お気持ち表明に対するデータ分析

みなさんこんにちは。

若葉の緑が目にしみる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

わたしはというと、わが軍大宮アルディージャが昨シーズンに引き続き大変苦しい時期を迎えましたが、特に大きな悲観もなくなり「まあこんなもんやろ」と見事にJ2の沼に引きずり込まれたことを実感している今日このごろです。

さて、わが軍は先般発表がありました通り、16節をもって監督交代、17節終了後には社長名でいわゆる「お気持ち表明」がなされました。内容を見ると「『失点の多さ』、『得点力不足』改善に着手する」、「降格圏脱出、そしてプレーオフを目指し這い上がる」とのお言葉がありました。

ツッコミどころはさておき、プレーオフを目指すとの言葉がでてきたわけですが、過去シーズンを振り返ると「無理じゃね?」とか「言わされただけだろ」とか懐疑の念が出ざるおえない状況かと思います。(そもそも本部長の原さんからは具体的に「PO進出を目標とする」という主旨のコメントはありませんでした)

・・・ということで疑いを晴らすには客観的なデータが一番です。
前置きが長くなりましたが、お気持ち表明に記載された「わが軍大宮アルディージャはホントにプレーオフに進出できるの?」について分析していきたいと思います。

以下参考データ football lab様 
https://www.football-lab.jp

■議題
大宮アルディージャはホントにプレーオフに進出できるの?

■目標設定
過去3シーズン分のプレーオフ進出(6位)の勝点平均を取ると65ptsでした。
今回は勝点65ptsを目標に設定します。

■手法
監督を交代した今、残された大きな変化点は以下2点かと思います。

1.原崎新監督体制による成績改善
2.夏ウィンドーに選手補強

1. については既にスタートし改善に着手している状態です。
2. については夏の追加登録期間である7/21~8/18に選手を追加登録できます。
残された2つの変化点で区分け、場合分けして分析していきます。

●区間分け
・区間A
5/25現在 17節終了~選手補強まで
 →監督交代による効果を評価できます。

・区間B
選手補強~最終節まで
 →区間Aと比較することで選手補強の効果を評価できます。

●場合分け
・パターン1
 夏ウィンドウ獲得選手を最短で登録し、第27節(7/23)から戦力とする
 区間A:9節、区間B:16節

・パターン2
 夏ウィンドウ獲得選手を最遅で登録し、第31節(8/19)から戦力とする
 区間A:13節、区間B:12節

・パターン3
 選手補強しない みんなでがんばる
 区間A:25節

■分析
区間Aで得られる1試合当たりの平均勝点をPa
区間Bで得られる1試合当たりの平均勝点をPb
とした場合、パターン1における65ptsの目標を達成するには以下が成り立ちます。
 14pts(17節時点勝点)+Pa×9節+Pb×16節 ≧ 65pts
また、選手補強による1試合あたりの勝点積み上げはPb-Paによって表記できます。X軸をPa、Y軸をPb-Paとしてプロットすると以下のようになります。

X軸の値が大きくなる(右にいくほど)原崎新体制が好調=選手補強が必要なくなるということになります。

仮に現在までの成績(14pts/17節=0.82pts/game)を「相馬ペース」とし代入すると、
Pb-Pa=1.9pts/gameとなります。
つまり現状から改善せず夏補強をする場合、プレーオフに進出するためには「1試合あたり勝点1.9ptsもたらしてくれる選手が必要」ということになります。

ここで「勝点1.9もたらしてくれる選手ってどんなもんなの?」という疑問が生まれます。
もう少しわかりやすくするために勝点と得失点の相関を見てみましょう。

J2過去3シーズン分のデータをX軸を得失点(GD)、Y軸を年間勝点としてプロットしています。
勝点と得失点差(GD)には相関があると判断してよいでしょう。
少々乱暴ですが、近似直線の傾きが0.7443ですので勝点1増やすには得失点約+0.74必要だということがわかりました。

では話を戻しまして・・・
「1試合あたり勝点1.9ptsもたらしてくれる選手」は「1試合あたり得失点+1.4もたらす選手」と言い換えることができそうです。フォワードなら1.4点/試合ですのでメッシが必要だったわけですね。

その他の区間Aの成績指標として以下を用意しましたのでパターン1、パターン2をあわせてみてみましょう。
相馬ペース:0.82pts/game ※2023年1~17節成績に準拠
相馬好調ペース:1.50pts/game ※2023年1~8節成績に準拠(4勝4敗)
原崎覚醒ペース:2.04pts/game ※2023年補強なしでPO進出する推定ペース
(パターン3)
原崎半覚醒ペース:1.8pts/game  ※「相馬好調ペース」と「原崎覚醒ペース」の間

まとめると以下のようになります。

区間A原崎監督の成績による差異も大きいですが、補強タイミングによる差異(パターン1,2の差異)も小さくないことがわかります。

分かりやすいよう補強対象をフォワードとし、得点(ゴール+アシスト)のみに影響を与えるとした場合、過去J2実績より該当する選手は以下のようになりました。(適当に探してみました)

・1.4得点/試合(パターン1 相馬ペース)
2004年川崎 ジュニーニョ選手 0.95点/試合(39試合37G)+アシスト
アシスト記録が残っていませんでしたが、含めれば同程度になるかもしれません。
→J2歴代得点王で最も高い数値です。単独ではなく複数ポジションの補強が現実的

・0.83得点/試合(パターン2相馬好調ペース)
2022年横浜FC 小川航基選手 0.75点/試合(40試合26G+4A)
 →昨年得点王です。得点王クラスの選手補強が必要ということになります。こちらも複数ポジションの補強が現実的

・0.51得点/試合(パターン1相馬好調ペース)
2018年大宮 マテウス選手 0.5点/試合(40試合12G+8A)
 →2018年以降の大宮では最高クラスの成績です。過去5年で最高クラスの選手が必要ということになります。

・0.37得点/試合(パターン2原崎半覚醒ペース)
2021年大宮 河田篤秀選手 0.37点/試合(19試合 7G+0A)
 →数年に一人の救世主レベル

・0.28得点/試合(パターン1原崎半覚醒ペース)
2021年大宮 奥抜侃志選手 0.29点/試合(17試合 3G+2A)
→例年大宮のエースもしくは準エースレベル

■結論
プレーオフ進出は不可能ではないが、現実的には「J2最高クラスの複数大型補強」もしくは「原崎新監督の半覚醒」かつ「早期エースクラスの補強」が求められる。

プレーオフ進出を目標とした場合、新体制の成績による補強対象者のレベルがなんとなくわかったのではないでしょうか。
ウィンドウ開幕直前、第26節(栃木戦)までの成績がどの指標に近しいのか、対してどんな選手を獲得する必要があるのか、または必要ないのか、手打ちが目標に対するアプローチとして適当なのか、ざっくりは判断できそうです。
そして「降格圏脱出、そしてプレーオフを目指し這い上がる」とお気持ちを表明した社長の本気度はどれくらいだったのか、夏には判断できるのではないでしょうか。

それでは原崎さんの覚醒と世界平和を願って締めたいと思います。

ぜんいんがんばれ。

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