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静岡県の三次元点群データがすごい

今やっている仕事の下調べで面白いものを見つけたので共有したい。

三次元点群データのダウンロード

LiDARやフォトグラメトリなど、3次元で情報を記録・活用したりというのが素人でも手軽にできるようになってきたが、国や各自治体レベルでは大規模な調査に基づくデータが整備・公開・活用されはじめているようだ。たまたま静岡県の建物の計画があり、何気なく静岡県地理情報システム(以下静岡県GIS)というものを眺めていたら、「静岡県3次元点群データ」が目に入った。

静岡県GISはGoogle地図上に様々な情報を重ね合わせることができる

画面左上の「静岡県GIS」の真下をクリックすると地図切替のメニューが表示され、一番下にある。かなり広い範囲にわたりデータを取得することができる。データはG空間情報センターで公開されている。(話がそれるが、東京都23区をはじめとする3D都市モデル(Project PLATEAU)もG空間情報センターで検索可能だ。)ウェブページをトップからたどる場合は、組織/静岡県で、検索結果としてVIRTUAL SHIZUOKAのデータセットが表示される。データセットの検索欄からVIRTUAL SHIZUOKAを検索してもよい。

https://front.geospatial.jp/

VIRTUAL SHIZUOKAというデータセットがエリア単位で用意されている
データセットにより用意されているデータの種類は若干異なる

試しにデータセットをダウンロードしてみる。データセットの内「LPデータ」「ALBデータ」などいずれかをダウンロードする。リンクをたどると下のような地図が表示される。

データを取得したい部分をクリックし、左側のダウンロードアイコンを押す
重いが点群データはそういうものだと割り切っていく。。

図郭ごとにデータをダウンロードすれば広い範囲の情報が利用可能だが、静岡県GIS上に青い点のある場所はブラウザでデータを閲覧することも可能だ。

色付きの点群データが閲覧できる

データの閲覧(CloudCompare)

ダウンロードしたZIPファイルを展開するとlas形式のデータが格納されているのがわかる。las形式のデータはWindowsやMacに標準ではいっているソフトウェアではもちろん開くことはできないので、閲覧・編集するためのソフトが必要となる。las形式の場合はCloudCompareがよさそう。

2019以降のSketchupProでも開くことができるがこちらは有料になる。

さてどんなデータか開いてみる。

点群データは文字通り点の集まり

起伏に富んだ場所は地形がはっきりと分かるし、建物があれば建物の形状もおおまかにわかる。以前紹介した国土地理院の地理院地図で表示できる立体データはメッシュごとに標高を均して作成されているらしいが、点群データはほとんど生に近いデータなので、かなり詳細な高低差が確認できる。これらのデータは無料で、しかもクリエイティブ・コモンズ4.0の条件の範囲内で自由に利用することができる。私のような建築関係者はかなりありがたい。なにせその場所にいかなくてもデータ上で実際の地形がどんなものかわかった気になってしまう。そしてそれは概ね間違いないと最近よく思う。

私は建物を計画する際に、計画地となる場所について、少なくともウェブ上にあるような情報はほとんど調べ尽くすいきおいで調査するわけだが、私のような人間のためにこういうデータが存在するのかなと思う。あるいは別の活用方法があればそれもみてみたい。実際、災害対策・自動運転・景観検討などの利用が想定あるいはすでにされているらしい。

静岡県の自動運転実証実験動画

技術の発展とそれを活用できるフォーマットへ落とし込んでくれた人たちに感謝を伝えたい。

本記事のスクリーンショット元・参考

静岡県地理情報システム(静岡県GIS)

G空間情報センター

https://front.geospatial.jp/

なぜ静岡県は全国に先駆けてICT化が進むのか?ふじのくにi-Con推進協に聞く《後編》-3次元点群データでより良い社会を切り拓く-

第11回地理院地図パートナーネットワーク会議

しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト


AMDlab

点群データのメッシュ化などは下記を参照にされたい。他記事も建築設計をするならかなり有用。

国土地理院がすごい

以前書いた記事で地理院地図を紹介した。


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