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《有料、冒頭試読》【73年考察/(17)-打者編)「盗塁」73シーズン歴代ベスト10】

(写真 球団最多4年連続盗塁王、歴代盗塁数1位の西村徳文)

(17)(打者編)「盗塁」盗塁王&73シーズンベスト10

 今回は盗塁に関する考察。まずは、チームのシーズン盗塁数にランキングから。

【チームシーズン盗塁 ベスト10】

★1位…195盗塁-2- 1950(昭和25)年(120試合)-1- (別当(34)/呉(29)/西田(28))
★2位…162盗塁-4- 1954(昭和29)年(143試合)-3- (別当(34)、栗木(29)、三宅(26))
★3位…160盗塁-3- 1952(昭和27)年(120試合)-2- (別当(40)、三宅(25)、呉(16))
★4位…152盗塁-1- 1987(昭和62)年(130試合)-5- (西村(41)、高沢(27)、横田(26))
★5位…133盗塁-2- 1951(昭和26)年(110試合)-3- (別当(22)、三宅(19)、呉(18))
★6位…132盗塁-1- 2022(令和4)年(143試合)-5- (高部(44)、荻野(15)、中村(15))
★7位…131盗塁-2- 1958(昭和33)年(130試合)-4- (佐々木(25)、葛城(17)、坂本(16))
★8位…130盗塁-3- 1975(昭和50)年(130試合)-3- (弘田(35)、飯塚(26)、有藤(22))
★9位…127盗塁-2- 1972(昭和47)年(130試合)-5- (有藤(31)、千田(26)、弘田(18))
★10位…125盗塁-2- 1959(昭和34)年(136試合)-2- (田宮(21)、八田(20)、矢頭(16))
※シーズン最少…49盗塁-5- 2004(平成16)年(133試合)-4-
※NPB最多…277盗塁 阪急 1956(昭和31)年

 2リーグ創成期、投手や捕手の技術的に未発達な部分もあり、盗塁は多くが成功し、球団記録も創設年の195盗塁が最多となっている。ランキングを見ても明らかなとおり、1950代の記録が半数以上に並ぶ。ただ、オリオンズ&マリーンズは200盗塁には到達していない。
 この創成期、パ・リーグはとにかく走った。NPB史上200盗塁以上を記録したチームが18度あるが、パ・リーグが16度を占める。そのうち、11度が1950年代に記録されたものになる(セの2度も1950年代)。
 球団史上、創成期から長らく「打ち勝つ野球」をしてきただけに、盗塁数が少なかったことは、その裏付けにもなる数字だ。
 そんな1950年代の記録が並ぶ中で4位に入ったのは1987(昭和62)年の152盗塁。盗塁王の西村の他、横田と主軸の高沢も盗塁を決めた。
 6位には昨シーズンの2022(令和4)年132盗塁がランクイン。トップバッターに座った高部が44盗塁と11年ぶりに40以上の盗塁を決めてけん引した。
 8位には金田監督下の1975(昭和50)年、9位には東京球場をフランチャイズとした最後のシーズンである1972(昭和47)年がランクインした。

 続いて個人記録。球団史上、その時々で俊足を武器とする打者が活躍して打線をけん引してきた。まずは盗塁王一覧から。

【盗塁王 一覧】

★1967(昭和42)年…西田孝之(27歳) 32盗塁(出場111試合)
★1986(昭和61)年…西村徳文(26歳) 36盗塁(出場105試合)
★1987(昭和62)年…西村徳文(27歳) 41盗塁(出場114試合)※大石(近鉄)と同時
★1988(昭和63)年…西村徳文(28歳) 55盗塁(出場130試合)
★1989(平成元)年…西村徳文(29歳) 42盗塁(出場96試合)
★1998(平成10)年…小坂 誠(25歳) 43盗塁(出場124試合)※松井(西武)と同時
★2000(平成12)年…小坂 誠(27歳) 33盗塁(出場135試合)
★2005(平成17)年…西岡 剛(21歳) 41盗塁(出場122試合)
★2006(平成18)年…西岡 剛(22歳) 33盗塁(出場115試合)
★2021(令和3)年…荻野貴司(36歳)、和田康士朗(22歳) 24盗塁(出場荻野143試合、和田96試合) ※西川(日本ハム)、源田(西武)と4人同時
★2022(令和4)年…高部瑛斗(25歳) 44盗塁(出場137試合)

 球団史上、初めて盗塁王が誕生したのは、プロ野球参入から18年が経過した東京時代1967(昭和42)年の西田孝之になる。規定打席には到達しなかったものの、積極的な走塁を見せ初タイトルを手中にした。
 その後、リードオフマンとして池辺、弘田、庄司と俊足巧打の打者が出現したが、シーズン106盗塁の世界記録を持ち、コンスタントに60盗塁以上をマークした阪急・福本の壁は大きく、盗塁王のタイトルには届かなかった。
 19年後、タイトルを手にしたのは西村。36盗塁ながら盗塁王に輝くと4年連続タイトルを獲得。1988(昭和63)年には55盗塁を記録。長らく球団記録となった。
 マリーンズとなった7年目、新たなリードオフマンが誕生する。1997(平成9)年、JR東日本から入団したルーキー小坂が遊撃のレギュラーに定着し新人王を獲得。盗塁王のタイトルには届かなかったものの現在でも球団記録となる56盗塁を記録した。盗塁王には2年目の翌98(H10)年に43盗塁で輝いた。小坂は00(H12)年にも手中にする。
 小坂に代わって頭角を現したのが西岡。核弾頭として打線をけん引し、2005(平成17)年に初の盗塁王を手中にして日本一に貢献。翌年も盗塁王に輝いた。
 近年では2年連続で盗塁王が誕生した。2021(令和3)年には、24盗塁ながら荻野と和田がともに受賞。4人同時受賞となった。2022(令和4)年には3年目の高部がケガの荻野に代わって1番に定着。荻野復帰後は2番に座り、44盗塁で盗塁王に輝いた。

【歴代シーズン最多盗塁 ベスト10】

◆1位…小坂  誠 56盗塁(パ2位)1997(平成9)年 ※NPB100傑41位 ※新人最多盗塁日本記録
◆2位…西村 徳文 55盗塁【盗塁王】1988(昭和63)年 ※NPB100傑47位
◆3位…◎高部瑛斗 44盗塁【盗塁王】2022(令和4)年
◆4位…小坂  誠 43盗塁【盗塁王】1998(平成10)年
◆5位…西村 徳文 42盗塁【盗塁王】1989(平成元)年

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