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小児在宅医療の心得4箇条

在宅医ココキン帖の小児在宅医療のページに記した心得4箇条。ココに整理します。

1.世界でもっとも子どもが死なない国は、同時に世界でもっともその子たちが幸せに成長できる国でなければならない

日本は世界でもっとも赤ちゃんが死なない国。誇らしいことです。
その、産科や新生児科の先生方が繋いだ「命」
地域にその「いのち」をつないでいくのが、私たち、地域をフィールドにする医療者の役割だと考えています。

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2.小児専門医でなくても、在宅医として小児にかかわることで子どもたちの生活を支えることができる

暮らしにつながる在宅医だから
→生活の中での困りごとや、家の広さや構造にも目を向け気を配り、ケアの方針を一緒に考えます!

家族につながる在宅医だから
→家族の調子や思いも一緒に聞いて、必要なら診察や薬処方も可能です。家族の変化とケア児のバランス(お兄ちゃんの進学、とか、おじいちゃんの入院、とか)も一緒に考えられます!

未来につながる在宅医だから
→病状の今後の変化はもちろんですが、生活や人生の今後の変化まで見越して関わります。保育園、学校、卒業、大人になる、そこまで考えて関わります!
→人生会議を丁寧に、決めることよりも一緒に悩みながら伴走します!

地域につながる在宅医だから
→医療的な健康だけでなく、社会的健康度にも注目。出会い広がるその子の世界をを応援します!

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3.小児在宅医療は、小児科医がその専門性を発揮してかかわる方法と、在宅医がその専門性を発揮してかかわる方法がある

小児科医が在宅医療を学び、小児在宅医に進化する道と、在宅医が小児の経験を積み、小児在宅医に進化する道、の二つがあります。

実際に、小児在宅医療を実践しているドクターは、どちらのパターンのドクターもいます。

小児科の開業医は、外来や予防接種が忙しく、なかなか在宅医療を始められない先生が多いといいます。
すでに地域を飛び回っている在宅医が、小児科の先生と連携しながら受け入れを始める方がスムーズと言われることが多いです。

「成人在宅医むけ小児在宅医療講座」のようなセミナーを開くと、全国から多くの在宅医が受講され、各地で1人ずつからでも、小児在宅医療の受け入れが始まっています。

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毎年開催されている
「成人の在宅医療に関わる医師向け小児在宅医療講習会」http://shounizaitakusien.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=98533

4.小児在宅医療は、在宅医にとって「小児にまで専門性を拡げる」ことではなく、小児を受けとめられるくらい「在宅医療の専門性を深める」こと

小児在宅医療は在宅医療を実践する医師にとって、別ジャンルのチャレンジ、と思っている方もいますが、

病気別リストを埋めていくイメージだと、新ジャンルに思えるかもしれませんが、

生活の中で、変化していく患者さんにかかわる。
→変化=成長。大人の患者さんより、成長の幅がものすごく大きいのが子ども!

家族の想いや希望も叶えるつもりで患者さんにかかわる。
→親世代を介護する家族の想いも深いですが、子を想う親の願いは海よりも深い!

かかわる職種が特別に多い患者さんにかかわる。
→医療介護にとどまらず、保育や教育、療育など、無限に出てくるスタッフたち。もともと多職種連携が日常な在宅医の腕の見せどころ!

自宅でできる医療処置をサポートする。
→一人が使う医療処置は、大人の患者さんより子どもの方が断然多いのです!

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小児在宅医療は大変ですね、と尋ねられたら
「そうですか?楽しいですよ!可愛いですよ!」と答えちゃいますね。

在宅医療に関わるみなさんに。
コツやかかわりの勘所、押さえるべきツボとか
そんなことも伝わるように書かれた、
楽しく読めるココキン帖もよろしくお願いします。

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