― 「ところかまわずナスかじり」第224話 金属探知機 ―

 これは僕が、空港の検査官をしている友人である、野田君から直接聞いた話である。

 その日、野田君は通常通り羽田空港で検査業務をしていたそうだ。
 何人もの旅行客が検査を受け、野田君の前を流れていく。
 と、並んでいる旅行客の中に、野田君は異彩な客を見つけた。
 まあ、いわゆる‟オネエ”である。
 年齢は50才くらいだったというから、‟オバサン”であろうか。

 この‟オバサン”が野田君の担当する列に来た時のことだった。
 ‟オバサン”のくぐった金属探知機が鳴り出した。その瞬間、‟オバサン”が、『なぁによぉ~!残してんだから当たり前じゃないのっ!』と言ったそうである・・・

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