「なんで泣くのんやめたん?」

先日親子最後のTikTok LIVE。

話の流れで、彼に聞いてみた。

泣き虫で、とにかく泣き虫で、彼はいつも泣いていた。
泣くことで自分の気持ちを伝えようとする彼に
私はいつもこう言った。

「泣くな！
言いたいことがあるなら、泣かんと言え!」

そう言うと彼はまた泣いた。

今思えば、
そんな言い方しなくても良かったのに
と、思う。

でも、その頃の私も必死で、
彼の気持ちをわかりたくて必死で、
わかってあげられない自分に苛立っていた。

でも、そんな彼も小学校5年生ごろから
泣かなくなった。

ただの年齢の積み重ねなのか。
でも、実は気になっていたから流れを受けて聞いてみた。

「あなた、泣き虫やったのに、急に泣かなくなったよね。
何かあったの？きっかけとか、あったの？」

彼は「ない」と言った。

「そしたら，何か思うことがあったの？」

「あった」

「なんて思ったの？」

そう尋ねたわたしに彼はこう言った。

「泣いてるだけでは、あかんと思った」

泣いてるだけでは伝わらない。
それに気がついた時、泣くのをやめた。
そう彼は言った。

そうか、そんな気づきがあったのか。

LIVEの最後、
泣くなと言ったわたしの事をどう思っていたのか聞いてみた。

「むかついてた」

と彼は言った。それから2人で顔を合わせて笑った。

11歳の彼の思いを、
14年経って、私は初めて知った。

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