ラストパイ 2023/3/23
前書きとして、ネタバレを含みます
これから観劇を予定されている方は是非、読まずにご観劇することをお勧めします。また、この作品の受け取りかたは人それぞれ自由です
正解はなく、それを求めてはいけないと思います
なので、あくまでも私の一個人的な記憶を辿った感想文となりますので、
解釈間違い、構成の時系列違い等があるかと思いますが、どうぞご容赦ください。凡才の駄文ではございますが、ご興味がある方はどうぞ💁🏻♀️
『間も無く第二幕が始まります。ロビーにおいでの方はお席までお戻りください。開演後はお席にご案内は出来ません。』
(開演直前に隣のブロックに3人の男性客が席につく、誰も騒がないが、間違いなく誰か見学者が来た。1人は茶髪、1人は身長高い、1人は帽子を被っててマスクと照明で顔はよく見えない。後で知ったけど正門、檜山、久保だったとのこと😳)
いよいよ第二幕のスタート
異様な緊張感に客席が包まれていく
ゆっくりと灯りが消され
闇に包まれていく
ドンタッ…ドンタッ…ドンタッ…
ドンタッ…ドンタッ…ドンタッ…
心臓の鼓動のような
メトロノームや時計の秒針の様に
一定のリズムで刻まれた音が流れ始める
ドンっ
下手側から…小さくも鈍い音が聞こえた
音の先を見つめても
闇の中で何も見えない
でもそこには間違いなく織山尚大がいる
(立ち位置はレポで把握済)
緊張感と気迫を空気で感じ取る
上手後方の高台(5mくらいの櫓)にいる
松本じろさんのギターの音が鳴り出す
オレンジの衣装を着ていてなんだか
それが異国の僧侶のように見えた
下手のスポットライトが灯る
闇から織山が現れる
身にまとう衣装は黒のショートパンツ
オレンジと黒の布切れを腰にまとい
両膝にサポーター
ほぼ半裸状態(ムエタイ😦❓)
ツーブロックが目立つオールバックに編み込みがされたコーンロウというヘアスタイル
(恐竜🦕の頭の様🤭←黙りなさい)
照明もかろうじて織山の姿を照らすだけの明るさ
下から当てられているせいもあって
その顔は勇ましく不気味に
妖艶でゾクっとした
華やかな衣装もセットも何もない
暗闇に僅かな照明
これはいつも織山が立つステージと違う
そういったもので誤魔化しはきかないものだと
すぐに察した
ここから40分間踊り続ける
肉体と精神との戦いが始まる瞬間
松本じろさんのギターの音
飛んだり
回ったり
一つ一つの動きを
丁寧に
儀式的に
禍々しく
神秘的に
しなやかに
威嚇するように鋭く
惑わすように妖艶に
地を震わせるように力強く
呪術的に
雄々しく
本能的に
荒々しく
洗脳的に
激しく
繊細的に
神々しく
(正直、私の頭では言葉での表現はこれくらいしか💦💦)
瞬きを忘れる程
彼に釘付けになった
頭を殴られた様な衝撃
思考が途切れた
呼吸するのを忘れていることに
息が苦しくなってから気づく
これは今まで私が見てきた織山のどのダンスにも当てはまらないものだった
今、目の前にいるのは…
あれは誰だ?
織山尚大?
(いや、疑問視出来るほど私は彼の全てを知っているわけではない?)
こんな顔をした織山を私は知らなかった
目の前で起こる事への認識ができなくて困惑する
ひたすらに何かに取り憑かれたように
踊り続ける
この辺りで織山の後方にダンサーが一人一人と増えて行き、各々織山と同じような動きを踊る、同じようなとは人によってそれぞれ全然違って見えたから
織山はスポットライトの方向に視線を向け
倒れては起き上がり飛ぶ
倒れては起き上がり回る
倒れては起き上がり睨みつける
倒れては起き上がり…
繰り返す
時折り天を仰ぐ
徐々に表情は険しさを増していく
流れる汗が光の反射で周囲に散るのが見える
倒れる様も繰り返すうちに演出から
現実のものへと変化していくように見えた
身体は軋み始め
歯を食いしばり
心臓を拳で殴る
かなり苦しさが見える
おそらく足が攣りそうなんだろう
右足を何度か振り 両腿を叩きつける
辛い 苦しい 痛い
でも絶対に踊り切ってやる!!
