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【ヒーローインタビュー】簑和田一洋(視覚障害 M-B3) パラクライミングJC第1戦 2023年度

2023年10月に開催された2023年度パラクライミング“ジャパンシリーズ”第1戦。3段階ある視覚障害カテゴリーのうち、軽度のB3クラス(男子)で優勝した、簑和田一洋選手と、サイトガイドの會田亮子さんへのヒーローインタビューです。

決勝課題を登る簑和田選手(撮影:ソー写ルグッド)

――男子B3クラス、第1位おめでとうございます。

簑和田:ありがとうございます。

――予選と決勝のルートに対してどんな感想を?

簑和田:予選がいちばん緊張しました。特に2本目のルートは難しいなと感じた。
とりあえず決勝に出るのが目標だったので、決勝はもう伸び伸びと登れたという感じです。

――サイトガイドの會田さんは、簑和田選手の登りについて、どう感じた?

會田:しなやかな柔らかい登りなので、いつも刺激を受けます。

――世界選手権に出場したが、世界の空気をどのように感じた?

簑和田:視覚障害クラスに限って言うと、日本が強いっていうのは変わっていなくて、そこは変化を感じてはいないんですけど、B3クラスに関して言うと、人数がものすごく増えたので、それは嬉しいことでもあり、気を引き締めていかなくてはいけないところでもあるかなと感じています。

選手の数について、一時増えたことがあったんですけど、それから減っちゃっている。今回の世界選手権でも、もっと選手がいたんですけが、怪我だとか、事情とかで出られなかった選手がいる。ぜひ次の大会には、元気になって出てきてほしい。日本でもクラス成立させて、このクラスから日本代表を2人出して、次回の世界選手権ができればいいなと思っています。

――選手の広がりに関して希望することは?

簑和田:いろいろ話を聞いていると、大会だっていうことで、気構えちゃっている人が多いみたい。でも、大会に出ると、得るものがすごく多いし、強くなるっていうことだけじゃなくて、仲間ができるとか、その先に世界が広がっていったり、深まったりするので、あまり気負わずに、大会に出てきてほしいと思ってい
ます。

――サイトガイドの確保については?

會田:サイトガイドも、私みたいに気軽にやってみると、自分のクライミングでも得るものが多いですし、つながりも得ることができるので、ぜひ気軽にサイトガイドをやってみてほしいと思います。

――応援してくれた人たちにメッセージを

簑和田:ありがたい。こういった競技は、障害者の方たちに訴えるところもありますし、健常者の方が、障害者のことを理解してくれるっていう、お互い歩みよれる意味があって、健常者の方たちは、障害者スポーツだからといって、別なスポーツだと考えるかもしれない。ルールだとか、見た目だとかは変わってくるんですけど、競技を見る楽しさだとか、競技に挑む選手の姿勢だとかといった、気持ちの部分、お互いに共感できる部分が多い。だから、障害者スポーツだからと気構えずに、ひとつスポーツとして楽しんでいただくことで、お互いの理解が深まる。障害者の方たちも、自分たちには障害があるからできないと、自分たちで作ってしまったハードルを、下げるきっかけにしてほしい。そうなれば、パラクライミングには、社会的にも意味があるということになると思っています。

(了)

クラス分けについてはこちらの記事を↓

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