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春のいばらき。梅香る弘道館をあるく

日帰りで茨城へ出かけたときの話です。前回はこちら

日立駅をあとにして、国道を南下し水戸市にある弘道館へ向かいました。
水戸といえば偕楽園の梅ですが、実は弘道館もおすすめの梅スポット。毎年この時期に必ず訪れる、お気に入りの場所です。

※写真はすべて2023年2月26日に撮影したものです。


茨城県三の丸庁舎に車を停め、弘道館へ向かって300メートルほど歩きます。

入口で受付を済ませ、弘道館の敷地内へ入ります。

江戸時代の総合大学 弘道館こうどうかん

旧水戸藩の藩校である弘道館は、第9代藩主徳川斉昭が推進した藩政改革の重要施策のひとつとして開設されました。儒学教育を基盤としたきめ細やかな教育体系を備えており、ここで藩士とその子弟が学問と武芸の両方を学んだそうです。

正庁

また弘道館は明治5年(1872年)の「学制」発布により閉鎖され、県庁舎や学校の仮校舎として使用されたあと、戦火を免れた正門、正庁及び至善堂は、昭和39年(1964年)に国の重要文化財に指定されました。

手前にあるのは対試場。武術の試験を行う場所です

早い春をいろどる

偕楽園と共に徳川斉昭によって創建された弘道館には、約60品種800本の梅が植えられています。また品種によって開花時期が異なるため、2月はじめから3月末まで長い期間楽しむことができます。

梅の花の色や形、香りは、一つとして同じものはなく、どれも個性的。
シンプルな一重咲きは親しみやすく、どこかほっとします。

八重咲きは艶やか。

枝の伸び方もさまざまです。
空にむかってぴんと伸びるさまは力強く、生き生きとしています。

枝垂れた枝が風にゆれて、きれい。

あたり一面、爽やかな梅の香りが漂っていました。春ですね。

八重寒紅やえかんこう

めずらしい花

園内には珍しい品種の梅がありました。

てっけんばい(野梅系)

黄色く枯れたような「てっけんばい」。

蝋梅に似ていますが、花弁が退化しているため雄しべが目立つ、珍しい花なのだそうです。


そして、日当たりの良い場所には、いちごミルクのような可愛らしい花が咲いていました。

鈴鹿の関すずかのせき(中輪・一重咲き)

グラデーションの花びらが不思議だなあ!

黄色いつぼみ

紅白の梅が咲くなか、青白いような、黄色い色をしたつぼみがありました。咲いている様子は、このあとご紹介しますね。

水戸の六名木

また弘道館には「水戸の六名木」と呼ばれる、偕楽園内にある梅の中でも、花の形、香り、色などが優れている梅がありました。

烈公梅れっこうばい(野梅系・薄紅色・大輪・一重咲き)

水戸にしかない品種。偕楽園を造った徳川斉昭公の別称「烈公」にちなんで名付けられました。

あわい紅色がぼんぼりのようで、とてもきれい。

白難波しろなにわ(野梅系・白色・中輪)

ほころびたときの微かな淡紅色が、開花したのちも花の外側に残るのが特徴です。

花びらの裏側がほんのり紅い。ふんわりしたオートクチュールのようです。

月影つきかげ(野梅系・青白・一重咲き)

上でご紹介した、黄色いつぼみのお花です。
丸くて厚い花弁、しべが豪華で落ち着いた雰囲気を持ちます。花の輪郭が特に美しく、香りも強いです。

花びらはやさしいアイボリー色、そして萼は黄緑色をしていて、とても爽やかな佇まいでした。

柳川枝垂やながわしだれ(野梅系・薄紅色・中輪・一層咲き)

つぼみは濃紅色のがくに包まれていて、開花すると萼は反り返えり、淡紅色の花弁が現れます。

濃い紅とあわい紅の組み合わせが、落ち着いた雰囲気。

虎の尾とらのお(野梅系・白色・中輪・八重咲き)

開き始めは薄紅色、開花後は白色となります。雌しべは短く2本以上あるものが多く見られます。若いさやは黄緑色です。

ほぼ満開。弘道館正門近くに咲いていました。

江南所無こうなんしょむ(豊後系・紅色・大輪)

開花期はやや遅く3月上旬から4月上旬。明るい紅色の大輪で、花弁は厚く、しべを抱え込むように咲きます。徳川光圀(水戸黄門)遺愛の品種で中国由来と言われ、江南地方(中国)にこれ以上の梅はないと言う意味で名付けられたという説があります。

江南所無は遅咲きの花で、わたしたちが訪れたときはまだ蕾でした。
公式Twitterによると3月5日に数輪咲き始めたようです。

梅香径(うめかおるみち)

弘道館から水戸駅に向かって歩いていくと、カラフルな提灯とともに梅の木が飾られていました。

見驚けんきょう(大輪・八重咲き)
蘇芳梅すおうばい

水戸の六名木もありました。

月影が満開でした
虎の尾
咲き始めは淡紅色で、徐々に白色へと変わる間近で見ることができてうれしい
コントラストが美しい柳川枝垂


梅の香りただよう、水戸の街。
街全体が春の訪れをよろこんでいるようで、こちらまでうれしくなりま
した。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんはどんな梅がお好きですか。

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