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優秀で鬼のように厳しい副会長は実はツンデレな女の子 4

ちょっと早めに家を出た
じゃないとお父さんが車で送ると言い出す
車もそうだけどお父さんも目立つから恥ずかしい

転校して来たばかりなんだからもう…

1週間が経った
ちょっとずつだけど新しい学校生活に慣れつつある
話できる子も何人かできたし
…あとは部活かぁ…どうしようかな

校門に着き中へ入るとなにやらざわついている
いつもより人も多いし何かあったのかな?

男生徒A おい!始まるみたいだぞ!
男生徒B ああ、久しぶりじゃねぇか?
女生徒A ねえねえ!見に行こ!

始まる?久しぶり?
何かやるのかな?

生徒達が向かう方へ私も歩いていく
…好奇心、けっこうあるんだよね

かなり人数の生徒が集まっていた
でもなんか遠巻きにいる感じ
なんとか人混みをかき分け前の方に出る

…え?

そこには2人の男女が対峙していた

蓮加 …いい加減、従いなさい…再三の校則違反…
今日こそは見逃さないわ…
○○ お〜こわっ!そんなに眉間にシワ寄せたら元に戻らないぜ?
蓮加 余計なお世話よ…もうあなたの口車には乗らないわ…

冷気を帯びたようなオーラを纏い、いつもより余裕な顔をしている

○○ …へぇ、どうした副会長殿…随分余裕じゃねえか
蓮加 …あなたには関係ないわ…

蓮加は笑みをこぼす

遥香(なにこれ…?あそこにいるのって…岩本蓮加さん?あの男の人は…?)

周りの生徒達も固唾を飲んで見守る
その刹那、群衆の中から誰かが飛び出してきた

?? お待たせ、副会長
??? 今日こそは更正させるからね!

2人の女子生徒が○○を囲む

○○ …なるほどね、力づくってわけか
蓮加 狡猾な策で散々苦渋を舐めさせられた…ならそれを見習わせてもらっただけ…
○○ はっはっ…学習したんだな…えらいでちゅね〜

○○は3人に囲まれても特に変わらずおちょくる
蓮加はその姿を見て眉がピクッと動く

蓮加 …理々杏…確保よ
理々杏 任せて!

伊藤理々杏…生徒会所属、役職はないが蓮加のサポートをしていて蓮加の信任は厚い

理々杏 ねえ…○○くん?もうさ…いがみ合うのやめよ?悪いことは言わない…ボクのお願い聞いて欲しいなぁ?だめ?

上目遣いで○○を見る理々杏

遥香は盛大にコケた

遥香 (いや色仕掛けかい!戦うと思ったわ)

○○は理々杏の姿を見てニッコリ笑う
そして…

○○ わりぃね、ボクっ子全開だったらよかったが足ブルブルさせて言われたら効かないんだよなぁ
…蓮加に言わされないで自分の意思でいいにおいで…理々杏ちゃん

最後は耳元で囁き軽く耳に息を吹きかける
理々杏は顔を真っ赤にしてその場に座り込む

理々杏 ふにゃぁ…//

蓮加 理々杏!?

?? …やはり手強いわね…蓮加が手こずるだけある
蓮加 気をつけて…手段を選ばない奴だから
?? 大丈夫…私には効かない
蓮加 史緒里…お願い
史緒里 …ええ

生徒達がどよめく

生徒C おい!来たぞ
生徒D 生徒会の書記、久保史緒里だ!
生徒E 冷静沈着の久保じゃああいつやばいぞ

遥香(これ…なんなん…)

史緒里 …そろそろ観念したらどうかな?○○君
数々の校則違反を見逃せないの…みんなの示しにもならない…だから…

史緒里の頬から涙が零れる

史緒里 …悪いようにしないから…私の気持ちに応えて校則違反はやめて…○○…

涙を流しながら儚げな表情で○○を見つめる

○○は史緒里を見ながらゆっくり近づく

○○ 久保さん?君には涙は似合わない…久保さんの気持ちよくわかったよ…感動したよ俺

指で涙拭き史緒里に顎クイする

史緒里 …へっ?
○○ …わかった…久保さんの気持ちはわかったから俺からも言わせてもらっていい?
史緒里 う、うん…いいよ//

○○はニヤッと笑うと小声で呟く

○○ 久保さんって全校生徒に儚げで大人しくて冷静沈着って思われてて人気あるよね?
…でも本当は私生活めっちゃガサツなんだよね?