台詞はないけど
そんな声が織山から聞こえてくるようだった
己の肉体を追い込んでいく
ダンサーの一人が織山に駆け寄り倒れる
(安心してください。演出です🥺)
残り3人のダンサーが迎えにきて櫓の元へ引き摺り連れて行く
踊り続ける織山が
神格化されているように見えてくる
何度かそれが繰り返される
気づいたらダンサーの人数が10人程に増えている💦
(織山に視線を奪われてていつの間に増えたか見てなかった🙏🏻💦)
織山の元に倒れては迎えが来て引き摺られる
迎えの群衆はまるでお祭りのように賑やかに
櫓の下でウヨウヨと動いている
中盤くらいだろうか
倒れた織山が仰向けのまま
すぐに起き上がらない
その顔に見えるのは涙なのか汗なのか
大きく肩で呼吸を繰り返す
苦しそう 体が動かない様子
もう、既に身体の限界は超えている
ダンサーの1人が覗き込むように織山を見下ろす(演出のような魅せ方で)
(あ、やばい💦これではタオルが投げ込まれてしまう💦ヤバい時には黒田さんがタオルが投げ込まれ公演を止めると言う)
体感としては7〜8秒程
織山は歯を食いしばり
両腕をついて動かない足に力を入れ
無理矢理立たせ踊り始める
見ているこちら側の拳に力が入る
(頑張れ…👊🏻😣👊🏻)
それを確認したダンサーはまたその場に倒れる
(😮💨続行のようだ)
踊ることを止めない
止めることを許されない
呪いをかけられたような
何かに取り憑かれたような光景だった
全てを剥ぎ取られ
飾る事が出来ない程
追い詰められていく
心臓を殴りつけるシーンは
織山から声が漏れるほど苦しそうで
何度も何度も何度も
殴る
見ていて辛かった
もういい
もうやめて
そんな気持ちを叫びそうになった
(推しが苦痛に耐える姿を40分以上も見続けるのは拷問でしかない😭でも、何度でも挑む織山の姿を見て心が惹きつけられ、目には見えない生命のエネルギーのようなものを感じた気がした)
また立ち上がって踊り出す織山の目は鋭く
肉体はボロボロになりながらも
瞳の中の炎は絶対に消えてはいない
ダンサーの一人一人がステージに広がり
織山の動きとシンクロする
両腕肩を前方に動かす動きは
鼓動のような何かを誘うような
ダンサー達が一人また一人と倒れていく
中央で女性が
うめき声をあげて叫ぶ
全員が倒れると小柄な女性が無邪気そうにその周りをぐるぐる走り回り一人ずつ覗き込み
何かに誘う様な動きをしている
その間も織山は一人踊り続ける
ステージの照明が消え、
織山と松本じろさんの照明だけになる
ギターの音が
ドクっ、ドクっ、ドクっと
脈のような
不思議な感覚だった
織山は虚に踊る
床に敷かれた黒のフェルトのようなマットから
大きくはみ出して両手を広げ振り回る
松本じろさんのギターと歌声に力がこもり
Hea〜yey〜と
ハスキーな歌声が
地を動かすほどに力強く響く
(あと少し、ラストスパートだという感じがした)
その声に共鳴するかのように
床を叩いて大きく飛び跳ね
織山の踊りに更に力が込められる
(私には歌声が頑張れー!と言ってるように聞こえた)
天を仰ぐ表情は虚ろ(白目)になったかと思うと次の瞬間には眼光に鋭さが戻る
(この辺りの織山は何か別の生き物の様に見えた😨完全にゾーン入っている)
それは意識的ではなく
潜在的なものに見える
正に無我の境地
ほぼ魂だけで踊り続ける
っう゛ぁ゛あぁ゛ぁぁぁぁ
織山が叫ぶ
自分に喝を入れるためなのか
その声は客席に響く
っう゛ぁ゛ぁっ
一つ一つの振りに力を込めて
痛みを振り切るように
激しく肉体を動かす
飛び回り頭を激しく振る
編み込みが解け髪が乱れる
その姿を見てよりこちらも苦しくなる
客席から啜り泣く声が聞こえる
(主も特にこの辺ボロ泣きし過ぎてて😭😭😭ズビズビと音を出してすみませんでした😭😭🙇🏻♀️🙇🏻♀️)
ふっと
照明が消え再び闇に包まれる
ギターの音色が静かに静かに
始まりのリズムのように脈打ち
止まる
(織山は暗転と共に袖に倒れるように見えた)
40分間はあっという間に終演
想定の範囲を超えた世界だった
自分の想像を超えると人って思考が停止する
今、目の前で起こった出来事に頭がついていかない
ぼーっとしている😶😶😶
カーテンコール
ダンサーの方々がお一人お一人が挨拶をされる
皆様、アスリートの様に肉体美
(ダンスをする人の体ってあんなにしなやかに動いてるのにこんなにも体は筋肉質なんだなと思ってた)
皆様が挨拶を終えられると
下手から男性ダンサー2人に両脇を抱えられながら、
両足を引きずり現れた織山
昏睡しきってて自力で立てない様子
立ってるのもやっとな感じなのに
正面を向いてフラつきながらも客席に挨拶
支えられて上手に捌ける途中に止まり
演奏者の松本じろさんに敬意を示し、
再度その位置から客席に向かって挨拶
そんな状態でも人々への感謝と敬意を
忘れない姿により泣いた😭😭😭😭😭😭😭😭
スタンディングで拍手に込めた
お疲れ様とありがとうと感動と賞賛
叫べるのなら
織山最高ーーー‼️‼️とでも叫びたかった😭😭
(公演がぶち壊しになるのでやめましょう👋🏻😅)
この舞台はダンス公演というには少し違うと思った
神に捧げる舞曲、儀式的な
宇宙的な神秘と偉大さ
何かうまく言えない感情💦
こんな素晴らしい世界を体感できたこと
この世界を見させてくれた織山尚大に
織山尚大を見つけてくれた黒田育世様に
この作品に関わる全ての方々に、
ありがとうございました😭🙏🏻✨
とここで叫びます😭🙏🏻✨
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一夜明けた
今、昨日のあれはなんだったのか。
正直、一瞬見えたあれは?
私は何を見た?
今はまだ掴みきれてきない
ラストパイ
黒田育世様が言っていた死に損ないというワード
2作品のコントラスト 静と動、生と死
死がラストパイを意味するとして、
…朽ちては誕生する
繰り返される命…
死は解放…逃げられない枷…
色々とたどり着けない思考をぐるぐるさてしまう
はっきりとした答えはまだ見つけれなくていいのかもしれない
あの公演を見て何かを感じた
その
何か
それだけで今はいいのかもしれない
😅
なんて、すごく小っ恥ずかしい気取った事言ってる💦
奇妙な体験であったこと
なんだか不思議な力を貰った気がします
残り3公演(多分この文をUPする頃には2公演になってる💦)
怪我なく、どうか無事に完走をできますように
そして、全てを終えた織山に高級焼肉とマッサージと温泉と全力でご褒美あげてほしい‼️
ね‼️正門パイセン😘
お願いします🥹🙏🏻
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