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内生変数の力(発酵) ―内生変数と外生変数3―

さて、内生変数であるモデルAのパン生地は、外生変数で平べったく変形しましたが、それ以降もそのままの形で存在し続けているわけではありません。

パン生地には「イースト菌」による「発酵」というそれそのものの力があります。
内生の中から外生側に向けて反発する内生的パワーがある、ということです。
パン生地モデルA‘は図のように

己の力で外に膨張しようとするパワー

があるわけです。(一次発酵)

勿論、この発酵という内生的パワーは「パン調理台」という外生的パワーに完全に抵抗することができるわけではありません。
決まった枠を超えることはできないわけです。
「外からブスッと指で突っつくとパン生地が凹む」というくらいに外生的パワーに弱いのです。
特にこの後、生地はちぎられ成形され二次発酵される、という工程を経ます。
「ちぎられる、成形される」という力は勿論「外生的パワー」なわけです。

しかし、同時に

外生的枠内であれば、内生的パワーは銘々膨張し反発しようと力を発揮するわけです。

さて、調理台という枠の上で
パンパンに膨れ上がり二次発酵もうまくいった柔らかくしっとりしてモチモチのおいしいパンが作れるパン生地のモデルA‘‘が

貨幣が市場に潤沢に供給されている好景気状態

だとします。

そして、
その発酵したパン生地の膨張した部分を全部つぶして、焼き上げた時にはカチカチの防御力の高い硬いパンが作れるパン生地のモデルA‘‘‘が

貨幣が市場に潤沢に供給されておらず不景気状態



であるとするなら・・・?

というわけで、次回は内生変数と外生変数の概念を理解した上で、
内生変数のモデルであるパン生地を、市場と貨幣供給、
外生的パワーを、政府・中央銀行のパワー、
内生的パワーを、民間の貨幣供給を求める欲望・アニマルスピリット・信用創造

と置きなおして見てゆきましょう。

いよいよ

内生的貨幣供給論と
外生的貨幣供給論
という本格的な「貨幣供給論」のお話に入ります。


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