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農業】VOL.4 茶園点滴灌水システム

弊社が位置する静岡県は、県の代表作物としてお茶とみかんというのが有名です。そのおかげもあって何十年も前からお茶とみかんに関わる補助事業というものが存在していました。
もちろん他の作物も補助事業として出るものもいっぱいありますが、お茶とみかんの補助事業は全国でも多いほうだと感じています。というのも、知っている限りでも園地造成や苗定植、作業用機械、潅水、防除、マルチなどいろいろなものに補助が出ています。さらに近年のコロナ対策、物価高騰等々いろいろなものに補助が出ています。ありがたい限りです。

弊社は自動潅水の会社なので補助事業と言えば農業用水系や施設園芸系になります。
その中でもお茶の潅水設備の事業では、今までスプリンクラーで潅水していたものを最新の点滴潅水を使って潅水していこうという方針に切り替わっていき、なおかつ施肥まで点滴でしたいという考えの中で生まれた事業がありました。

茶園点滴かんがいシステム

茶園点滴かんがいシステムというものに補助が出て「液肥混入器ユニット50Φ」をお茶園の中に設置するという事業で設備しました。もちろんそれだけでなく、点滴パイプと呼ばれるものを茶畝の中に入れて自動で潅水、施肥をしようという事なのです。
それは画期的な事で、今でこそ当たり前のように点滴パイプは使用されていますが、お茶園の中で畝一つづつに点滴パイプを2条入れて、その潅水、施肥を一か所で集中管理するシステムがシステムとなっていました。
茶園というと電源がなかなかないので乾電池式の潅水コントローラーを使用してシステムを管理しています。

これらのシステムは割と施設園芸では進んでいて当たり前のようになっていますので、茶園の生産者の方々には恐らくイメージでは理解してもらえてると思いますが、イメージで非常に良いとわかっていても費用がかかる事なので、なかなか生産者個人で出来ることではないのです。

こういったものに補助が出て導入できるとなると、そんな素晴らしいことはないという事になってきます。
お茶の価格が落ち込む今こそ官民一体になって生産効率化をあげるための一つとして捉えていただくとうれしいです。

液肥ユニット50Φ-1液型6系統

電源を必要としない液肥混入器-ドサトロン

実際に導入している現場をみると、茶園の中に見慣れない機械がどんと置かれるようになります。
そもそもが液肥混入器がかなり大きくそれを基準に物事が考えられているシステムなのです。
液肥混入器が大きいのは一度に送水される水量が大容量になります。茶園という広いエリアを点滴灌水するため水量が大きくならざるを得ないです。
そのため能力値が大きいものを選定するとドサトロン50Φというものを使用という事になります。

乾電池式潅水コントローラー

乾電池式の潅水コントローラーを使用して電磁弁に指令を出し散水時間を1分から9時間まで決めれるので、各エリアでどのくらい点滴灌水したいか設定して、何時から稼働するかという時間を設定すると自動で点滴灌水をするようになります。

液肥ユニット50Φ‐1液型12系統

一度に送水できる水量を333㍑/分以下で設定しているので面積にすると10~20アールが管理できます。それが電磁弁一つで管理できる面積になります。

たとえば4系統型の液肥混入器ユニットとして考えると1系統20アール×4系統=80アールになります。一つの液肥混入器ユニット50Φ‐4系統式では80アールを管理できるようになります。

そして↑↑上記の画像↑↑の園地は12系統あるので単純計算で20アール×12系統で=240アールになります。2.4haになります。これだけの面積を管理できる液肥混入器ユニットになります。
ただし、一回30分潅水すると×12系統なので6時間かかります。2時間潅水となると24時間かかるので、系統数がたくさんあれば良いというわけではありません。そういう場合は1回の潅水時間は抑えて潅水回数を増やした方が効率がいいです。

茶園点滴ユニットを吊っているところ

点滴灌水で管理するという栽培はこれからどんどん増えていくと思います。
露地でも潅水管理をしていかないと収量が上がらない時代になってきました。
どのように有効活用していくかはまだ研究の余地がありますが、新芽の早吹きや収量アップなど効果的に出ている生産者もいますので是非多くの方に導入を検討していただければと思います。


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