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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-53- 中4日のタフネスエース・ネイサン ミンチー】



(53)中4日のタフネスエース・ネイサン ミンチー

 「今日はミンチーさんが先発だから試合が終わるの早いぞ」。2001年から投手陣の軸としてマウンドに上がったミンチー。中4日で先発マウンドに上がり、テンポの良いピッチングで打たせて取るスタイルは、何時も試合が淡々と進んだ。
 いわゆるナイスガイで明るい性格で気軽にチームメイトの輪に入ったが、マウンドではカーッとしやすい性格だった。時にはギリギリのゾーンに投げ込んで四球で走者を許すとリズムが崩れ、時には味方がエラーすると態度には出さないがリズムが崩れることも度々あった。

 長身から投げ下ろすボールは変化に富み、カーブ、スライダー、ナックルという変化球を駆使。ストレートも微妙に変化させるテクニックとコーナーを丹念に突く制球力は見事だった。また、常にノートにメモを取る姿は、若手が多かった投手陣にも影響を与えた。

 【中4日の強靭右腕の移籍】

 すでにネイサン・ミンチーの名前は周知されていた。1998年に広島に入団し、中4日でフル回転し1年目は15勝、2年間はケガがあり2勝に終わったものの、3年目の2000年は12勝を挙げ、広島の投手陣の軸だった。
 そのオフ、広島との契約交渉は不調に終わり、2001年シーズンからマリーンズに加わることになった時には、山本功児監督も「何より、中4日でローテーションを務めてくれるピッチャーが加わったことは大きい。12試合のうち3試合任せることが出来る」と手放しで喜んだ。
 エース黒木に加え、小野が前年ブレーク。これに計算出来るミンチーが加わる先発陣は心強かった。

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