見出し画像

さいあくの目覚め

気づくと、電気ショックによる死刑執行が、今まさに行われようとしているところだった。

メガネをかけたふくよかな男性が上半身裸になり、死刑台に横たわっている。30代だろうか。
死刑台はMRI検査のような形で、仰向けになり頭から機械に突っ込んでいく。

逃げようとする男性を、私は無理やり戻そうとする。
逃げようとする。
戻そうとする。

このやり取りに腹が立ってきた。
悪いことをして死刑になったんだ、死して当然だ!
何を今さらあがいている。

私は今まで、当然のように死刑執行に立ち会ってきた。
悪いことをしているという認識どころか、正義を感じていた。

しかしふと、
本当にこの人の人生を強制的に終わらせていいのか?
本当にこれが良いことなのか?

そう疑問に思い始めた瞬間、私は泣き崩れ、そこから動けなくなった。


・・・という夢を見た。げんなり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?