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あんステ『Track to Miracle』感想

こんなの死んでしまう………………。
どうもこんにちは、モモチです。
あんステTtMお疲れさまでした!秋にチケット取ってから心の支えにしてきたので、なんとか観劇できて本当に良かったです。記憶が消し飛ばないうちに感想を書きますが、現場記事は勢いだけで書くと決めているので全部フィーリングで感じ取ってください。

シナリオの妙

突然ですが、原作がある作品で原作ファンが求めることは『忠実に再現すること』だと思いますが、原作シナリオをなぞれば良作になるんでしょうか。

アニメにはアニメの、ドラマにはドラマの、舞台には舞台のテンポや構成・要素が必要で、そこを間違えられると一気に冷めるんじゃないかと最近思います。ていうか、みんながみんな原作履修してきてるわけじゃないんだし、原作履修してない人も感動できる方がよくないですか?

私はあんスタ履修済なので一見さんの感想はわかりませんが、原作・キセキシリーズをベースにしながらキャラクターの過去や関係性に関わる別のストーリーを時系列に沿って挟んでいて、めちゃくちゃわかりやすいシナリオで感動しました。そう!これ!!!これを求めてたの!!!!私は!!!!!

わかりやすい上にキャラクターに自然と感情移入できるから全然飽きなかったです。

日和とジュン ハイエナの純情(アイドルストーリー)

一幕サマーライブ スバル・真・ジュン 中庭にて
漣「うちの学校、上下関係が厳しくて、特待生以外は奴隷と一緒なんすよ。おひいさんと組んだおかげでオレはそこから抜け出せましたけど」
あんさんぶるスターズ!THE STAGE -Track to Miracle-

Eveの結成秘話はSSやsaga(リバースライブ)で語られるのでサマーライブではほとんど描かれていないと思います。
しかし、ジュンが日和に恩義を感じていることや玲明学園のシステムに触れるストーリーが挿入されたことで、ジュンの人となりが深堀りされていたように感じます。

一幕は

ジュンと真の邂逅→生徒会室にて→TrickstarとEveの顔合わせ→日和からの宿題→Trickstarの自主練習→中庭にて→北斗のポーズ練習→本番

がざっくりとした展開。
サマーライブの大筋の流れに、ジュンの内面や日和の葛藤(英智からTrickstarを潰す気でやって欲しいと言われるアレ)、茨がEveに干渉している様子、スバルが父親のことで揺さぶられる様子など、あんスタの根幹に関わるほの暗い小ネタを挟んでいて見ごたえがありました。

かといって中だるみするわけでもなく、キセキシリーズ以外の要素が自然に繋がれており、緩急がある上にテンポ良く進んでいた印象です。

それから、ジュン役の岸本さんのお芝居もたまらなく良かった!!
後々書くことと重複してしまいますが、話し方や仕草がゲームで見た漣ジュンそのもので感動しました。ゲームよりワイルド強めな漣ジュン。

凪砂と日和 エレメント・ワンダーゲーム

二幕オータムライブ 真緒・日和・ジュン 喫茶店にて
巴「そして君らも知っての通り、かつてのfineを結成し、ぼくたちは学院に革命を起こしたね」
あんさんぶるスターズ!THE STAGE -Track to Miracle-

英智・つむぎ・凪砂・日和がキャスティングされた時点で旧fineの話をするんだろうなと思っていたので、凪砂の生い立ちを語る過程で挿入されていたのは納得でした。

歓声の中、ステージにひとり立つ英智。革命の終着点、生まれ変わる・・・・・・夢ノ咲​──────

私は今のfineのことは詳しくありませんが、凪砂と日和が抱える業を思うとただつらくて…。

オータムライブでは詳しく描かれなかった旧fine最後の舞台。
その様子はエレメントで読むことができますが、エレメントに凪砂と日和は直接登場しませんし、(小説があるとはいえ)旧fineのステージはきっとこうだったんだろうなと想像することしかできません。

いつか見てみたいな~と思っていたものの、いざ自分の好きなアイドルが傷つきぼろぼろになっていく様を再現されるとただただ苦しかったです。

すべて英智や旧fineのせいにしてしまえれば簡単だけど、実際はそんな単純な話ではなくて、みんなどこかに業を抱えている。

日和は五奇人をはじめとした何の罪もない生徒を踏みにじり、旧fineにとって都合のいいように印象操作を行ったことへの罪悪感を新章に進んだ今も残っているように感じるし、凪砂もまた傷つく日和を思い、自らの過ちを繰り返すまいと思っている。

