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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-23- 記憶に刻まれたエースジョニー】

(写真 復活へ黒木の動向を伝える日刊スポーツ紙(2003年2月1日付)


(23)チーム支えたエースの苦悶

 ジョニーは間違いなくエースだった。17連敗時のしゃがみ込んだ時の姿が印象的だが、このシーズン、最多勝と最高勝率を記録し、リーグを代表する投手となった。雄たけびを上げ、大事なところで必ず結果を出してくれたことは、数字以上に頼れる男だった。
 しかし今、ジョニーを思い出すと「苦悶する姿」が一番に頭に思い浮かぶ。何度も何度もチームが苦しい時に勝利をもたらしてくれたエース。笑顔でスタンドにガッツポーズする姿を何度も頼もしく見ていた。しかし今、ジョニーを思い出すと苦しむ姿が最初に目に浮かぶのだ。それだけ、苦しんだ時間が長かったと感じている。

【気迫のピッチングで頼れるエースに】

 ジョニーがロッテに入団したのは22歳の時、1994年のドラフト会議で2位に指名されての入団だった。社会人の新王子製紙春日井の看板投手として活躍、94年には本田技研鈴鹿の補強選手として都市対抗野球優勝に貢献、気合の入ったピッチングが一躍スカウトに注目された。

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