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陰陽師と平安の物語『王都妖奇譚』

私が今回紹介する「推しの少女マンガ」は、岩崎陽子さんの『王都妖奇譚』です。
1990年から2002年まで、秋田書店の『プリンセスGOLD』にて連載されていました。
平安時代の京都を舞台に、陰陽師・安倍晴明が左近少将・藤原将之と共に魔物を退治したり、陰謀に立ち向かったりする、というお話です。

私の記憶では当時、ちょうど夢枕獏さんの『陰陽師』の人気もあって、安倍晴明自体にスポットが当たっていたころだったと思います。
私自身は夢枕さんの作品で晴明を知ったのですが、途中からは王都のファンになりまして、現在ではこちらの晴明の方が好きだったりします。

岩崎さんの絵柄自体が、少年マンガと少女マンガの中間のような感じで、幼いころからロボットアニメや少年マンガで育った私にとっては、馴染みやすいものでした。
また、晴明と将之の関係が、すごく好きでしたし、晴明にとっては兄弟子でありまた敵でもある橘影連との関係もすごく好きでした。
晴明と将之の話で今でも覚えているのが、晴明が記憶を失ってしまって親友である将之のことも忘れてしまう話ですね。
この中で将之は、「おまえが俺のことを忘れても、俺はまたおまえと親友になる」みたいなことを言ってまして、当時バリバリの腐女子だった私は、ひたすら萌え萌えしながら、何度もこの話を読み返したものです。
この話でだったか、別の話でだったか、「実際には一緒に行けないけれど、心だけをおまえに寄り添わせて行くよ」って意味の和歌を託すものとか、とにかく二人の話には萌えました(⌒∇⌒)

一方、影連との関係もかつての兄弟弟子で、敵味方で、愛憎半ばする関係でという、これまたなんかおお~ってなるような関係で。
最後まで敵対しはしたものの、影連は救われたのではないか……と思うようなラストだったと記憶しています。

あと、このマンガは女性キャラもよくて。
特に私が好きだったのは、将之の姉の彩子さんですね。
帝の女御ですが、何かあれば自ら刀を取って戦えるような女丈夫で、時には将之より頼りになったりして、読んでいて気持ちのいい女性でした。

ちなみにこの『王都妖奇譚』は、ドラマCDになったり、テレビドラマになったりもしています。
ドラマCDの方は、晴明が井上和彦さん、将之が山寺宏一さん、影連が塩沢兼人さんという、これまた往年のアニメファンには、「耳が幸せすぎる~」となるキャストです。
一方、ドラマの方は晴明が三上博史さん、将之が保坂尚輝さん、影連が陣内孝則さんといったキャスト。
鬼とかの特撮はちょっとイマイチでしたが、お話の方はたった5話という短い話数ながら、原作をちゃんと消化してうまくまとめているなあという感じでした。

以上、私の「推しの少女マンガ」でした。

#推しの少女マンガ

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