『繰り返すまい』と取った行動の善し悪しの前に、二人の罪の意識を少しは理解しているつもり。だけど旧fine時代の日和は「与えられる拍手が、笑顔が……。もう、ぼくには本物かどうかわからない」と思っていた、と旧fineの凪砂と日和を応援していた『私』が知ったら『私』は一体どんな気持ちになるんだろうと舞台を観ながら考えていました。

旧fineに疑問を感じてもステージ上のふたりはいつだって本物で、拍手も歓声も偽物だったことは一度だってないのに!「大好き」の気持ちさえ疑われたら、一体『私』は誰に向かって何を投げていけばいい?ステージに立つなら『アイドル』をやってよ!!

でも、疑問を感じていたのに応援し続けていた時点で『私』も業を抱えているようなものだし『私』がステージに向ける「大好き」も日和を追い詰めていたんでしょうね。

舞台に立つキャストも本当にすごくて、みんな全然覇気がないというか、英智以外全然笑ってなくて。

日和は最初こそぎりぎりの笑顔を見せていたものの、終盤が近づくにつれて目に見えてやつれていくし、よく見ると伸ばした指先が震えているし…。

極めつけは落ちサビ「♪終焉という未来贈ろう」で初日は日和が凪砂の肩に手を乗せて、しっとり凪砂が歌い上げる…といった演技だったのが、最終日では日和の手が尋常じゃないくらい震えていて、それに気づいた凪砂が「……!日和くん…!?」といった具合に思わず振り向く演技に変わっていたこと。

あまりにも悲壮すぎて、見ているこちらの方がつらくなってくる。

そのあとに続くワンダーゲームのワンシーンも、最終日は凪砂の声が震えていて絞り出すように喋っているのが、凪砂と日和の絆の深さが感じられる一方、ほんとうに旧fineはすれ違ってしまったんだと、見ていてひたすら苦しかったです。

原作以上に”嫌な奴”になっていた男・七種 茨

二幕オータムライブ 真緒・日和・ジュン 喫茶店にて
漣「実は、妙な噂があるんすよ…茨がナギ先輩を第二のゴッドファーザーに仕立てて、事務所を乗っ取ろうとしているんじゃないか、って」
(中略)
巴「凪砂くんを人形のように操ってね。あの毒蛇ならそのくらいやりかねないね」
あんさんぶるスターズ!THE STAGE -Track to Miracle-

スクリーンショット12枚分のシナリオをギュッと凝縮した結果、推しがとってもあくどい人物になっていて面白かったです。

実際このシーンを要約するとそれはそうなんですが、あまりにもドストレートでびっくりしました。確かにオータムライブの茨は自分の力を過信していたとはいえ、まるでEdenの人間関係最悪みたいな…。

このシーンに限らず茨がわかりやすく悪役として描かれていたので、目的のために暗躍する茨と自意識が希薄な『アイドルの器』・凪砂の対比が際立っていた印象です。

ただ、Trickstarが絵文字を暗号として使っていることにそもそも気づかなかったり、弓弦に種明かしされて自らの作戦が失敗したことに気づいたりしていたので、小物感も強くなっていたように思います。

茨の生い立ちについては後編に持ち越し。アニメはかなりはしょって説明していたので、舞台はどうなるか気になります。

キャストの話ー乱 凪砂(松田 岳さん)

ふわふわした凪砂も、圧倒的な力でねじ伏せる凪砂も、Trickstarをどこか羨ましく見つめる凪砂も、ゲームで見た乱 凪砂さまそのもの。なんてすごい役者さんなんだろう。

今更な話2年ぶりの現場なものでこんな風にあれこれ書いて良いものかと若干の迷いがありますが、中でも旧fine・真との邂逅・The Beast of the End のシーンが特に好きです。

旧fineは最終日のステージ<<<<日和のお芝居がずっと心に残っています。あのときの凪砂はオータム以上に自分自身がないというか、世界の中心が日和だったんだろうなー。と考えていました。

