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内生的貨幣供給論とは需要者側の信用創造のことです ―内生変数と外生変数4―

内生変数であるパン生地は”イースト菌”による”発酵”という、内生モデル内から外側に向けて発せられる内生的パワーがあることを述べました。

内生的パワーとは、己の力で外に膨張しようとするパワー

です。

このパワーを、現実の貨幣論に当てはめるとすると、

”貨幣発行額が膨張する”

ことに当たります。

これが

内生的貨幣供給論

と呼ばれる貨幣供給形態の一つです。
さて、現実に”貨幣発行額が膨張する事態”とはどのような状況でしょうか?

それは

”経済成長”

をしているとき、ということになります。
経済成長、ということは実務、特に銀行業務の実務としては

信用創造が行われている

ということになります。
信用創造、というのは政府等公共的団体である供給側が貨幣を発行して需要側に投資をすることではありません。
それは政府支出です。重要ですが、内生的貨幣供給論として私が言いたいのはそれではありません。

ここでことさら”信用創造”、と私が言うのは、この信用創造は

”民間の信用創造”つまり、民間企業の銀行からの借金と、設備・人材への投資である

ということです。

供給側からの資本注入ではなく、需要者側からの、無(ゼロ)からの貨幣の発生である、ということです。

ほら、これ。思い出しませんか?
これはポストケインズ経済学

”有効需要の原理”

ですよね?

そして”ここに投資を行えば確実に儲かる”という時、借金という信用創造をして貨幣を準備し、設備・人材に投資をするという、積み重ねが経済成長となるわけです。

さて、では、確実に儲かる産業、商売、手段として、一体何があるでしょうか?

世の中には国民の衣食住に関連する1次2次産業はもちろん、3次4次といったサービスに関連する産業にも様々なものがありますが、確実にもうかる商売の中に

”悪事”

と呼ばれる商売もあります。

酒、煙草、賭博、麻薬、売春、恐喝、詐欺、闇金、など

内生的パワーは”そこに投資をすれば儲かる”という時、膨張しようとします。
それはそのような悪の商売も例外ではありません。
儲けようとした瞬間、信用創造は行われ、内生的貨幣供給が行われ、犯罪の設備と犯罪者に投資が行われ犯罪が蔓延するのです。

内生的パワーは常に健全なわけではないのです!

商売をして経済成長をするのは構わない、だが、悪の商売を成り立たせるわけにはいかない。
それが、外生的パワーであり
その外生的パワーに基づいた貨幣供給論が

外生的貨幣供給論

というわけです。

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