ライバーが変わってしまう問題

まず最初に大事な事を書いておきますが、僕は人が変わることが悪いことだとは思っていません。

特に進化を伴う変化ならどんどんしていくべきだと思うし、逆に全く進化していないライバーって魅力ないと思うので、変わってしまうこと自体がすべて悪いことであるというわけではないということを最初に書いておきます。

そもそもなんですけど、人ってなかなか変わらないと思われていますけど、それは性格とかの話で、基本的には環境や立場が変われば変わる生き物です。

人はその環境に適応していく能力を持っていますからね。

アルバイトで店長まで登りつめたとして、新人アルバイト時代と店長時代で言っていることが180度変わるなんてことはザラです。

新人が見ている景色と、店長になってから見えてくる景色は全く違いますからね。

例えば、ポコチャのライバーだったら、D帯の時に花火を投げてもらったときのリアクションと、S帯に上がってから花火を投げてもらったときのリアクションは全く違います。

D帯だったら花火5発も集まればランク維持ができますけど、S帯ライバーくらいになると「今日は花火100発集めます」みたいなことをやらないと難しいじゃないですか?

みなさんリアクションを頑張っていますが、5分の1と100分の1のリアクションを完璧に同じにするなんて無理なので、リスナーは変わったと判断します。(繰り返しますが、変わることがダメということはなくて普通のことです)

リスナーの立場で言っても同じような変化があります。

そもそもなんですけど、リスナーが1ヶ月に使えるお金は決まっています。

Pocochaで月2万コイン使えるとしましょう。

E帯やD帯なら1080コインの花火を投げて主役になることもあると思いますが、S帯で花火を投げて主役になれることはありません。

その結果、配信を見ても承認欲求や自己肯定感が満たされないという変化が起こります。

ここで、配信に行かなくなってしまう人と、無理して投げてライバーに見返りを求めるようになる人がいますが、それをライバーは変わったと判断していると思います。

こんな感じで、立場が変わればお互いに変わるものだし、今説明したような変化は普通に考えればわかることなので、理屈で考えている人は理解している話だと思います。

たまにメンヘラ炸裂させているライバーやカマチョ炸裂させているリスナーを見かけますが、あれは理屈ではなく感情優先なタイプなのであんなことになっています。

で、ここからが本題なんですけど、僕がリスナーの立場から見て思うライバーの変化でライバー自身が気づいていいない重要なことがあります。

それは、ライバーとしてのランクが上がれば上がるほど、「自分のことを理解してほしい」という押し付けが大きくなるということです。

そもそも、ライバーとリスナーの関係って、

・自分がやりたいことをやる
・リスナーが求めていることをやる

のグラデーションだと思うんですね。

芸能人並みに顔面が良かったり、他のSNSでファンがいる人じゃない限り、リスナーが求めていることをやって上に上がる人が多いと思うんですよ。

TOPユーチューバーを見ても、「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーに反して、完全にリスナーが見たいものを提示しているじゃないですか。

基本的にライバーとリスナーの関係性って、ライバーがリスナーを理解することで成り立っていると思うんですね。

それが、ライバーの立場が上がれば上がるほど、ライバーがリスナーに理解してほしいというアピールが多くなっていくんですね。

ポコチャでよく見かけるのだと、

・ファミリーとはこうあるべきだ
・推しマークつけている人はこうあるべきだ
・アシスタントとはこうあるべきだ

みたいな感じ。

リスナーからしたら知らんがなって感じですw

こういう押し付けをしてしまっている人は気を付けてほしいのですが、ライブ配信ってビジネスなんです。

ビジネスには、サービス提供者とお客様が存在します。

サービス提供者はお客様の要望を理解して、それに応えるのが仕事です。

サービス提供者とお客様の関係は対等ではありません。

圧倒的にお客様のほうが立場が上です。

ライバーとリスナーの関係で言うなら、リスナーのほうが立場が圧倒的に上です。

ライバーはリスナーがいなくなったら価値がなくなりますが、リスナーはライバーがいなくなっても他のライバーにすぐ移って自分の価値を見出せるからです。(この理屈で言うとライバーも他のリスナーを捕まえればいいという話なんですけど、それは簡単ではないので価値がなくなると考えてください)

リスナーのほうが立場が上だから、リスナーのことを理解することがライバーの仕事になるわけですが、その現実を無視してライバーの想いを押し付け始めてしまうんですね。

これはリアルビジネスで考えてもらえればわかりますが、自分が通っている美容院や飲食店が、売り上げが上がるにつれて、

「うちのお店はこういうお客さん以外いらないから」

みたいなことを言いだしたらあの人変わっちゃったからもう行くのやめようかなってなりませんか?

それと同じことをやってしまっているライバーが「あのライバー変わっちゃったな」って思われるわけです。

で、ここからさらに本質的な話に入っていきますが、なんで上に行けば行くほど自分の押し付けが多くなるのかというお話をします。

これは、上に行けば行くほど、孤独を感じるからです。

ポコチャで言うならば、

S帯→理解してくれる人がほぼいない
A帯→S帯の人が理解できる
B帯→S・A帯の人が理解できる
C帯→S・A・B帯の人が理解できる
D帯→S・A・B・C帯の人が理解できる
E帯→S・A・B・C・D帯の人が理解できる

みたいな感じじゃないですか。

S帯の人は孤独なわけですよ。

S帯のライバー同士で繋がったとして、多少の理解は得られると思いますけど、基本的には同じステージで戦うライバルなので、本音で接することなんてできないですしね。

なので、必然的に孤独になります。

上に行けば行くほど孤独感が強くなっていくので、自分のことを理解してくれーってなって、押し付けが増えていくんですね。

経営者の自殺率は従業員の自殺率よりも、何と6.9倍も高いという統計があるのですが、これも経営者が孤独だからです。

トップライバーは経営者みたいなものですしね。

以上の現実も、理解している僕からすると仕方ないなと思う面があるのですが、一般的なリスナーはライバーの孤独感なんて知ったこっちゃありません。

普通に社会で働いている人は孤独を感じながらも、それをお客様には押し付けずに仕事をしているわけです。

なぜなら、それが社会人という生き物だからです。

一言で言ってしまえば、仕事であるという自覚がないという話で終わってしまうのですが、ランクが上がってリスナーが離れてしまっているライバーは、オフラインの仕事の現場でも同じような発言をするのかという視点で見つめなおしてみてください。

きっと考え直す部分があると思いますよ。