モヤモヤのすり替え

「今日は精神的にきつくて…
また明日話そう。」

彼はそう言った。

「私もきつい。
だから電話していたい…。」

私は話し続ける。

彼のきつさと私のきつさ。
相手の気持ちなんて計り知れない。

だけど、

“きつい”の中に
ぎっしり詰まっている
暗いもの。

どうにかしてあげたい。

そう思うといつの間にか、
私のきつさはクリアになっている。

たかがそんなものだった。

もうなにもかもが嫌だ。
あなたに今すぐ会いたい。

そんな気持ちはどこへやら。

きっと
私よりきつい人がいた、
そう思った事で私が救われた。

なんて、愛情のない私なんだろう。

でも、結局あなたから
“少し元気がでてきた”
そう言われると、

もっとバカな事を言ってやろうか、
もっと笑わせてやろうか、
もっと私の事だけで
頭いっぱいにしてやろうか！

そんな事で私の頭がいっぱいになって、

電話して良かった、

そう、自己中心的に思う私でした。