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“かぐや様は告らせたい”のラブコメに対する発明と16巻問題

[16巻までのネタバレを含んでいるので注意]
16巻最高でした。尊くて蒸発するかと思った。しかし思う、これマジどうやって着地させんのよ?
この文章は上記の疑問を解く為のものである。





ラブコメにおける問題点というかハードルというのがある。いわゆる思春期恋愛を利用したラブコメは、主人公とヒロインは簡単に付き合ってはいけない。大人になってしまうと物語が終わってしまうからである。
ホラーで恐怖のドキドキ感を継続させたい為に、主人公はなかなか死なないのと似ていて、いかにドキドキを持続できる環境にしておきながら飽きさせない物語の展開にしていくことがラブコメにおける肝なのである。
(この問題に対しての解決方法は先人たちが色々発明しており、それを踏襲することで品質を保持した延命になると思っている。詳細は後述する)

かぐや様の発明

”好きだけど告白したら負け。だから相手に言わせたい”という発明から物語がスタートするが、これは恋愛頭脳戦と副題を付けれるくらい作者のアイディア勝ち。もうこれで単行本5~10巻は確定なのだ。
初恋の好感度MAX状態をキープしつつ物語を終わらせない。しかも言わせるために試行錯誤するギミックでネタは増やせる。天才かよ。
・・・しかし人気が出れば終わらせないように変化させていくのが週刊連載漫画である。変化していくのは生徒会選挙からだが、だんだんコメディから四宮と会長のキャラクターを深く掘るようにシフトしていく。会長の抱える闇を運動音痴でチラチラ見せる等の方法が絶妙で、その勢いは16巻まで続くこととなる。そう、四宮と会長だけは。

16巻問題というか石上トライアングル問題

石上は悪くない。悪いのは周りの環境というか、投げ込んだ物語の所為。ラブコメは恋愛絡んだ状況のコメディなんだけど、石上周りに関していえば笑える要素が殆どなくて色々辛い。
何が辛いかというと、”物語を引き延ばそうとアクシデント入れちゃいました”が透けて見えてしまっている点である。面白ければ何も問題は無いのだけれど、今回の救われない感が結構つらい。このアクシデント必要でしたか感があるのだ。
だからこの話はサクッと終わって欲しい。とりあえず17巻の冒頭で3人インドに旅行して、誰ともくっつかずに和解して欲しい。
一筋の希望の光は、大仏に超美女恋愛マスター設定が急造されたこと。大仏渾身の右ストレートで3人の目を覚ましてくれ。

延命する為の方法

という事で文化祭時点では20巻位で終わると思われていた かぐや様であるが、どうやらもっと長く続かせたいとの思惑が16巻から強く感じられる。
20巻位で終わらせるならば、石上トラブルを発生させず四宮白銀の話だけで盛り上がりは維持できる。石上トラブル発生の原因は20巻以上続けたい思い以外に無いはずだ。
じゃあどうやってクオリティを維持させつつ延命するのか、断言するが石上周りのトラブルで延命するのは悪手である。もう石上は幸せになって良いはずである。

終わらないエピローグの発明

イタズラなkiss は10巻で主人公が結婚するのだが、その後も10巻以上面白く続いている。大きな理由はラブコメからホームコメディへと上手にシフトしたからだ。ラブコメ物語のエピローグ(ホームコメディ)を終わらせないのである。”二人はいつまでも仲良く幸せに暮らしましたとさ”を描くホームコメディがここで発明されたのだ。
同じ手法として "からかい上手の高木さん"のエピローグ的作品の"(元)高木さん"がある。
これもまさに天才。原作は連載中なのにエピローグを提供することで、原作の結末(ハッピーエンド)が担保されている安心感と、エピローグがもっと続いて欲しいという読者の欲求を満たす、画期的な発明である。

かぐや様における終わらないエピローグとは

かぐや様を20巻以上延命させるためには、四宮と白銀の同棲or結婚生活を描く他ない。(同棲した大学生編があるかもしれない。若しくは日本での結婚生活編があるかもしれない。・・・生活描写のキーである早坂が離脱しないことを願うばかりだ)
そのような展開を作者がしてくれるかどうかは、17巻・18巻次第という他ないだろう。どうかよろしくお願いいたします。
マジで同棲生活編読みたいなあああああ。



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