苦手なゲストはいないが、苦手な空気はある
昨夜、お泊まりのお客さんに「苦手なゲストが泊まりにくることないですか?」と聞かれた。この質問、これまでにも何度かうけたことがある。13年ゲストハウスを運営していると、お客さんに対して「困った…」と思ったことはこれまでにある。一部は先日、noteで書いた。
ただ、「苦手なゲスト」というわけでもない。もしかすると、私は「苦手な人」というのはそんなに存在しないのかもしれない。ただ、相手がどうこうではない「苦手な空気」というのは存在する。
あれ? 何か怒ってる?
ときどき、こちが笑顔で握手を求めるようなきもちで接していても(実際に握手を求めているわけではないですよ)、その出した手を「見なかったことに」されることがある。だいたいの場合は予約サイト経由の予約で、たぶん、そういう宿泊を望んでいなかったときに起こりやすいのだと思う。ちょっと慣れてはいるので、要所要所で手を差し出すんだけれども、ダメだったりして。あぁ、ここでゲストにもニコっと微笑んでいただければ嬉しいなぁ、と私は心のなかで願っていたりする。
コソコソ話のほうが余計に目立つ
特に海外からのカップルがラウンジで話すときに、なぜかすごくヒソヒソ話になる時がある。イチャイチャしているというよりも、まるで隣で寝ている子供を起こさないように、おそらく周囲に気を遣っている感じ。自分だけだったら何にも気にならないんだけれど、さっきまで普通の音量で喋ってた他のゲストが気を使い出して無言になったり、普通の声で話しにくそうになるときがある。そんな時は、あたふたする…。でも、「ヒソヒソ喋る権利」はゲストにあるので、あとの空気をどう作るか力量が問われる。
たぶん、いいむろに飽きているよな…
ゲストが少ない日や、お出かけのゲストが多い日なんかは、ゲストと1対1でラウンジで過ごす。日本人どうしであれば壁が少なくいろんなおしゃべりを楽しめるんだけれど、海外ゲストと2人きりとなると、自分の場合は英語の壁をもひとつ乗り越えられない。
とはいえ、それなりに経験値はあるので、トピックひとつひとつ慎重に選んでいくんだけれど、やっぱりどこかで手を伸ばしきれずにずるずるとボルダリングの壁から落ちてゆくようなときがある。
もしかしたら目の前のゲストは(こいつとのおしゃべりツマラネーって、思ってるのかなー)などと考えてしまう。一方で何もこちらから話しかけない場合は(この空気、気まずいわーって思ってるんじゃないか…)と考えてしまう。どんなシチュエーションでもめっちゃゲストをハッピーにできたのは、永久欠番のどいちゃんだったよな、と思い出す。
苦手な雰囲気は誰が作っているか
この答えは、確実に「自分」だと思う。こういった雰囲気にしてしまうのは自分の力量不足、努力不足だなーと、そういう局面に立つたび思う(一方で、お客さんも同様に「苦手な雰囲気」と思っているかは定かではないけれど)。自分が心地よいと思うのは、パーティホステルではないけれど、空気が停滞しているわけでもない感じ。窓から新鮮な空気が静かに入ってくる感じ。その理想に近づけるような営業がしたい。
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