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函館といえば、「イカ刺し」

  朝イカを売る専門の車が、朝から「イカ、イガ~、朝採れたてのイカ、イガ」と放送をかけながら住宅街を回ってくる。かつて、安い時には、一ぱい100円で買えた時もあった。イカの内臓(通称ゴロ)もおいしくて、そのまま塩辛なんかもつくれたりする。
 そのイカが、函館でここ数年取れなくなっている。温暖化が原因なのか、取りすぎなのか、はたまた国際情勢なのか。いずれにしても、イカを中心に街をPRしてきた函館は大打撃だ。「イカ踊り」という音楽に合わせたダンスもある。
 「イカ刺し、塩辛、イカそーめん、もひとつおまけに、イカぽっぽ」と始まる軽妙なリズムの「イカ踊り」。その単純なメロディーとダンスのわかりやすさで、子どもたちにも、外国人たちにも大人気だ。函館の観光をアピールする「イカール聖人」なるDVDもマジメに販売されているし、イカマイスターなる認定資格もある。
 それなのにだ。イカが取れないのは致命的なことだ。それでも、昨日行ったお店は、手際よく、イカをさばいてくれて、ひとり一枚の「活イカの刺身」だ。いわば、函館のソウルフード的なイカをいただきながら、ちょっと幸せを感じる時だ。食べ物と地域文化は密接に結びついている。

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