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優秀で鬼のように厳しい副会長は実はツンデレな女の子 5

『てめぇが悪いんだ!謝れよ!』
「は?お前には関係ないだろ○○」
『俺は全部見てたんだよ!その子に酷い事しやがって!』
「だからこっちの問題だしお前何も知らないのに首突っ込むなよ」
『うるせぇ!』

バキっ!!


……

ちっ…嫌な夢見たぜ…

…俺が偉そうに言える身分じゃなかったな…


おかしい…
この時間にいつも来るのに…
3日間来ない
スマホ使って連絡すればいいけど…緊張してできない…
○○…どうしたの?


気が進まない…
3日経ってもまだ気分が晴れない
また…人を怒らせ…傷つけた
言わなきゃいいのにどうしてもいいたくなる
止めなきゃってなる…
でも…結果いつもこうなる
最悪だ…

校門を抜けると岩本さんが立っていた
不安そうにしてるのは気のせい?
そのままスルーして校舎に向かおうとした

でも…あかん…無理…

遥香 おはようございます
蓮加 …おはよう…確か賀喜さん?
遥香 はい、賀喜です
蓮加 なにか御用?

…ちゃんと相手のこと考えなきゃ

遥香 …どうしたんですか?
蓮加 なにが…?
遥香 いつもより元気ないみたいにみえたので
蓮加 …なんでもないわ…大丈夫

明らかに変
いつもなら強気で言ってくるのに今日は弱々しい

遥香 あの…私でよければ…
蓮加 ……
遥香 お話聞きますよ?あ、気に入らなければいいですから…すみません余計なお世話して

…ほっとけないんだよね、あんな顔見たら
本当に余計なお世話だけど…

岩本さんは黙ったまま
拒否と受け取ろう

遥香 すみません…岩本さん…それじゃ…
蓮加 待って…
遥香 岩本さん?
蓮加 …話聞いてくれないかな?

藁にもすがる気持ちってこういうことかな…
そこには悲愴な顔の岩本さんがいた

遥香 幼なじみがいなくなった?
蓮加 うん…
遥香 連絡は取ったんですか?
?? したよーでも電話も出ないし未読〜

そう答えたのは生徒会長の与田さん

今生徒会長室に私はいる
与田さんに最初相談したが連絡もなく困り果ててるらしい

祐希 家にも電話したけどお答えできないって言われるし…なんなのもう〜
蓮加 あいつの家はいつもそうです、私でさえなにも…
遥香 どういう人なんですか?その人

与田さんはスマホを弄り私に見せる

祐希 この子だよ、○○って言うの
遥香 ……あ

スマホに映ってるのは…紛れもなくあの人
明るい髪色…長髪
…3日前に口論になった人…

祐希 知ってるの?
遥香 …えっとまあ…
蓮加 …もしかして…○○と何かあった?
遥香 実は…

あの日の出来事を嘘偽りなく話した
忘れもしないことだから

話終わるとしばらく沈黙が流れる
重い空気

祐希 …それじゃない?失踪した原因
蓮加 …多分そうです…いや間違いないです
遥香 どういうことですか?
祐希 蓮加…?どうする?
蓮加 聞いてもらったほうがいいと思います…

岩本さんは淡々と語り出した

蓮加 あいつね、中学の時暴力沙汰起こして停学処分になったことがあった
遥香 え…
蓮加 学校で偶然男女が口論してるの見てそれを聞いてた○○が止めに入ったんだけどさらに揉めてね
遥香 ……
蓮加 ○○はその男子に自分の考えを一方的に押し付けた…相手の話も聞かず…そうしたら○○は相手を殴ってたわけ
遥香 そんなことが…
蓮加 結局その2人は付き合っていて単なる痴話喧嘩だったの、だから詳しい理由知らず介入したあいつも迂闊なんだけどね
祐希 それからなんだよ、高校入ってからあんなキャラになったの
蓮加 チャラついてふざけて、スルリと相手から逃げて…でも相手を寄せ付けない…あの事件がきっかけかな
祐希 中学時代は仲間もいたし親分肌だったのにね
遥香 ……
祐希 だから賀喜ちゃんと揉めて思い出したのかもね〜忌まわしき過去
蓮加 …ああ見えて繊細ですから…これで納得しました…

当然だけど全然知らなかった
あの人にそんな過去が…
だから…相手の気持ち考えろって…

あの人は…

私と一緒だったんだ

祐希 さて原因が分かったら居場所だね
蓮加 ほとんど人と絡まないので行きそうな場所が…
遥香 よく行く場所とかもですか?
蓮加 あるけど…山とか海とか好きだけど泊まる場所がないところだから…なんとも…
遥香 …困りましたね

岩本さんは項垂れ、私が考えている間与田さんはスマホを見てる

その時…

祐希 これだ!

バカデカい声を上げた

蓮加 な、なんなんですか会長
遥香 びっくりした…
祐希 ムフフ…祐希お手柄だね
蓮加 こんな時になにふざけてるんですか…
祐希 ふざけてない!心当たりあるの!
遥香 ほ、本当ですか?!
祐希 もちのろん!
蓮加 どこにいるんですか?
祐希 んー場所変わってなければ…

「長野だよ」

遥香 え?なんでピンポイントでわかるんですか?
祐希 それはね…

机の引き出しから1枚のハガキを出す

住所の部分を指す
確かに長野県とは書いてある
でも差出人は誰なんだろ?

与田 ま、とりあえずここに行こうか
蓮加 行こうかっていきなりですか?
与田 いきなり!連絡して逃げられても困るじゃんか
蓮加 …確かに
与田 ほんじゃ、生徒会会長権限で3人は急用で早退にします!
蓮加 こういう時は機転が利くんだから…普段もそのぐらいやってほしいわ…
遥香 あははは…

私達3人は学校を早退し一旦家に戻り準備をし、待ち合わせ場所へと向かう

…私が行っても役にたたないかもしれない
でも…あの人から何かわかるはず
今の私を…変えられる何かを…


見渡す限り…山しか見えない
鳥のさえずり、風に揺れて葉の重なりあって聞こえる音、遠くから牛の鳴き声…

なにもかものどかだ

落ち着く…ずっとこうしていたい

「○○…いつまでそこにいるの、ご飯だよ」
「あ…そんな時間か…」
「早く食べなさいね」
「わかった…」



『麻衣姉さん』


続く…

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