我が家の借金返済冒険記

noteでは好きなことだけを書こうと思っている。
かつて論文や研究論旨、計画書でウン万字を書くのに追われていた経験があるのだけれど、(もちろん好きでやっているのだから苦ではないんだけど)

マネタイズするわけでもないnoteでは残しても残さなくてもいい、どっちかって言うと残したい。し、リアルの友人には言えないけど人に言いたい みたいなことを書きたい。そして同様の悩みを抱える女性の少しでも参考になればと思う。

一般的に言えば私の夫はダメンズだと思う。結婚して1年半後に発覚した500万円の借金には正直度肝を抜いた。
私と出会う前に相当なパチンカスだったようで、その段階で3社から合計200万円ほど借金、その後すぐに私と交際し同棲することになり、家計を私が握ることになったので返済が滞り、あれよあれよと利子が膨らんだというわけだ。

唯一助かったな(?)と思ったのが、返済を一度も滞納していなかったことだ。これは本当に助かった!
1度でも滞納すると信用情報に傷が入り、住宅ローンはおろかクレジットカードの作成や携帯電話の契約もできないケースがあるからだ。結婚生活を継続するか否かの判断ではここが決め手だったのは事実だ。

発覚した時は当然の如く怒号を飛ばし、年収程の借金をどうにか返済でいるとでも思っていたのかと問い詰めたのだが、彼は何とかなると思っていたらしい。現実逃避かと思ったが、どうやら心底思っていたらしい。ちなみに私の夫はものすごく頭が悪いが、とはいえ立派に働きそれなりの年収を得ているので、口悪く言えば「そういった世界」の人間ではない。ごくごく普通の人だ。

私と出会う前から借金のあった彼は消費者金融から借りては返して、何度か完済したこともあるというのだ。毎月3−5万円の返済だったらしいから、確かに非現実的ではない。完済してまた足りなくなったら借りる。借りると言ってもコンビニのATM機でカード1枚で出来てしまう。普通の銀行と同じ。麻痺して借入=預金口座の感覚に思っていたようだ。

同棲したことで2人でそれぞれ生活費の供託額を決めた。彼の目線で言えば、給料−生活費の残額はお小遣いには十分だが、返済するには少し足りない。だから毎月の返済固定額を減らした。毎月5万返していたものを2万に下げる。
生活費は2人の供託で十分だった。私はそこから結婚資金も貯めていた。とはいえ、交際しているのでお祝い事には出費がつきもの。そうなるとやっぱり足りない。男として見栄も張りたい。そういう時は追加で借りる。その繰り返しで利息がズンズンと膨らんだのだ。

発覚したのは、その毎月何とか捻出していた金額を上回る利子/月 になり、他に借りれる金融会社もなくなり、いよいよ首が回らなくなったタイミングだった。縁遠い世界なので私自身知らなかったが、消費者金融には借りた額元本そのものの返済はしなくても、利息だけは毎月きちんと払わなければいけないらしい。
その段階で毎月返済にかかる比率は元本:利息=1:9だった。返しても返してもそれは元の金額を減らしたことにはならないのだ。恐ろしい。

毎月家計をしっかり握っていた私は夫婦の共有名義として貯金を別に行っていた。し、独身自体からの僅かな蓄えもあった。借金は全額一括で返済した。夫の借金を返済するために仕事の合間に銀行のATMに並んだ時は流石に情けなくて涙が出た。

メンヘラ鬼嫁の私がこれで終わるわけはなく、その後義両親の元へ連行し全てを洗いざらい説明させ、義両親の前で回し蹴りを入れた。ずっと酒もタバコもしませんよという良妻として厚めの猫をかぶっていたのでそれはもう義両親はひっくり返るほど驚いていた。し、泣いた。夫も何故か泣いてた。おい、泣きたいのはこっちだぞ。そして本当は酒もタバコもめっちゃする。
親って、夫婦って、面白いなぁと思ったのは、これを伝えたときに義父は泣いて謝り、許してやってくれと土下座してきたのに対し、義母はもう捨ててやっていいよこんな奴…と言い放ったことだ。昭和全開の亭主関白な義父と、専業主婦で同居・自宅介護までやり切った大人しい義母だったので、このチグハグさには「やっぱ女って強い」と感嘆した。


今後2度と借金をしないということと、大きな買い物をする時は相談する、そして今後同様のことが起きた際は夫婦の共同貯金も全額私のものだし、夫名義の住居も私の名義にするし、死ぬまで私に慰謝料と生活費を支払い続けるというだいぶヤクザな証書を交わした。もちろん今後は本人に断りなく信用情報を取り寄せ、引き続き監視するという内容も盛り込んだ。

再構築にあたって

ここからは窮地に陥った私がとった家計再構築への手順を紹介する。
借金・浪費癖がありどうすればと悩んでいる方はぜひ参考にして欲しい。

◆完済証明の発行
消費者金融には返済した際に「完済証明書」「解約証明書」を発行してもらった。これは2度と関わらないぞという決意表明と同時に、今後まともな理由でローンを組まないといけなくなった際に提出するかしないかでは審査担当者の心情が大きく変わるとネットで見たためだ。借金あったの内緒にしたって信用情報で一瞬でバレるからね。最初から伝えるスタイルで。無料で発行できるので是非。
※実際これを提出したことで完済から半年で無事住宅ローンおりました。

