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コロナ禍、ひっそりと別の病気と向き合っていた話(4)

続き。最初から読む方はこちらをどうぞ。

腎臓で何が起きているのかを調べるべく検査入院をして腎生検という検査を受けることになった私。今日は、腎生検、当日の話。

腎生検とは、すごく簡単に言うと、体に針を刺して腎臓の組織を採取してそれを顕微鏡で調べること。

検査はその日の午後、入院している病棟と同フロアの処置室というところで行われることになった。前日から絶食が言い渡されており空腹である。(ちなみにその言いつけを守らず前の晩、パンを食べてしまったがそれでもなお空腹であった)

時間になり、さぁ行きますよーということで看護師さんらがやってきた。自分で歩いて処置室に行くのかと思いきや手術の時みたいに、病室からベッドごと移動とのこと。病室から処置室まで、仰向けのまま流れる天井を見ながら移動していくのがすごく楽しくて、おもしろくて、このまま病棟一周してくれないかしら?なんて思った。

その願いは叶うはずもなくさっさと処置室に到着。

処置室にはこんなに人必要?ってくらい人がいた。その中に主治医の先生(以下A先生)もいて安堵する。針を刺すのは主治医の先生かと思いきや別の先生が担当(以下B先生)するらしい。A先生とB先生がメインとなって検査を行う。

針は背中に刺すのでうつ伏せになる。

背中にひんやりとしたものを塗りたくられている感覚。消毒だろうなと思った。
B先生:「消毒のためにイソジン塗りますね~。〇〇さん(私の名前)、イソジンアレルギーありますぅ?」

私:「いや、ないです。・・・・。ってか、、もう塗っちゃいましたよね?」

B先生:「あぁ~~~!」

この「あぁ~~」が、どこから声が出た?ってくらい高く、加えて、やっちまった感が声に滲み出ていてなんともおかしな「あぁ~~」であり、そして場が場なだけに誰も笑う人はおらず、その静寂がさらにおかしくて、ひとりツボってしまっていた。やばい。笑いが堪えられない。ニヤついてしまうじゃないか、B先生!「あぁ~」じゃねぇよ「あぁ~」じゃ。

いけない。ちゃんとしなきゃ、、と思い直し、真顔に戻る。

次、麻酔登場。麻酔に関しては事前にA先生から、歯医者さんの麻酔くらいの痛みですと教えられていた。それくらいだったらたいしたことないなっていうのが私の解釈。

いざ、麻酔。
A先生の嘘つき。以下省略。

ついに、、腎生検用の器具?登場。子供がありもので作った長めの拳銃風な何かみたいな感じ。これを刺して、引き金みたいのをバチンってやると腎臓の組織が採取される仕組みになってるらしい。

刺す→腎臓に達したところで息を止める→バチン!(採取)という作業を3回繰り返す。

痛い麻酔のおかげで痛みは何もないが、バチンの時の衝撃がすごい。特に3回目は、うそーんって思ったほど。(リアルに描写するのはやめておく)

おそらく数分程度で3回終了。取りたい分量は十分とれたとのこと。

腎生検で、重要なのはその後の止血だそうだ。で、それをどのようにやるかというと、大の大人が私の背中を二人がかりで20分押さえつける。なんとも原始的なやり方である。

前日から絶食という理由がここでようやくわかった。これね。尋常じゃない圧でしたわよ。ぺしゃんこになりますわよ。そりゃぁ胃に何か入っていたら気持ち悪くもなりますわよって妙に納得してしまった。こっそりパンは食べたけど、満腹になるほど食べずによかったねって思った瞬間。

押さえつけられたままの20分が長い。そして、先生達もものすごい勢いで押しているもんだから、押さえている間、ご歓談ターイムなんて空気感は微塵もない。というか先生達のほうが疲弊しているように感じる。

少し体が薄くなったかもしれないなんて思える程の20分を経て処置室での作業は全て終了。あとは明朝まで仰向けで動かずいること。

B先生:「〇〇さーん、全部終わりましたけど、感想は何かありますかぁ?」

私:「・・・。麻酔が想像していたより痛かったです・・」

その発言に一同恐縮しているような、申し訳なさそうにしているような空気が流れていたので、いや、大丈夫でしたよ!と付け足す。(そんなに真面目に受け取り過ぎないで!と・・)

病室に戻り仰向けタイム。この仰向けなんだけど、針を刺した左側の腰付近に止血の為の砂嚢があてられている。左側だけ高さが違うのだ。重いし。
このまま明日の朝まで動いてはならないって結構きっついな。

完全に眠ってしまったら、寝相が悪い私は動いてしまいそうだし、、結局これ、寝ちゃダメなやつね、と理解した。

夜中の0時頃。耐えに耐えたが、遂に我慢の限界を迎えて、ほんのちょっとだけ態勢を直したいと思い、ゆっくりゆっくり体の左側を少し浮かして右を向く形にしようとしたその時、看護師さんが確認をしにやってきて、見つかる。そして動いちゃダメ!ってこっぴどく叱られる。
もうこのタイミングの悪さは何?

でも看護師さんは優しくて、その後10分だけ起き上がることを許可してくれた。この小休止でかなり体的にも精神的にも回復。

その後、結局、朝まで一睡もせずに夜が明けた。

これから腎生検を受ける人に伝えたいのは、検査中のあれやこれは恐れることはないし、痛くも辛くもないよ。それよりもむしろ止血の為の動いちゃいけない時間が辛いよってこと。

以上、お笑い腎生検、終了。

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