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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-11- 2001年 千葉移転10周年、世代交代の芽吹き】

(写真 千葉移転10周年ロゴ(オフィシャルファンブックから))


(11)『世代交代、福浦首位打者、小林雅パ記録もエース後半離脱』

【2001年スローガン『フォア ザ チーム ストライプ フォア ビクトリー(勝利のために努力、奮闘する)』】

【開幕前評価】

 今シーズンから各球団との対戦が1試合ずつ増え28回戦となり5試合増加、140試合制となる。
 前年5位に終わったものの、今シーズンへの光明は多かった。
 投手陣はリリーフ陣の実績が出来た。ウォーレンは退団したが、不調だった後半に抑え役を務め11勝10Sの小林雅が務め、中継ぎ陣はベテラン吉田を中心に竹清、左腕の藤田、川井、若手の薮田、和田、戸部、清水直らが安定したリリーフを見せた。課題は先発陣だったが、小野がローテーションを守り、黒木と小野の2本柱が完成。これに広島で中4日、30試合以上に先発し、98年に15勝、昨00年に12勝をマークしたネイサン・ミンチーが加入。中継ぎ陣の中から薮田、清水直らが先発も務め、ルーキー左腕の加藤が加わりローテーションを回す。
 打線は29本塁打のボーリック、初芝、堀の主軸に昨シーズン.296を記録し今シーズンは3割を目指す福浦、ケガで離脱しながら10本塁打の石井、9本塁打、14盗塁の大塚、これにキャンプでは大きな当たりを連発した新外国人ディレック・メイとメンバーが揃い厚みを増して来た。
 久しぶりに開幕前の評価でAクラス入りも予想され、山本監督3年目の手腕に期待が高まった。
◆オープン戦成績 13試合5勝8敗0分(.384)

【3・4月 14勝14敗2分】

 前年は開幕ダッシュに失敗し、それがシーズン最後まで響いた。山本監督は今シーズンの課題として開幕直後の戦い方に力を入れた。
 開幕は3月24日の西武2連戦(西武D)。開幕マウンドには3度目の黒木が上がった。その黒木が初回に3点を失う立ち上がりも2回以降は零封、打線も逆転に成功し6-3で勝利。黒木は完投で初めて開幕勝利投手となった。2戦目はミンチーが先発。新外国人のメイが1号で援護するとミンチーは7回1失点と好投。リリーフ陣が締めて6-1で勝利し、開幕連勝スタートとなった。
 27日からは千葉マリンで開幕シリーズ。日本ハム2連戦は1敗1分、オリックス2連戦は1勝1敗と開幕3カードは五分ペースで切り抜けた。そして2日からの近鉄3連戦(大阪D)を2勝1敗、6日からのダイエー3連戦(千葉マリン)も2勝1敗と勝ち越し、全球団との対戦が一巡した時点で首位に立ち頭一つ飛び出した。この後9日からの日本ハム3連戦(東京D)は1勝2敗と負け越す。10日の4回戦では黒木が左足に打球を受け降板し離脱する。それでも、13日からの西武3連戦(千葉マリン)は横田、小野、加藤が先発し3連勝。ルーキー加藤は2勝目をプロ初完投で飾った。
 しかし、ここで足踏み状態に陥る。16日からのダイエー3連戦(福岡D)は初戦4回戦に勝利するも5、6回戦を連敗、さらに20日からの近鉄3連戦(千葉マリン)も初戦4回戦、5回戦と黒星を喫して4連敗、首位を陥落する。6回戦はミンチーの好投で連敗をストップし首位に返り咲くものの、オリックス3連戦(神戸)を1勝1敗1分、ここまで全勝していた西武3連戦(西武D)に3連敗を喫して4月を終了。貯金を全て吐き出して3・4月は14勝14敗2分の5割、上位とは僅差の4位で終えた。

【5月 13勝9敗/27勝23敗2分】

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