◆銀行口座の見直し
本人からはクレジットカードを没収した。給与口座のキャッシュカードも通帳も没収し、新たにネット銀行口座を開設し、そこの口座に毎月お小遣いを振り込むシステムになった。このメリットは、アプリ上で夫の口座にいくら残っているのか、いつATMで引き出したのかを私も確認できる点だ。
夫婦とはいえ財布にいくら残っているのか見るのは忍びないので、大体どのくらいの頻度でいくらおろしているのかを視覚化できた。
マネーリテラシーがないため、すぐにコンビニで引き出し、毎月かなりのメガバンク手数料を躊躇いなく払っていたようだが、コンビニATM無料のネット銀行にすることで解決した。我が家は楽天銀行です。都市に住むならコンビニATM無料は思っている100倍便利。管理の利便性ではキャッシュレスへ移行も考えたが、まずはリテラシーを養うことを優先したので現金で。

◆収支管理の徹底
発覚までは夫から生活費と貯金分として現金を受け取り、残りはブラックボックスだった。夫が毎月いくら稼いでいるのか正確には知らなかった。十分足りていたので。
なので、給与明細はまず私が開封し、保管することとなった。明細書の控除額の見方も教えた。また、家計簿をつけることを義務づけた。特に服飾品を買うときは、必ず私が立ち会い家計から支出するようにした。

◆マネーリテラシーの向上
マイナスだった夫のマネーリテラシーをプラスに、そして私自身のマネーリテラシーもレベルアップした。
これまで受け身の家計管理でとりあえず生活費。大体毎月いくら貯金。としていたのだが、様々な本を読み積立NISAに始まり投資信託に着手した。マイナスを取り返したい!と個別株も検討したが、コツコツ積み立てるインデックス投資が性に合っていたようで今のところはコロナも乗り切りいい感じに利益を出している。
そんなことをしているとSNSのおすすめでも勝手に資産管理系の投稿が出てくるようになり、知らず知らずのうちにリテラシーが身についた。ベタだけど両学長のYoutubeはわかりやすくてBluetoothイヤホンで聞きながら家事をした。
ちなみに中田大学はアグレッシブすぎてしんどかった。キラキラしたいわけじゃなくて整えたいってレベルなら両学長がおすすめ。

◆家計簿の付け方
スマホのアプリで何となくつけていた家計簿を改め、エクセルで関数を駆使した細かい家計簿と資産推移表をつけ始め、定期的に夫と共有している。
特にこれは夫にとっても効果的で、やはり視覚的に資産推移を見るとやる気が出るらしい。今まではざっくりと「結構貯まってるよ〜」だったのが、何%増えて前月はいくらだったのか、それは何故なのか(何に支出したのか、何を節制していたのか等)をプレゼンするのは予想以上に効果的だった。

◆一点後悔していこと
禁煙を義務付けなかったことだ。これは私も愛煙家だったので引け目があり止められなかった。ちなみに酒量は10分の1に減った。夫なりのケジメらしいが正直全然足りねえわ。

そこまでして何故離婚しなかったのか

つらつらと書き出し、いかに夫がクズか伝わったと思う。もちろん友達にはほとんど言っていない。ちらっと話しても流石に金額は伏せた。

私が友人なら、はよ離婚せぇぇぇと言うと思う。
発覚当初は私も毎日泣きながらたくさんの経験者のブログや知恵袋を読んだ。どれも「借金グセは一時的に治っても根本的には治らない。病気だから」ということばかりだった。皆何度も裏切られていた。では何故再構築を選んだか。

理由は簡単で、私には帰る家がないからだ。
両親共に亡くしており、一時的にでも帰れる実家がない。姉も母子家庭で余裕はなく、とても頼れない。
私も働いているとはいえパートの薄給で、実質夫の給与で養ってもらっていたのは事実であり、そこに感謝はあった。すぐに出ていくことができなかった。

もちろん愛やら情やらもある。が、それ以上に現実的に頼れるところがなかった。
あとは信念として、浮気や過ちがあっても他人に迷惑をかけていないなら1回目は許そうとも思っていた。痴漢や暴力のように被害者のいるような犯罪は一発でアウト。だからこそ、少しでも再発リスクを抑えるために義両親にも報告し証書を取った。

これは理解し難いかもしれない。でもね、帰る場所がないって結構辛いのよ。私は過去同棲していた相手の家から姑に追い出され、リアル家なき子を経験したからあの惨めさは痛感している。酒臭い街を当日泊まれるホテルはないかと大荷物を抱えながら彷徨う。明日はどうしようかと不安で勝手に涙が出てくる。あの感情だけは2度とごめんだ。それなら耐え忍んでも暖かい家で、フカフカの布団で眠りたい。

加えて少し落ち着いた頃、酔った勢いで男友達にこの件を伝えたところ、「でも返せたんでしょう?返せたなら許してみたら?」と言われた。

何と他人事な回答だろう。でもこの一言で肩の力が抜けた。

非常にシンプルな結果オーライだ。実際、家計管理は私の思うままに出来るようになったし、リテラシーが向上したことでグングン貯金は取り戻したし生活は非常に整った。
夫も憑き物がとれたのか、仕事でも成果を出すようになり年収が上がった。
喧嘩になりそうな時も、「まぁあれに比べればマシか」と思うようになった。
どん底を見た女、めっちゃ強くなった。

これからも上記に書いた内容は全て継続するつもりだし、もう少しプラスαも加えたい。そしてそれは私1人では出来ないことなので、まずは再構築だ。

こんな苦境にあった私でも、何とか立ち直れたから大丈夫だよ。みんな頑張ろう。ちなみに我が家は貯金で完済できたけど、足りなかった時は自己破産するつもりも毛頭なく、義実家売り払ってでも、義兄、義姉に取り立てでも一括完済するつもりだったよ。聖人君子じゃないからね。そうなっても同じように再構築選んでたとも思う。





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