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《有料・冒頭無料》番外【マリーンズ略史 92~05/-80- 2006年 第1回WBCにM8戦士出場も4位に終わる】

(写真 左・マリンスタジアムに展示されたWBC優勝トロフィー、選手写真上左から清水直、渡辺俊、藤田、下左から今江、西岡、里崎)


(80)第1回WBCにM8戦士出場も夏場失速で4位に終わる

 【2006年スローガン『Let us do it again 〜もう一度夢をみんなで〜』】

 【第1回WBC開催、M8戦士参加で初制覇!】

 開幕前の3月に第1回WBCが開催されることになり、日本代表に前年日本一に輝いたマリーンズから最多選手が選出されることは必然だった。投手では千雄圧人から渡辺俊介、清水直行、小林宏之、リリーフの薮田安彦、藤田宗一の5投手に捕手の里崎智也、打撃陣からは今江敏晃、西岡剛の8選手が参加する事となった。
 一軍キャンプは鹿児島を離れ、オーストラリア・ジーロングで実施したが、WBCに参加する5投手と里崎は二軍キャンプ地となった鹿児島・鴨池の二軍キャンプで調整を行うこととなった。
 3月3日からの第1ラウンドを2勝1敗で通過し、12日からは米国での第2ラウンドは1勝2敗ながら準決勝に進出。準決勝で韓国、決勝でキューバを撃破し、初代チャンピオンに輝いた。
 なお、優勝トロフィーが12球団の本拠地で巡回展示された。

 【開幕前評価】

 一軍の一次キャンプがオーストラリア・ジーロングで実施。暖かい場所での体作りに各選手は順調に調整を行った。昨シーズン実績を残したチームへの評価は高かったが、投手陣ではセラフィニ、打撃陣では小坂誠と李承燁が移籍し、抜けた穴への不安の声はあった。しかし、バレンタイン監督は底上げで対応出来ると明言し、キャンプではその底上げを積極的に図った。また、初めての事で未知数ながら、開幕前のWBCに調整を合わせた選手に対するレギュラーシーズンでの不安の声も多かった。その一方で優勝したことが自信につながるという声もあった。
 それでも、オープン戦では前年同様のつなぐ野球を見せ、主力8選手不在ながら新戦力の台頭も見せ、8勝6敗と勝ち越して順調なチーム状態を見せた。

◆オープン戦成績 8勝6敗1分

 【3・4・5月 18勝17敗】

 開幕戦は3月25日。WBCの決勝が20日だったことから、清水直、渡辺俊、小林宏は28日からの2カード目に回避し、小野晋吾が開幕投手を担当する予定だった。しかし、オープン戦終盤に小野が発熱。開幕戦を回避して前年新人王の久保康友が初の開幕投手、新助っ投のバーンが2戦目の先発となった。しかし、開幕の福岡Dでのソフトバンク2連戦は連敗。続く2カード目の日本ハム3連戦(千葉マリン)で立て直しスタートとなった。
 ところが、開幕早々離脱者が発生する。小林宏が米国で体調不良に加え右足内転筋を痛めて離脱、野手陣では里崎不在のオープン戦を一人でマスクを被って来た橋本将が右太もも裏を痛めて離脱、4月8日には堀がわき腹を痛めて抹消と離脱者が相次いだ。
 それでも、帰り開幕となった28日からの日本ハム3連戦(千葉マリン)を清水直、渡辺俊、小野と3本柱が先発して3連勝。4月に入り、序盤は4連敗を喫して3勝8敗と借金生活に入る、しかし、15日の西武5回戦(インボイスD)に前年は不調だった加藤康介の粘投で勝利すると6回戦も勝利。続く楽天2連戦(フルキャスト)には8得点、17得点と打線が爆発して4連勝。続く日本ハム3連戦(札幌D)3連戦は1勝2敗と負け越したものの、25日からのオリックス2連戦(千葉マリン)では久保-小林雅、小林宏と2試合連続完封で連勝。28日からの楽天3連戦(千葉マリン)には3連勝と5連勝して4月が終了。終わってみれば4月上旬の借金を返済し、16勝13敗で3、4月を乗り切り、首位に1.5ゲーム差の3位に浮上する。
 ところが、5月に入ると再び足踏み。ソフトバンク3連戦(ヤフーD)3連戦は2勝1敗と勝ち越したものの、5日からのオリックス3連戦(千葉マリン)では3連敗を喫し、18勝17敗と辛うじて貯金を維持して交流戦に突入した。
 なお、打線を引っ張ったのは福浦と里崎だった。里崎はWBCでフル回転したにも関わらず開幕戦からマスクを被り3割前後をキープ。福浦は3、4月は打率.422と4割超えを記録して月間MVPに選ばれた。

◆3・4月度の月間MVP…野手/福浦和也

 【交流戦 23勝13敗/41勝30敗】

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