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Monterey AVA モントレーワインの話(1)

散々オレゴンワインとワシントンワインの輸入をしています。と言っていますが、カリフォルニア州モントレーのワインにも力を入れています。

モントレーワインやAVAを詳しく説明した日本語サイトってないなーと思ったので、下記のモントレーワインの協会のページを訳してみました。(例によって備忘録ですので長いです。)

ちなみに、モントレー・カウンティ・ヴィントナーズ&グロワーズ・アソシエーション(MCVG)の代表はシャイド・ファミリーワインズのJohn Holderさんで、私達オルカ・インターナショナルはシャイド・ファミリーワインズを日本に輸入しています。

モントレーワイン概要

モントレー郡は、美しい景観の宝庫として世界的に有名です: ビッグ・サーの荒々しい海岸、カーメルの真っ白な砂浜、ペブルビーチの穏やかな潮溜まり、サリナス・ヴァレーの肥沃な土壌(小説家ジョン・スタインベックによって有名に)、そして比類ない気候と素晴らしいホスピタリティ。これらの要素は、贅沢やアクティビティに最適な条件を提供するだけでなく、この地域に広がる砂質のブドウ畑やワイナリーに理想的な地形、気候、土壌を提供しています。
モントレー・カウンティのワインは、人気、個性、バランスにおいて他に類を見ません。
さらに重要なことは、私たちは訪れる人たち一人ひとりを家族のように受け入れているということです。

ビッグ・サー

ワイン産業の物語は、今から250年以上前、スペインのソレダッド伝道所でフランシスコ会の修道士たちが初めてワイン用ブドウを植えたところから始まりました。
その後現在に至るまでに、この地域は約4万エーカー(16,817ha)のブドウ畑に成長しました。
それでもモントレー郡が、ナパ、ソノマ、ブルゴーニュ、ボルドーといった名高い地域に匹敵する気候を持つワイン生産地として認められるようになったのは、1960年代初頭のことです。
テーブルワインの需要が高まるにつれ、モントレー・カウンティはそれに応えるべく、多くのブドウ畑やワイナリーを新設しました。

カーメルの砂浜

そして現在、2億ドルを超えるカリフォルニアの主要な高級ブドウ産地としての名声を確固たるものにしました。
フランスワインの様な洗練された味が、これほど身近になったことはありません。(フランスだけでなく、ポルトガル、スペイン、イタリアの品種も栽培)。モントレー・ワイン・カントリーの歴史的ルーツは深く、私たちのルーツは、それぞれの運命的瞬間を誇らしげに吸収し、他に類を見ない体験を生み出してきたのです。

モントレーワインの歴史

1771年

1970年、宣教師たちは、サリナス・ヴァレーのサン・アントニオ・デ・パウドゥア伝道所とヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・ソレダッド伝道所で、モントレー郡で初めてブドウの樹を植えました。これらのブドウを使って、聖餐用ワイン、食卓用ワイン、酒精強化ワインを造ったのです。

1919年

Charles Tamm

この地で商業的なワイン生産が始まりました。1919年、フランス人のシャルル・タム(Charles Tamm)は、彼の家族がガビリアン(ガビランとも呼ばれる)山脈の開拓者となった際、現在のシャローン・ヴィンヤード(Chalone Vineyard)に初めてブドウを植えました。タムは、シャローンの石灰岩土壌がフランスの有名なブルゴーニュ地方に似ていると信じていました。この歴史的な3.79エーカー(1.5ha)の区画は現在も存在し、最近ヒストリック・ヴィンヤードの認定を受けました。数年後の禁酒法時代、ブドウ栽培者たちはブドウ畑を維持するために、ブドウを売って聖餐用ワインを造りました。

1960-1969年

1960年、ウェンテ、ミラソー、ポール・メイソン、J.ロア、シャローンを含む生産者たちが、初めてブドウ畑に植樹し、シャローンは最初のワインラベルをつくります。

ウィンクラー博士の気候区分・・試験に出るやつね

1960年、USデイヴィスのアルバース・J・ウィンクラー教授が、ワイン産地の気候を分類するウィンクラー指数という指標を開発。1962年、ミラソーはポール・メイソンのために1000エーカー(405ha)のブドウ畑を開墾します。

1965年には、カール・ウェンテが300エーカー(121ha)の畑を開き、さらにワインメーカーに、挿し木、台木を供給するための苗木屋を設立しました。
これらのブドウ畑では、自社ラベルのワインが造られました。現在、カリフォルニアで栽培されているシャルドネとソーヴィニヨン・ブランの50%以上が、ウェンテ・クローンのブドウです。

