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優秀で鬼のように厳しい副会長は実はツンデレな女の子 12

遥香:明日修学旅行かぁ
さくら:楽しみだね〜
遥香:しかも全学年とか規模がちがうね…えっと…な、な…
和:ナーハフォルガー学園…ですか?
遥香:それ!
さくら:自分の学校の名前も言えないの?
遥香:笑うな!言いづらいねん
和:私立ナーハフォルガー学園は全国きっての高校…学園の所有面積は日本最大…
さくら:しかも生徒は企業の社長、会長、医者とかお金持ちの子供がほとんどだもんね〜


遥香:ちなみにさ、ナーハフォルガーて意味あるの?
和:ナーハフォルガー…ドイツ語で…

『後継者という意味です』

○○:明日だな、修学旅行
蓮加:…うん

珍しく帰る時間に鉢合わせし一緒に帰ることに
お互いの家は近所

○○:覚えてるか?
蓮加:…忘れた
○○:おいおい…そりゃねぇぜ
蓮加:嘘よ…あんたと違うんだから忘れてないわよ
○○:俺も忘れねぇけどな
蓮加:でもなんで?
○○:幼稚園の頃に許嫁って決められて…でもよ許嫁なら結婚前提に付き合ってもいいわけじゃねぇか、なのに
蓮加:…それは禁じられている
○○:おかしな話だよな、許嫁なら付き合ってもいいじゃねえか、デートぐらいしてもいいよな、それすらできねぇ…
蓮加:親同士にとってはただの政略結婚ね
○○:ああ、だから認めてない、バカらしいぜ
蓮加:だから修学旅行で?
○○:目の届かない場所なら好き勝手できるだろ?
蓮加:…あんたらしい発想

微笑む蓮加
…考えてくれてるんだね

○○:中学の時にさ、蓮加にデート誘おうとおもったことあってよ
蓮加:そうだったの?
○○:ああ、だがよ…クソ親父の側近で秘書の黒田ってやつにこう言われた…

ーーーーーーーー
○○:…なんでだめなんだ、黒田
黒田:総帥のご意思です
○○:許嫁と二人で出かけられないのっておかしいだろ
黒田:…総帥の決めたことなので
○○:納得いかないな、親父に会わせろ
黒田:○○様、総帥の決定されたことは絶対です

眼鏡をくいっと上げ…

黒田:○○様は…総帥に従えばいいのです…ただそれだけ…あなたに決定権はないのです

蓮加:なにそれ…ひどい…
○○:ま、わかってたよ俺はクソ親父の仕事の手駒、操り人形だとな
蓮加:…デートはお父様への反抗…?
○○:それもある、正直…けど純粋に蓮加とデートしたい…それだけだよ…

真剣な顔で言わないでよ…照れるから
麻衣さんの件以来、私は毎日夜に限るけどLINEで○○とやり取りしてる
…ちゃんと出来るようになった

蓮加:あのね…○○…実はその事で話あるんだ
○○:ん?なんだ?
蓮加:あ……ううん、なんでもない…じゃ
○○:あぁ…

何言いかけたんだ?

次の日

蓮加からLINEはなかった
会おうと思ったが今は大講堂にいる
全校生徒いる中探すのはな

学園長:全校生徒諸君…いよいよ本日より3泊4日の修学旅行当日となった
と言っても今日は前乗りの日だ、これだけの人数なのでね
明日より本格的に修学旅行を満喫したまえ、なお明日からは全日程自由行動だ!

おおー!と騒ぐ生徒達

さくら:全日程自由行動はすごいね
遥香:うん、どこでも行けちゃう!
和:しかし、このしおりには『自由行動は自己責任、なにかしらの問題行動があれば即懲罰処分ならびに退学処分』とあります
遥香:…あんまり遠くに行くのやめよ?
さくら:うん。

学園長:さて諸君らもまだ聞かされてない修学旅行の場所はバスに全員乗り込んだら全校生徒諸君にメールを送る、そこで発表になる

史緒里:恒例の後発表…学園長好きだよねこういうの
蓮加:サプライズとか派手なの好きだから

学園長:さあそれではこれより修学旅行の始まりだ!
諸君、バスに乗り込みたまえ!
我が校を誇りに思い、いざ進め!
学園長、飛鳥馬零雄が承認する!
勇者達よ!いざ旅立たん!

なぜかおおう!という雄叫び
学園長は意外と人気がある

○○:我が叔父ながら…毎度このノリは勘弁してくれ

祐希:…はぁ、学校中にばれるかもなんだからやめてよ…お父ちゃん…

生徒会主導の元、それぞれ荷物を持った生徒を学園内の駐車場へと誘導している

あの生徒落下未遂事件以来、校則違反も減り始め生徒会の指示もスムーズにいってる

…ま、とりあえず成功かな

○○:…今回は学園外だから大変だな…
『手筈は整ってます』
○○:わかった、俺は?
『すでに…』
○○:…1日だけは動けないが頼むぜ
『おまかせを…そろそろ時間です…』
○○:ああ…

○○が振り向いた時には誰もいなかった


遥香:後発表もいいね、当日に発表とかワクワクする!
さくら:わかる、すぐわかるよりいいよね
和:やはりノリは大事だということですね、行事は
遥香:確かに!

すでに私達三人はバスに乗り話し込んでた
理々杏:えっと…あ、みんな!
遥香:あれ?理々杏さん…て1年?
理々杏:違うの!ボクの席手違いでなくてさ〜
2年のバスギチギチ、で、女子だけは余ってる1年のバスに来たの〜
和:それは災難でしたね…
理々杏:ほんと!和ちゃん、隣の席大丈夫?
和:はい、どうぞ
理々杏:ありがとう!あ、そうそう!そろそろ場所発表みたいだよ!生徒会最後だから!
さくら:あ!そうだ!
遥香:緊張する〜!ねえ、どこがいい?私、北海道!
さくら:愛知かな〜地元名古屋もやっぱりいいよね
理々杏:だったら沖縄!めっちゃいいよ、ボクの生まれ故郷!
遥香:和ちゃんは?
和:別府温泉ですかね
さくら:渋い…
遥香:しかもピンポイント…

通知音が一斉になりバスの車内に響く

遥香:きたっ!
さくら:見よっ!

私はスマホを見てメールフォルダからメールを開き読む

周りは騒いでいた

けど…見たくなかった…

さくら:決まったね!かっきー!いいところだよね

……ずっと背けたのに…

さくら:かっきー?

やだ…行きたくない…行きたくない…

遥香のスマホの画面に映ってるのは…

『修学旅行全日程の場所』

(前乗り)、1日目 兵庫

2日目 京都

3.4目 大阪

とあった

遥香が怯える理由とは…

続く…


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