ゲストハウスの場所の決め方
第二回のゲストハウス開業相談会を終えた。各地から繋いでくださった3名に私を足して合計4名でおしゃべり。今回は、「(市町村は決まっているけれど、そのなかでも)どこでやるか」について聞かれたので、考えてみた。
場所はどう決めたらよいか
今回の参加者のなかには地元である某村で開業を考えられている人もいた(ただ、村と言っても日本昔ばなしに出てくるような村ではなく、二つの主要都市に挟まれている町場間もあり、かつ自然も豊か、そんな場所だと思う。たぶん)。
その方から「詳しい場所はどう決めたらよいものか…」と尋ねられた。これは、1166BPのように一人旅のゲストが多く、善光寺さんのようにわかりやすいランドマークがあるケースとは少し違う。長野市で開業であれば、徒歩圏内に観光地や魅力的な飲食店などがあるか、主要の長野駅からアクセスしやすいかが重要になってくるが、その参加者の開業したい宿はもっと「宿自体の魅力」がウリになってくるのかもしれない。
宿自体の魅力で人を惹きつけるには、惹きつけたい相手がどんなひとなのかをよく考えないといけない。誰を惹きつけたいか、つまり、誰にきてほしいのか。
誰にきてほしいか(ゲストのことを考える)
例えば自分がバイク乗りで、ライダーさんにきてほしいのであれば、ライダーが立ち寄りやすい道路沿いで、駐輪場の確保も条件になってくるだろう。例えばペットの犬も連れて泊まりにきてほしいのであれば、ドッグランが近い方がいいかもしれない。登山客を受け入れたいのであれば、登山口へのアクセスを考えたり客室の窓から山が見えるのもいいかもしれない。
1166バックパッカーズにはナガノスキ子ちゃんという女性が(私の頭のなかに)存在する。イベントの開催やオリジナル商品を作る際などは、「ナガノスキ子ちゃんは興味あるかな?」と考えるし、「ナガノスキ子ちゃんが家族や友達、上司なんかを連れて来たいと思える宿」であろうと考える。
これをビジネスにおいて "ペルソナ" というそうだ。
自分はどういう宿をやりたいのか(自分のことを考える)
もうひとつ考え方として、自分がどういう宿をやりたいかも考える基準になる。
飲食は併設せずに完全素泊まりで経営するのであれば、飲食店がいくつかあるエリアが好ましいだろうし、地域住民との交流場を作りたいのであれば近隣住民がカフェ利用しそうな場所にカフェ併設宿を作るのもいいかもしれない。宿営業と子育てがスムースにいくように保育園や学校が近い場所で探してみるという人もいるかもしれない。
1166バックパッカーズは当初より、情報の往来がある場所でありたいと思っていた。その情報とは、観光情報はもちろんだけれど、実際に住んでいる人たちの声を宿泊客に届けられたり、各地から来てくれた人たちの視野をローカルに届けられたり。それには、双方が立ち寄れるエリアである必要があった。
最終的には縁があってこそ
とどこでやるかにいろいろと妄想を書いてみたけれど、それ以前にやりたい場所が決まっても手頃な条件の空き物件があることは稀だし、それを貸してもらえるかどうか(宿泊施設として物件を借りるのは、住居として借りるよりもハードルが高い)は縁でしかない。なので、私としては少しエリアを広くとって物件を探し、候補が見つかったところで「ここに来てほしいお客さんは来てくれそうか」「ここで自分がやりたい宿ができるのか」を考えてゆくのがいいのかしら、と思う。
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