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25才以下ひとり旅支援を始めた理由

 1166バックパッカーズという小さなゲストハウスを開業して14年になる。始めたころ30歳だった私も、44歳になった。ゲストハウスに泊まるひとというと、若者のイメージが強いかもしれない。大学生のような。でも実際のところ、我が宿に宿泊するマジョリティは30歳前後が一番多い。そして40代のひとり旅や家族旅行も一定数いる。50代の男性ひとり旅というのも結構多い。


30歳前後のゲストが多い理由(推察)

  1. 価格が最安値ではない(ブッキングドットコム上で確認すると、地域最安値との差が1900円もある)

  2. 開業時からの馴染みのお客さんが歳を重ねた

  3. 若者にとって魅力がない、または伝わっていない?

年齢層が高いのは不都合なのか

 私自身、44歳という年齢で、30代、40代〜の方々と話すのはとても楽で楽しい。同じような悩み、考え、興味を持っていたりもして、興味深い。一方で20代と話すと知らない世界を見せてもらえる。「今はそんな便利なものがあるのね…」とか「へぇ、そのアーティストかっこいいねー」とか。そして旅先の話などでは年齢を超えて共感できたりする。結局のところは、年齢はどちらでもいいように思う。

ではなぜ、年齢の話をしているのか

 若い世代とひとくくりにするのは乱暴だと思うが、一定数の積極的に活動している若い人たち以外に、何をどうしていいのかわからない人たちも多いと思う。たぶん大学生ころの自分もそうだった。別に不満はなかったけれど、その後旅にでたことで知らずに感じていた肩の荷を下ろすことができたのかもしれない。
 私が思うゲストハウスというのは、しがらみなく、偶然旅先で出会った人と知り合える場所。国籍も、何を信じるかも、年齢も、職業も、学歴も関係なく。そして気が合えばもっと話してみたらいいし、気が合わなかったとしたら「世の中には気が合わない人もいるんだな」と体験すればいい。そう思うともしかしたら自分の不安は小さなものなのかもと思えるかもしれないし、自分がもっと楽しめる世界にちょっとだけ触れられるかもしれない。なので、若いうちから、自分の知らない世界の存在に触れる場所としてゲストハウスを活用してほしい。

ゲストハウスの役割

 若い世代に訴求したいとは思うが、ただ学割のようなものを作ることに抵抗があった。というのも、ゲストハウスというのは場所であり、それ以上でもそれ以下でもないと思っている。我々が何か特別なことができるというよりも、場所があることで人が集う。我々の仕事は人が安心して集える環境を維持してゆくこと。

30代〜のゲストと20代前半のゲスト

 今来てくれているゲストの多くは若い頃から旅をしていた世代。ゲストハウスのソーシャライズな雰囲気が好きで来てくれている。そういう人たちは若い世代ともとてもうまく付き合ってくれる。だから潜在的に居場所を求めている若い世代に訴求したいと思ったときに、旅が好きな人たちとの間に立ち、両者が心地よく繋がれる環境を作ってゆくのが我々の役割だと思った。

U25ひとり旅支援の話

 実際に動かし出したプロジェクトとして、25歳以下のひとり旅支援プロジェクトがある。これはすでにnoteにも詳しく記載している。

これからの話

 運用は手探りだけれど、リアルに対面してないながらに、支援する側も出会いを楽しめ、支援される側も割引額以外の楽しさがある。そんなプロジェクトになればな、と思っている。

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