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《有料・冒頭試読》【マリーンズ略史 92~05/-07- 1997年 投打で看板欠き最下位】

(写真 開幕戦でのルーキー小坂誠(左)と清水将海(右)の活躍を伝える、1997年4月6日付の日刊スポーツ紙)


(7)中盤反攻も迫力不足否めず最下位に沈む

【1997年スローガン『PLAY HARD』】

【開幕前評価】

 昨シーズン終了と同時に2年間GMを務めた広岡GMと前年指揮を執った江尻亮監督が辞任。近藤昭仁氏が新監督に就任、コーチ陣も5人が入れ替わり、新体制で挑むことになった。
 しかし、戦力は大幅なダウンが必至となった。伊良部が米メジャー挑戦を希望しパドレスに移籍、ヒルマンが巨人に移籍と投手陣は2本柱を欠いての戦いとなった。投手陣にはシェーン・デニスとマイク・フィアリーが加入。ドラフトでは竹清と川俣の即戦力を指名した。
 打線にはジェイソン・トンプソンとマーク・キャリオンが加入、ドラフトでは捕手の清水将と内野手の小坂を即戦力として指名した。オープン戦ではその小坂が活躍。安定した守備と走力でオープン戦首位打者に立ち「花のパ・リーグ大賞」のフレッシュマン大賞(新人対象)を受賞した。
 なお、1993年開場の福岡ドームに続き、今シーズンから近鉄の本拠地として大阪ドームが開場した。これにより、日本ハムの東京ドームを含め、パ・リーグ3球団の本拠地がドーム球場となった。
◆オープン戦成績 8勝11敗0分(.421)

【4月 10勝9敗1分】

 5日の開幕日本ハム戦(東京D)のスタメンにルーキーの小坂と清水将が名前を連ね活躍した。小坂は3安打猛打賞、清水将は1号を放つとともに小宮山の完封を引き出す好リードで揃ってお立ち台に上がった。2年ぶりに開幕投手となった小宮山は89年の村田以来球団史上2人目の開幕完封勝利で白星発進した。翌2回戦は黒木が1失点完投勝利。2連勝スタートとなった。
 この後、8日からの近鉄3連戦(大阪D)を2敗1分、11日からの西武3連戦(千葉マリン)を1勝2敗と負け越すが、投手陣にアクシデントが発生する。開幕から不調だった抑えの成本が登録を抹消される。そんな状況の中、15日からのオリックス3連戦(ナゴヤD)を2勝1敗、18日からのダイエー3連戦(千葉マリン)を1勝2敗、22日からの近鉄2連戦(鹿児島)を1勝1敗と五分ペースで踏ん張る。そして25日からのダイエー3連戦(福岡D)に2勝1敗と勝ち越し5割に戻す。29日の日本ハム3回戦(千葉マリン)に勝利して、4月は貯金1を作って終了した。ただ、6球団がダンゴの混戦模様。貯金1で同率首位に立ったものの、最下位まで6球団が1ゲーム差の中にひしめいた。
 個人では、成本の離脱で抑えに回った河本が負けなしの2勝5Sとフル回転。打線ではルーキーの小坂がオープン戦の勢いをそのまま持続させ、2番打者として.352を記録。河本と小坂が月間MVPをW受賞した。
◆4月度月間MVP 投手…河本育之、打者…小坂誠

【5月 9勝14敗/19勝23敗1分】

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