が消えたら、そのまま眠る体勢になり、目を閉じ眠りにつきます。
ただ、この日は違いました。21時に電気が消えても、眠る体勢にならずじーっとこちらを見つめていました。

エサもないのに私の事を見ている事が珍しくて、ケージからその子を出して手に乗せました。
「おやすみなさい」と、声をかけてケージに戻したら、目を閉じたのを覚えています。

それが、その子の最後の日でした。

そのあと、動かないことに気づいて号泣しながら動物病院に連絡をしました。(深夜までやっている日でした)
まだ呼吸はしていたので、何とかしてほしくて、祈りながら病院へ向かいました。
注射をうっていただいたものの、その甲斐はなく旅立ってしまいました。

この日からもう数年経過しましたが、未だにつらい思いが込み上げます。
自責の念も後悔もずっと付きまとっています。

それでも、最後にあの子が私を見てくれたのは、最期の挨拶だったのかなと思わずにいられません。


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