史緒里 ?!
○○ 洗濯物ベッドに放置してそのまま寝たりけっこうすごい生活してるとか?あと知られてないけど野球好きでおっさんみたいに話止まらないとか?
全校生徒に知られたくないよねぇ〜

史緒里から涙は止まり顔が青ざめる
そして…

史緒里 い、いやぁぁぁぁぁ!?

走って逃亡して行った

蓮加 え?し、史緒里?!

蓮加は呆然としてた

○○ さて…残るは蓮加だけどどうする?
蓮加 (まずい…理々杏も史緒里もやられたのに…私一人じゃ無理だから呼んだのに…どうしよ…)

心の中はパニックだが顔には出さない
ポーカーフェイス
でも○○は近づいてくる

蓮加 (こ、来ないで○○…みんなにアレ見られたくない//)

キーンコーンカーンコーン…

始業のベルが鳴った

○○ おや…タイムアウトか残念
蓮加 …覚えておきなさい○○…次こそは
○○ へいへい…またな

○○は校舎向かい、遅れて蓮加も向かった
遥香も校舎へ向かっていた

遥香(今のは校則違反の取り締まり?…けど)

それにしても…あの男の人…
ただの女たらしやん…好かんタイプだ

放課後
遥香 …ここか

転校して来て学園内の施設を見て回った
広大な敷地にあるから回るの時間がかかった
そして最後に来たのは屋上だった

遥香 本当だ…すごい見晴らしがいい

壮大な景色を眺めてるとふと、奥の方に人がいる
明るい髪色の長髪

遥香(あの人は…今朝の人だ)

思わずジッと見てたら相手が気づいた

○○ …なに?
遥香 別に…なんでもないです
○○ (あいつは…転校生の賀喜遥香…)

顔を見た瞬間、蓮加とあいつとの事を思い出す
あの後の蓮加も…

○○ あ、そっ…
遥香 あの…今朝見ました
○○ ……
遥香 あれ校則違反の取り締まりですよね?校則違反してるのになんで岩本さんの言うこと聞かないんですか?
○○ …あんたには関係ないだろ
遥香 関係ないですよ、でもあなたのあんな態度見たら気分悪くなる人もいます
○○ ……
遥香 しかもあんなやり方をするなんて…ちゃんと話あえばいいことです…あなたが最初から素直になればいいんです

真っ直ぐ俺の目を見て言ってくる
自分は間違ってないと

○○ 言いたいことはそれだけか?あんたに付き合ってる暇はねぇ
遥香 逃げるんですか?今朝みたいに
○○ ……あ?
遥香 あなたを見てわかりました、今朝みたいにはぐらかして騙して逃げたいだけ…
○○ なぁ…初対面でまあペラペラ語るなぁ?
遥香 ただ私は…
○○ …何も俺の事知らねぇのに俺の領域踏み込むんじゃねぇ…あんたさ、自分が常に正しいとか思ってるだろ?
遥香 そんなことはないです…
○○ じゃあ…言われたほうの気持ちわかって言ってるか?それで自分の正義を語ってるか?
あんた…押し付けて抑え込んでるんだよ
遥香 私は…
○○ 説教するなら相手の事考えろ…

俺はあいつを見ずに歩きだす
これ以上は…傷つけるだけだ


…私は…やっぱり…だめだ…またやっちゃった

頬から涙が零れたと同時に空からの涙も降る…

あの人に初めて会った…最悪の出会いだった

翌日…

○○は失踪した

続く…

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