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お菓子な小説

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お菓子にまつわるエピソード。嘘かホントかはあなたの想像次第。
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#らあめんババア

らあめんジジイ。

疲れた……。
まだ昼か……。

そうひとりごちた水曜日。
私はラーメン屋の戸を開いた。

「らっしゃあせぇー!」

店内はそこそこにぎわっている。

「ひとりなんですけど」

人差し指を立てて、店員に伝える。

「カウンターどぞ」

若い店員にぶっきらぼうに通された。
カウンターには年配の女性が座っている。

この店はいわゆる「二郎系」であり、ラーメンに高く盛られた野菜が有名である。とはいえ、私は

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らあめんババア。

「らっしゃあせぇー!」
威勢の良い掛け声が店内に響く。

そこに私は一人で入り、右手の人差し指を力強く立てる。

「カウンターどぞぉー!」

足取りは軽い。なぜなら私はラーメンが好きだから。

仕事一筋のこの人生。子どももいないので、楽しみといえばこのランチ。
仕事仲間と行ったこじゃれたランチよりも、ニンニクもヤサイもアブラもマシマシにして、誰とも会わないように過ごすのが好きなの。

「けっこう量

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