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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-47- 球団創設年以来55年ぶりの快挙・久保康友】


(47)球団創設年以来55年ぶりの快挙・久保康友(2005年~2008年在籍)

 現在、ドラフト会議は2008年以降、一巡目は一斉指名し重複は抽選、二巡目以降はウェーバー方式で落ち着いている。しかし、1990年代は指名される選手の「職業選択の自由」が奪われる側面があるとの批判を受け、様々な形で「逆指名」と言われる制度が模索された。1993年のドラフトから「希望入団枠制度」が導入され、マリーンズでも2003年までに黒木、清水将、小林雅、里崎ら11選手が入団していた。
 そして、2001年から04年までは「自由獲得枠制度」が導入され、社会人、大学生から2名までを事前に獲得できるが上位2位までの指名には参加出来なくなる、いわゆる「即戦力の完全な逆指名」が行われた。
 マリーンズも2004年に「自由獲得枠制度」を初めて行使。その制度で入団したのが2004年のドラフトで入団した久保康友と手嶌智だった。

 久保は、関西大学第一高校時代は3年次にセンバツ、夏の大会と甲子園に出場した。センバツでは後にプロ入りする、松坂大輔、小池正晃、後藤武敏、小山良男らを擁する横浜高校と決勝で対戦し、準優勝を遂げた。卒業後は松下電器に入社したものの、ケガに泣かされ、入社5年目の2003年から好成績を残して主力選手に成長していた。

 そして入団1年目に10勝をマークし新人王を獲得したが、新人投手で2ケタ勝利を記録したのは、毎日オリオンズ時代の1950年以来、つまり、球団創設年以来55年ぶりのことだった。今回は2005年を中心に久保のピッチングを振り返る。

 【プロ初先発・初勝利・初完封】

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