ひとくち日記2023.12.19

 雪の降りたるは言うべきにもあらず。

 朝の渋滞は神経を使い、少しの瞬間を見極めて車線変更をしなければならない。なるべく余裕を持って、他の車が車線変更できるようにしてやるべきだろう。

 夕方、仕事を終え帰宅する際、ガソリンスタンドでガソリンを入れたのだが、帰りの渋滞の夥しさに閉口した。
 三十分は同じ一本の道路を走っていただろうと思う。余りにも長々しい渋滞なので、スマホで『ETV特集 個人的な大江健三郎』を見終えてしまった。大江健三郎って『オチビサン』を読んだことがあるらしい。
 一時間半ほど掛かって帰宅。大変だった。

 帰宅後、夕食の前に本を読もうと思ってスマホの電源を切ったのだが、炬燵でうたた寝してしまった。六時間も! 全く情けなし。

 アイザック・バシェヴィス・シンガーの「スピノザ学者」という短篇を読む。浮世離れした風体で、常に『エチカ』を携えているフィシュルゾン博士の話。時代は第一次世界大戦前夜。近代化の波が遅々ながら東欧にも及び、かつて街の人々と結んでいた交友は絶え、扉を閉ざし、見知らぬ顔の男たちは少しずつ戦地へ赴く。
 そんななかで、同じ建物に住んでいるドベという女性と深く関わるようになる。何とも言い難いが良い話だった。

 時折、昔のことを思い出して「私はどうしようもない犯罪者だ」と思うことがある。なるべく重篤に受け止めずに寝入り、こんな気分は拭い去るのだけれど、この気分、この感懐は贋物ではないと思っている。
 私は罪人で、贖罪のための行動は、全て利己的な偽善に過ぎないように思えてくる。
 余り深く考えても仕方のないことなので、なるべく考えないようにしているけれど、これを考えないことも罪なのではないかとも思う。
 どうしようもない。
 南無阿弥陀仏と唱えるくらいしか、いま出来ることはないかも知れない。
 そういうことです。そういう気分です。

 南無阿弥陀仏

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