1967年、ダーニー・ヴィンヤードはカーメル・ヴァレーに60エーカー(24ha)のカベルネ・ソーヴィニヨンを植樹。

1969年までに、モントレーのブドウ栽培面積は2500エーカー(1011ha)近くに達し、そのほとんどはフレンチ・コロンバール(現在は栽培されていない品種)でした。


1970-1979年

我らがアル・シャイド氏

1970年、ワイン用ブドウの栽培が郡全体に広がります。サリナス・ヴァレーでは、ガビラン山脈の東側で最初にブドウが植えられました。(Chalone-1919)。ブドウ栽培はその後、西側のサンタ・ルシア山脈(Santa Lucia Range)の麓や サン・アントニオ・ヴァレー(San Antonio Valley)、サン・ルーカス(San Lucas)、ヘイムス・ヴァレー(Hames Valley)など、他の地域にも広がっていきます。初期のブドウ栽培はカーメル・ヴァレーにも拡大していました。
この地域の未開発の可能性は、ウィンクラーの推奨と有利な税制優遇措置に基づき、栽培農家を魅了し続けました。

1971年から1974年にかけて、栽培農家は2万5,000エーカー(10,117ha)を植樹し、その中には8100エーカー(3,271ha)という世界最大のブドウ畑も含まれています。これはブドウ栽培の新しい波の始まりを告げるものです。
この同じ期間に、アル・シャイドが2100エーカー(850ha)、ダグ・ミードがアロヨ・セコに356エーカー(144ha)のヴェンタナ・ヴィンヤード(Ventana Vineyards)を植樹しています。
また、リッチ・スミスはサンタ・ルシア・ハイランズにパライソの畑を、ジェラルド・マクファーランドとフィル・ジョンソンは9600エーカー(38,85ha)の畑を、ディック・グラフとフィル・ウッドワードはガビラン地区のシャローンに畑とワイナリーを拡張しました。

1980-1989年

1982年、生産者らによってカーメル・ヴァレーとシャローンAVAが設立され、TTBが承認。
1984年、生産者らによってモントレーAVAが設立され、TTBが承認。
1987年、生産者らによりサン・ルーカスAVAが設立され、TTBが承認。

AVAとリージョンI~Ⅳ

1990-1999


1990年、生産者らによりサンタ・ルシア・ハイランズAVAが設立され、TTBが承認。
1884年、生産者らによりヘイムズ・ヴァレーズAVAが設立され、TTBが承認。
1995年、サリナス・ヴァレーとカーメル・ヴァレーのワイナリーとブドウ畑に5つのテイスティング・ルームが設置され、ワイン・ツーリズムが始まる。

カーメルの街はめちゃめちゃ可愛いです

2000-2009年

2004年、生産者らによりサン・ベルナーベのAVAが設立され、TTBが承認。2006年、生産者らによりサン・アントニオ・ヴァレーAVAが設立され、TTBが承認。
2008年、生産者らが、地域社会、従業員、環境を保護するため、畑でサステイナブル栽培の取り組みを開始。モントレーの生産者のなかには、SIP(サステイナビリティ・イン・プラクティス)認証の確立に尽力している者もいました。これらの取り組みには、積極的な社会的責任による水の保全、安全で倫理的な害虫管理、エネルギー効率の高い生産方法、道具や機械、積極的な野生動物の生息環境の保全、継続的な改善などが含まれます。( サステイナブルな 畑、雇用者、地域社会の実践における革新は、今日も続いています)。

シャイドは自社の風力発電で100%+賄っています

2010-2019年


2020年、同地域は10月26日、モントレー郡総合計画の一部として農業・ワイナリー回廊計画を採択。この計画は、新規申請のための証明書を合理化し、サンタ・ルシア・ハイランドの下、リバー・ロード沿いを走るワイナリー回廊の設立を正式に決定するものです。

2013年、 ワイン・エンスージアスト誌はモントレー・カウンティを「世界のワイン旅行先ベスト10」に選出。

2015年、ワイン・スペクテーター誌はサンタ・ルシア・ハイランズのピノ・ノワールをカリフォルニアのピノ・ノワールの中で最も高く評価し、4年連続でこの産地のトップに君臨し続けています。

2020年~現在


2022年、生産者らはシャローンAVAの南西側に新たなガビランAVAを設立し、TTBはこれを承認。

2020年~現在
2022年、生産者らはシャローンAVAの南西側に新たなガビランAVAを設立し、TTBはこれを承認。


各AVAのお話に続きます。


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