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優秀で鬼のように厳しい副会長は実はツンデレな女の子 11

屋上ではさくらがロープを女子生徒に送り、祐希が屋上のフェンスを切り、命綱を付けた生徒達がフェンスを抜け、無事救い出すことには成功した
女子生徒は救護班に行かせ、落ち着いたら駆けつけてきた警察や消防隊からの事情聴取となる

私達は現場から出て近くのトマト畑にいた

遥香:よかったですね、助かって
和.:しかし…私はミスをしました
史緒里:あ…それ、なにミスしたの?
和:スカートに放った矢です、あの位置に放ってしまったらあの子はあの矢に当たりどこに落ちるか予測できませんでした…
理々杏:あ、なるほど
蓮加:でも落ちずにすんだ、あなたの矢がなかったら落ちてたかもしれない
祐希:そうそう、祐希とさくらちゃんが屋上行って救出作業できたのも和ちゃんのおかげ!
さくら:そうだよ?和ちゃん
遥香:もっと自信もってよ
和:…はい

優しい微笑みを浮かべる和

??:今回の立役者は和くんでもあり、救出活動したみんなで生徒諸君だったな…

「○○君」

○○:ですね〜俺の出番はなしっすよ

蓮加達から離れた場所に二人はいた

??:…君の描いた絵図に私まで加わるとはね
○○:…さぁ?なんのことやら
??:あの女生徒がフェンスを超えて踏み外したのは事実だ、しかし…救出までタイミングまでが実にうまくいってたよ
○○:俺は現場いなかったからわからないすね
??:私はトマト畑にいた、しかしあそこには人っ子ひとりいなかった…なのになぜ生徒の悲鳴が聞こえたのだろう
○○:ほぅ…そうなんですね

おどけたポーズをとる○○

??:現場に行った時に悟ったよ、教師達大人がいないなか、私が指揮を取るのではなく…蓮加君に指揮を取らすため、私は生徒達を鼓舞しオブザーバーにさせるのが役目…違うかね?○○君

ニカッと眩しい笑顔を見せる

○○:…さすがですね、やっぱりあなたには敵わないですよ…

遥香:えぇっ!?学園長!?
さくら:そうだよ?え、かっきー知らなかったの?
遥香:知らなかったよ…初めてみた…なんであんな格好してたの?
さくら:趣味と学園の美観のためにやってるんだって
殺風景な学園よりトマト畑とかあれば癒されるからって
遥香:なるほど…キャラ濃いけどね

学園長:…君が介入しなかったことで確信に変わったよ
○○:学園長、最近学園の風紀が乱れてるのはご存知ですよね
学園長:ああ、頭を悩ませる問題だよ、校則違反が多いと生徒会から報告は来てる
○○:俺も蓮加から聞いてました、だからこれが蓮加いや生徒会の威厳を高めるチャンスかなって
だから俺は介入しませんでした
学園長:蓮加君に指揮を取らせ生徒達をまとめ、生徒会長がただの飾りじゃないこと、生徒会もできるところをみせ、少しでも風紀を乱さないためかね?
○○:まあそんなところですかね
学園長:しかし…介入してたね君も
○○:…さあ?

史緒里:…ほんとだ、なんでこんなところに体育館のマットが…?

実験棟の裏に体育館のすべてのマットが置いてあった

祐希:祐希がさ、屋上にいてあの子救出してる時に気づいたんだよ、いつの間にかあって
理々杏:こんな大量に誰が運んだですかね
史緒里:全然気づかなかったよね
祐希:不思議だー!
蓮加:…実は私が体育館近くで各所連絡してた時気づいて体育館に行ったんです
その時には…マットはなかったんです
祐希:ほんと…?
蓮加:…はい、私と史緒里、賀喜さんと和で体育館いた時は倉庫は閉まってましたし
史緒里:閉まってたね憶えてる
祐希:う〜ん、万が一ってことだよね…すでに想定して運んでたってこと?祐希達より先に?
蓮加:それしかないです…


○○:ほんじゃ学園長これで
学園長:…兄さんが一枚噛んでるのかね?

歩いてた○○は止まる

○○:…噛んでたとしても…俺が止めます…あのクソ親父…
学園長:君ならそうするだろうな
○○:あのクソ親父嫌いなの知ってるでしょ…叔父さん…それじゃ…

再び歩く○○
その姿をずっと眺める

「親子同士いがみ合ってても所詮親子…兄さんに似てきたな…○○…あの…」

『終焉の策士…飛鳥馬昌幸に…』

遥香:○○さん!どこにいたんですか!
○○:いやぁ〜わりぃ、本校舎でちょっと呼ばれてさ
和:…お兄ちゃん
○○:和、学園長から聞いた、よくやったな
和:でも…ミスした…もし落ちてたら…

和の頭に手を乗せて撫でる

○○:そりゃたらればだ、しかもそうはならなかった
結果的にお前の判断が正しかった、違うか?
和:お兄ちゃん…
○○:次はミスしなきゃいい、それだけだ
和:…うん
○○:みんなも頑張ったな、あっちに飲み物とか用意したから休んでくれよ

うわぁーという歓声があがり向かっていく
蓮加以外は…

○○:蓮加、お疲れ様
蓮加:……○○
○○:よく頑張ったな、会長、副会長でうまく連携とれたみたいだな
蓮加:ううん…みんな頑張ったから…みんないなきゃ
私…ここまでできなかった…
○○:ばーか、それはみんなも一緒だろ、お前がいなきゃダメだって思ってるぜ
蓮加:でも…私…○○いなかったから…あ…

○○は優しく蓮加を抱きしめた

○○:俺がいなくても上手くやった、自信もてよ
副会長殿
蓮加:……うん

愛おしく蓮加の髪を触り頭を撫でる

○○:なあ、来週修学旅行あるだろ
蓮加:うん、あるよ
○○:じゃあさ…修学旅行…

「俺とデートしね?」

蓮加:で、で、デート!?

○○の口から…デート…うそっ…

蓮加は呆然とするしかなかった



続く…


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