ChatGPT APIをメールの要約アシスタントとして働かせた実験と気づき
もはやn番煎じ感さえあるChatGPTを試してみたアイディアです。私としてはコンテンツライティングやアイディアのブレストにはちょうど良く使えるのではないかという考えを持っているところですが、もっと実際の業務担当者の日々の業務で使えそうなものはないか、ということでAPIの検証を兼ねてテキストの解析をさせてみました。
APIであればオプトインしない限り、学習データとして使用されることはない規約になっているので、業務でトライするのも(許可が下りれば)ありでしょう。
前提の情報
ペルソナ
時代の先端を行くようなトレンドの働き方ではなく、オフィスワークをしているような方を想像しています。メールのやり取りやデスクワークが主な業務です。長い文章を読んで理解するのが大変というペインを抱えています。モデル
APIで使用するモデルは最新の「gpt-3.5-turbo」です。ChatGPTと同じモデルです。開発ツール
Power Automate。HTTP REQUESTを行うので有償版前提です。Logic Appsでもよいです。環境
Outlook、Teamsとしました。Gmail、Slackでも同じことができるので、環境に合わせてください。APIリファレンス
https://platform.openai.com/docs/api-reference/making-requests?lang=node.js深津氏式プロンプトシステム
偉大です。
https://chatgpt-lab.com/n/ne1643b7f10e6?gs=5083d6d139f4
シナリオ
受信したメールを選択(正確にはフラグを設定)したら、APIがメールの内容を要約する。結果はTeamsのチャットに返します。
特定フォルダーに格納されたメールのフラグをオンにするとトリガーが発動します。メールボディはHTML化されているのがほとんどですので、テキストに変換します。
なお、APIのメッセージサイズ数は4,096(4KB)が上限ですので、あまりにも長い文章は要約できません。substring関数で切り詰めるのも手段です。
深津式プロンプトをインストールします。
HTTP REQUESTに必要な情報を記入します。通常であれば、POST時のモデルは"user"にすべきところですが、RESPONSEのassistantの回答が口語になりすぎてわかりづらかったためassistantにしています。
結果どうなった?
サンプルとしてTポイントカードの利用規約の変更を要約してもらいます。
重要な点は規約変更によるユーザーへの影響というところでしょう。また、要点がピックアップされていれば概ね意図した動作といえます。
では結果を見てみましょう。いくつか実行してみた結果を並べます。
概ね要約できているようです。APIのレスポンスとしては大丈夫でしょう。しかし、いくつかの課題も見えてきます。
気づいた課題
要約したいほど重要なメールだとして、次に何をすべきかわかりづらい。
単純な命令を行うのではなく、先回りして提案してほしくもなります。ユーザーは要約してほしいではなく、文脈を解釈して判断材料を与えてほしいのではないかと考えられます。単純に実装してみただけではなく、課題を深く掘り下げて何を解決したいのかを紐解いていくことが求められるでしょう。キーワードが見づらい
APIの応答で改行や書式設定を指示しましたが、意図したように返してくれませんでした。他の方法で体裁を整える必要があります。フラグをオフにしないと繰り返しトリガーが発動する
止めるために重要なメールのフラグを勝手にオフにするのは困るので、別のトリガーやアプローチを検討する必要があります。
〆
日常的にAIが使える世の中になった一方、誰の何の課題を解決したいのかを考えることが求められています。AIのハードルが下がった分、いろいろとトライしてアイディアを磨き上げていけるとよいですね。
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