真とステージで会うシーンはかわいらしかったです。
同じジャージを着て「お揃い」と裾を広げる様子とか、そのあとのアドリブとか。かと思ったら『アイドルであること』を語る凪砂は打って変わって恍惚とした表情になり…。ゴッドファーザーの”息子”であることや”アイドルであること”への異常なまでの執着が、表情だけで伝わってきて背筋がぞくっとしました。

目力の強弱がすさまじいというか、優しい凪砂と掴みどころのない虚みたいな凪砂の演じ分けがとてつもなくて、気を抜いたら全部持っていかれてしまいそうで…。

Adamは弓弦と茨~『The Beast of the End』の流れが狂おしいほど好きでそこだけ何回も繰り返し見ているんですが、「久しぶりに愉快愉快」の凪砂も初日と最終日とでかなり違っていましたね。

初日に比べて最終日はかなり笑っていましたが、どちらも目が笑っていない感じというか、内心不愉快そうに感じられて…。TrickstarがAdamという壁を乗り越えて輝きを放つ一方で、その輝きを認めつつ1曲踊っただけで0に戻してしまう凪砂のパワーを感じて、ただただ圧倒されました。

キャストの話-七種 茨(橋本真一さん)

あんスタで一番大好きなアイドルが茨なので「茨って現実にいたらこんな感じなのか…」と思いながら観劇していました。

頼れる人が誰もおらず、その身一つで乗り越えてきた茨。
真正面から褒められたり認められたりすることには全然慣れてなさそう、というのが私の茨観ですが、凪砂に褒められてたじろぐ茨を久しぶりに見た気がします。

そうそう、最終日のこのシーンは二人の距離感がかなり近くなっていましたね。それも見どころですが、このシーンは橋本さんの間の取り方が絶妙なんですよ~~~!

頭を撫でられる→逃げ出す→「…自分のような最低野郎に礼など不要です」

の流れは同じですが、逃げ出した後が初日と最終日とでかなり変わっていて驚きました。

初日は逃げ出したあと割とすぐセリフを呟いていたのに対して、最終日は逃げ出したあと立ち止まって少し間を置いてからちょっと口ごもるように吐き捨てた感じ。

最終日の茨は褒められることの慣れてなさをすごく感じて、たった数秒の間、ものすごいスピードでいろいろ考えた末の「…自分のような最低野郎に礼など不要です」なのかなあ。
たった一言のセリフも間の取り方だけでこんなに変わるものなのかと思ったシーンです。

あとはやっぱり、弓弦にボコボコにされた後~『The Beast of the End』ですね……。

原作では弓弦に詰められるシーンがないので新鮮でした。完膚なきまでに論破されてて若干かわいそうになりましたが、かつての弓弦と茨の関係そのままで好きなシーンです。

茨のことが好きなので茨の作戦が失敗すると私まで悔しくなってきますが、何度失敗しても絶対に這い上がってくるのが茨の最高にかっこいいところで、凪砂に諭されてからのシーンが大好きです。

「アイアイ!閣下の仰せのままに」もここで善人の皮をはがしたというか、す、好き……。
そこからの殺気を隠そうともしないまさに獣の茨はもう~~~最高でした。
何がどう最高だったのか説明したいんですがとにかく最高だったとしか言いようがない。

「自分、最低野郎で本当に良かったです」
の笑顔!!!!目に焼き付いて離れません。そこから(というかこのシーンからずっとですが)『The Beast of the End』までもう、かっこいいよ…一番だよ、ファンサしなくていいから蹂躙して、暴れまわって、焼き尽くして!!!しかもう、なくて。感想が。

シンシャはスバル(竹中さん)にされるがままになっててかわいかったです。
私の大好きなアイドルをこんなにかっこよく演じていただいて本当に嬉しかった…………。

どうしよう、秋『THE GENESIS』来るけど、ねえ、どうしようね!?

まとめ 秋………………………

病めるときもすこやかなるときも「とりあえず3月はあんステがあるから」と思い生きてきましたが、生きていて良かった。生きてて良かった~!(T T)

いろいろ大変なこともありますけど、秋まで死ねない理由ができたのでなんとか頑張ります。いや重。

私はSSがどんなストーリーなのか知ってるしEdenがどんな結末を迎えるのかも知っているけど、私はEdenのおたくなので最後までEdenを応援し続けたいと思います。SSはEdenが勝つ!!!!!!!!

それではまた。

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