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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-69- 主軸をつかんだ4年間・今江敏晃】

(69)主軸をつかんだ4年間・今江敏晃

 オリオンズ・マリーンズの背番号「8」は、山内一弘、有藤道世と歴代打線を支えた打者に委ねられてきた。入団4年目にその「8」を背負い、晩年はFA宣言して楽天に移籍したが、14年間の実績は様々な「歴代記録ランキング」に名前を連ねる打者となった。
 来シーズンから楽天の指揮官となりロッテと対することになるが、その野球の根底はロッテ時代に培ったものがあることは間違いないだろう。

 今回は、今江敏晃が2002年の入団年から一軍定着、そしてレギュラーに定着した4年間を中心に記していきたい。

 【片鱗見せた二軍下積み】

 ルーキーイヤーの2002年、開幕早々に一軍登録された。チームは開幕11連敗を記録したこともあり、山本功児監督の「若い力を見たい。一軍の実戦経験を積ませたい」という構想からだった。
 4月28日に代打として一軍デビューすると、30日のダイエー5回戦(千葉マリン)では遊撃手として一軍初のスタメン出場を果たした。わずか6試合に出場しノーヒットに終わり、一軍登録は抹消された。それでも、二軍ではガッチリと遊撃のレギュラーをつかみ規定打席に到達し、打率.271(リーグ15位)、7本塁打24打点、何より長打率は.417を記録した。そして、シーズン後半に一軍に再登録。プロ初安打を記録したが15打数5安打だった。「簡単に通用すると思っていない。まだまだ努力をしないといけない」とルーキーイヤーを振り返った。

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