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奥さま、もやしからネギになる


「おりちゃってさ、野菜に例えたら、もやしだよね」

主人によく言われる。

そう、わたしは昔から「もやし体型」だ。

もともと食べても太らない体質で、ひょろーっとしている。いまだに実家に帰るたび「ちゃんと食べてる?」と聞かれる。

うん。ちゃんと食べてる。

以前、同僚の送別会の時、別れ際にぎゅっとハグをされたら「折れちゃいそう」と言われた。

郵便局に行くと、馴染みの局員のお姉さんには必ず「いつ見てもスラーっとしていてうらやましいわー」と言われる。

お世辞だと思う。

スラーっ。いえ、そうではないの・・・痩せているというより、貧弱な体型なのだ。


結婚するまで保育士をしていた。

担当する2才の男の子を抱っこしていた時。

一緒に歌を歌っていると、そのぷにっとしたかわいらしい小さな手はおもむろにわたしの胸へ。なんとなくママを求めている。小さい子にはよくあることだ。

そして

「おりちゃせんせ、おっぱい、ないねえー」

と無邪気に言われた。 聞いていたまわりも大爆笑。

そう。わたしはちっぱい。

こどもは、正直だ。


出るところは出て、締まるところはキュッとしまった女性らしいボディに憧れる。

そして、丸顔。

膳場さんとか、石田ゆり子さんのように、いつかなりたい。

でも、わたしはちょっと疲れた面長だ。

顔にお肉が付くのは、いちばん最後。いつまでたっても丸くなんてならない。


つい先日、お風呂上りの洗面所で、隣にいる主人が笑いながら言った。

「おりちゃってさ、ねぎみたいだよね」

「ん?」


もやしじゃないの?

お子さま体型なのは同じだけど、ねぎってさ、すこーし光ってる。もしかして、艶が出てきたってこと?

もやしからねぎになる。面白そうなのでその訳を問うてみた。

「えっ、どういうこと?」

「いやぁ」

歯切れが悪い。わたしは階段を下りる主人のあとを追う。


「なになに、どんなネギ?」

「えーと・・・」


振り返って笑いながら言った。





「白髪ねぎ・・・( ´_ゝ`)」









ねえ。


わたし、愛されてる?


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