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【SSC/ささめき、ひめごと、そして未来を花束に:11】更新! 2024.07.14

【オンノベ更新/スマホ対応】セカンド・サイトのこどもたち
『ささめき、ひめごと、そして未来を花束に:11』

「ソキはロゼアちゃんを幸せにできる、女の子になりたい。だ、だからね。だからね……」
 ソキは迷わなかった。声はすぐに響いた。ただひとりを求めて。


 大変長らくお待たせいたしました。ついにこの日がやってきました。ロゼアくんの生涯をかけた努力と、ソキの魂をかけた願いの、結実です。ここに辿り着きたくて頑張っていたんですが、ここへたどり着くまでで300万文字あるんですよ(カクヨムさんの文字数計算によるので、そこそこ正確である筈……) たくさん時間を頂きました。たくさんの時間をかけて、本当にたくさん、読んで頂きありがとうございました! 最終回の挨拶みたいですが、まだまだもちょっと続きます。よろしくお願いいたします。


 更新の内容について、すこし(ネタバレを含みますので、11読後の方がいいかな、と思います。

 『学園』の治安について。
 決まり事と拘束がとにかく強い『学園』は、いつもそこそこ治安が悪くて、いつの時代も五王が頭を抱えたりしていました。半年に一回、交代で視察を行う取り決めがある(近年さぼり気味) なのは、その為です。フィオーレがやらかしジェイドが奔走し、シルが『寮長』になってウィッシュが来て、リトリアが暮らし……という時代を経て、『学園』はじつは大分治安がよくなっています。
 シルが治安維持に奔走する傍ら、ジェイド(『花婿』の血を濃く引く『傍付き』) ウィッシュ(成長したとはいえ『花婿』そのもの) リトリア(2王家の血を引く、のちの『花嫁』外部講習生) という、こう、圧倒的美の暴力で薙ぎ払ったあとに、ソキたちが入学しているので……。よし殴り合い勝負で決めようぜ!!! みたいな時代が終わっていてほんとうによかったね、と先達は皆遠い目をしています。
 このあたりに関連した、なんでその状態でシルが『寮長』に選ばれたのか、というのは理由がちゃんとあるんですが(その理由がもとでシルは絶対に帰省しないし、これからも永遠にしない) 本編に入れ込めないと思うので、そのうちコネタかなにかで消化しておきたいな、と思います。シルの情緒とか思いやりとかの成長がいまひとつアレなのも同じ理由です。ろくなものではない。


 深夜のソキの対応(足の隙間に頭から体をねじこんだ) について。
 一発で大本命大正解ルートを選択して寝落ちするのがソキのヒロインぢからです。ここでびっくりしたり遠慮したり、ロゼアくんと距離が(物理) あろうものなら、以後の対応すべてが変わっていたし、きっと話し合いはできなかった。ソキはいついかなる時でもロゼアちゃんがすきすき大好きロゼアちゃんを求めているので!!! というのを力強く物理的にわかってもらうストロングスタイル。あとちょっとした隙間があると頭を突っ込むの好きなんですよ、ソキ。ロゼアちゃんが腕立て伏せとかしてると腕と床の空間にずぼっっと入ってくる。あぶないからやめようね。


 ルルクの『事件』について。
 嘘じゃないけど全然ほんとじゃない。それくらいの匙加減で石を投げた、と言ってたんですよね、ルルク。実際の所は凄惨な、という言葉がくっつく強盗殺人未遂事件、くらいなものでした。未遂で終わらせる為に白魔術師が何人も走ったし、最終的には白魔法使いが動員されました。そしてルルクは自分側の被害については一言もそれらしきことを言ってないんですよ。アリシアには(これからもずっと) ナイショだよ! 発狂しちゃうからね! と思っている。150パーセントくらいで正しい。
 ソキの初年度の帰省時、先輩たちがよってたかって観光案内情報をくれたのもそういった理由です。ここは安全だからね!(ここじゃないと安全が担保できないからね) という集合知。


 ソキとロゼアのひとくぎり。
 ずっと一緒ですよ、で終わって、そのじつ内容を確認してくることはなかった二人の、「これからどうしたい?」がようやく実現できました。長かった。シルが突っついて事件を起こさなければ、この話し合いは持たれることがありませんでした。だってずっと一緒だもん、で終わっていた。これからが不安で、これから先のことを、ソキもロゼアくんも一生懸命考えて、そしてようやく言葉にできた。成長がようやく、そこまで辿り着いた。そういうシーンでした。
 どうなりたい? という言葉は、ほんと出てこないんですよ。どうって、だって『花嫁』で、『傍付き』で、魔術師のたまごなので。その認識がある以上、それでもあえて、とはならなかったんですね。ソキがそれに即答できたのは、これまでの繰り返しがあったからです。どうなりたいの、どうしたいの、とずっとリボンちゃんが聞いてくれていた。それにこれまで、何度も、ソキは答えていた。
 何度も何度も、呆れても諦めず、リボンちゃんはソキに聞いて、絶対に答えさせていた。言葉にさせていた。その練習の成果です。怖くても言わなければいけないこと。怖いけど、口に出して相手に伝えること。何度も、何度も、いろんな場面で、ソキはその練習をしていました。口に出すこと。言葉にすること。相手にちゃんと伝えること。気持ちを差し出すこと。つまりMVPはリボンちゃんですね!
 『花嫁』だったこと、『傍付き』だったこと。これからも、そうであるけれど。よく頑張ったね、と言い合えたので。ひとくぎり。ふたりとも、よおく頑張りました! いやしかし物語開始時点で両片思い(ほぼほぼ両想い) なのに告白にたどり着くまで300万文字かかったのもう笑うしかなくない……? お読みいただきありがとうございました……(笑)


 さて、来週はSSCはお休みで、更新の予定は先日お伝えして通り、以下の通りとなっております。
7/21 「紫弦鏡森」 2章7話
7/28 「ささめき:12(終わり!)」

 それでは、また。

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