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綾織

皆さんこんにちは。
織物大好き「織物さん」です。
今日も宜しくお願い致します。
連日いいお天気ですね。
だんだん暑くなってきますので、水分補給をお忘れなく。

ではまず前回の投稿を振り返ります。

前回の投稿です。👇

織物名を表す規格は1つではない、というお話でした。

余談ではありますが、織物の規格における僅かな違いであれば、皆さんが目にする商品に肉眼でハッキリわかるような違いは出ません。用途としても問題になる事はありませんのでご安心下さい。

では、今日のお話である綾織について進めてまいります。


まずは織り方について、以前の投稿「織物について タテとヨコ」で、

・平織(ひらおり)
・綾織(あやおり)
・朱子織(しゅすおり)
・変わり織(かわりおり)

大まかに分類した4つの織り方をご紹介しました。
このうち、平織は以前お話した通りです。

今日は2つめの綾織です。チノパンツをご存知の方はすぐに分かって頂けると思いますが、斜めに線がある織物です。この線を畝(うね)と呼びます。

綾織とはタテとヨコの糸を組み合わせる事により、この畝を出す織り方になります。ちなみに畝とは農作物を作る為に、土を盛り上げて線状にしたところです。今日の投稿の画像です。

織物の畝は肉眼では見づらいですが、盛り上がっている所というふうに理解して下さい。

綾織で作られる畝は左上がり、右上がり両方あります。
織物に向かって右斜め下から左斜め上につながる畝を左上がり
織物に向かって左斜め下から右斜め上につながる畝を右上がりと呼びます。
何故両方あるかと言いますと、理由は糸にあります。
ここは次回の投稿で詳しくお話します。
今のところは、両方あるんだ、ぐらいに思って下さい。

ではこの畝、どのようにして作り出すのでしょうか?

実は構造自体は単純です。
今日は画像をご用意しましたのでご覧下さい。

綾織(右上がり)

少し見にくくてすみません。
画像の黒い糸がタテ糸、白い糸がヨコ糸になります。対比として平織も載せます。

平織

平織の説明にも使えば良かったですね。僕のアカウント画像に使っていたのに気が利かずごめんなさい。

本題に戻りまして、平織はタテ糸もヨコ糸もそれぞれ1本ずつ交互に交差している事が分かって頂けると思います。綾織はというと、タテ糸が2本のヨコ糸を飛び越えていますね。その後、1本のヨコ糸の下をくぐり、再び2本のヨコ糸を飛び越えています。2本飛び越えて1本くぐる、この繰り返しです。
そしてその隣のタテ糸はというと、飛び越えているヨコ糸とくぐるヨコ糸が先程より1本ずつズレています。これを繰り返す事により、2本飛び越えているタテ糸の位置が左斜め下から右斜め上に向かって繋がっています。つまり右上がりに畝を作り出しているのです。左上がりの場合は1本ずつズレる方向を反対にすれば、左上がりの畝を作り出せます。

これが綾織の構造となります。意外にシンプルと思いませんか?(笑)

あと補足としまして、タテ糸が飛び越えるヨコ糸の数は3本である場合もあります。この場合も3本飛び越えて1本くぐる、になります。そして、例として挙げたチノも3本飛び越えて1本くぐる織物です。飛び越える本数が2本より3本である方が、畝が太くなり、見える畝の傾斜も急になります。

また、2本飛び越えて2本くぐる、という織物も存在します。この場合には畝と、畝の間にある隙間となる部分の太さがほぼ均一となり、よりハッキリとした斜め模様となります。

飛び越えてくぐるパターンは他にも存在しますが、今日のところはこの変で区切ります。


最後に1つ、今回ご紹介した綾織は畝を作り出す織物です。従いまして、畝を出す(見える)面が織物の表となり、反対が裏面となります。平織は表と裏、どちらから見ても構造は同じです。ですが綾織の場合には見え方が変わりますので、表と裏の区別が必要となります。綾織の織物を使う商品であれば、畝を外側(目にする側)にします。つまり表ですね。


以上が今日のお話となります。

まとめです。👇
・綾織は畝を作り出す織り方
・畝は左上がりと右上がりがある
・タテ糸がヨコ糸を複数本飛び越える事で畝を作り出している

チノパンをお持ちの方は興味ありましたら是非見て下さい。(笑)


今日も読んで頂きありがとうございました。


次回は、今日ご紹介した綾織の畝、左上がりと右上がりがある理由は糸にある、についてお話したいと思います。

楽しみにして頂けると嬉しいです。

ありがとうございました。

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